大型商業施設「LALAガーデンつくば」(つくば市小野崎)が16日、最後の営業を終え、18年の歴史に幕を下ろした。施設を運営する三井不動産(東京都中央区)広報部によると2023年春に借地権の契約が満了となるため。営業終了後は建物を解体する予定だという。
営業終了30分前の午後7時半からは1階プラザ広場でセレモニーが開かれた。家族連れなど多くの人々が集まる中、筑波大学吹奏楽団が演奏を披露、LALAガーデン内にあるカスミのスーパーマーケット「グラン・プルシェ」の店長小河原浄(こがわらきよし)さんや、LALAガーデンつくばオぺレーションセンター所長の松下裕章さんらがあいさつした。松下さんは「場所を変えて営業する店舗もあるのでぜひ今後もご愛顧いただきたい」とし、職員らと共に18年間の思い出や感謝を述べた。営業終了のカウントダウンが行われ、最後には万感の拍手が起こった。
先月から「最後の感謝祭」と銘打った割引セールが開催されており、最終営業日となった16日は割引品を求める多くの買い物客らでにぎわった。値引きもない書店のTSUTAYAまで「新型コロナが始まって以来最大の混雑」と言われるほどの混雑だった。1階のプラザ広場や駐車場では、立ち止まって名残惜しそうに建物の写真を撮影する人々らも見られた。プラザ広場前のつくラボでは18年間の歴史を振り返る「ヒストリー展」が開かれ、買い物客らが展示された年表などのパネル展示に足を止め静かに見入っていた。
LALAガーデンつくばは2004年3月19日にオープンした。敷地面積は約5万6984平方メートル、2階建てで店舗面積は3572平方メートル。約1200台が駐車できる駐車場を備えていた。スーパーマーケット「グラン・プルシェ」をはじめ、ドラッグストア、アパレル、生活雑貨の販売店やカフェなど約50店舗が出店していた。
周辺では2008年に「イーアスつくば」(同市研究学園)、13年に「イオンモールつくば」(同市稲岡)がそれぞれ開業。約10キロ圏に大型商業施設がオープンし、競合が激化していた。空き店舗も見られるようになり、16年にはサザコーヒー(ひたちなか市)のカフェを備えた大型書店、TSUTAYAや、未就学の子どもの遊び場、KID’S PARK(キッズパーク)をオープンさせるなど大規模リニューアルを行った。18年にはテナントとリビング型の共用スペースを融合させたゾーンを新設し、コインランドリーなど5店舗が新規出店していた。
都内在住の30代男性は「筑波大学に在学中に付き合っていた彼女と自転車に乗ってよく来ていたので懐かしい。閉店してしまってさみしい」と話した。市内在住の40代男性は「(プラザ広場で)行われるダンスやコンサートのイベントを見に行っていて思い出がある。建物が取り壊されるのであれば、またイベント広場のような設備のある商業施設を作ってほしい。そしてLALAガーデンと同じような店舗に出店してほしい」と話した。(田中めぐみ)