【鈴木萬里子】つくば市下広岡の住宅団地、桜ニュータウン(約580世帯)にある広岡交流センターで毎週土曜日、住民相互の交流を図る「サロン桜」が開かれている。特に団地内に住む演奏家を招いて2カ月に1回開催している手作りコンサートが人気だ。
2012年10月、住民の一人、八代勉さん(77)が妻の美代子さん(74)と立ち上げた。最初は男性たちで青写真を作り、アイディアを出し合った。だが始まってみれば女性ばかりが参加し、常時7~8人が参加して楽しいおしゃべりで盛り上がるという。
おしゃべりの話題はもっぱら本や料理などの情報交換が中心で、家族の話題はのぼらない。60代の会員は「程よい距離感が良い、ここで世間話をしても家に帰ると忘れる」と話し、70代の会員は「仕事をしていたので近所に知り合いが少なかった。土曜日にここに来ると知らなかった人と友達になれてうれしい」と明るい。
行事も開催している。発足当時はウォーキングを楽しんだ。宝篋山(つくば市小田)に登ったこともあったが、現在は会員の高齢化などにより中止している。勉さんの案内で、都内の桜名所を巡るなどのお楽しみは続いているという。
地元演奏家招きワンコインで
人気の手作りコンサートは、おしゃべりの際に高齢の会員から「音楽を聴くのにノバホールまで行くのは大変。お茶を飲みながら楽しめるコンサートがあると良いのに」との声が上がったことが発端となった。
団地内にはプロの演奏家が何人か住んでいる。第1回は住民の一人でピアニストの戸川哲郎さんを招いた。気軽に参加してもらえるように参加費をワンコインの500円にした。会場作りから運営まですべて会員らによる手作りだ。
2012年12月の第1回から2カ月に1回、休むことなく現在まで続いている。今年2月は団地住民の高野綾さんによるマリンバコンサートが行われた。参加者の多くが「お茶を飲み、おいしいお菓子を食べながらリラックスして聴く音楽に癒される」と話していた。
◆サロンは毎週土曜日午後2時頃から4時まで、会費は無料。次回コンサートは4月21日。バイオリン奏者の高岩紀子さんとピアノの石橋博子さんが出演する。コンサートは住民だけでなくだれで参加できる。
