
【谷島英里子】5cm四方の箱に小物を入れて“世界”を作る、つくば市のアーティスト渡辺のり子さん(29)の個展「長い旅行の断面図」が土浦市中央1丁目のギャラリー「がばん クリエイティブルーム」で開かれている。
発砲スチロール製の箱の中に、おもちゃ、クギ、綿、ロウソク、キーホルダーなどの小物を入れて、一つの世界を作っている。
作品のひとつ「夜の噴水公園」は、鳥のブローチと石とくぎを組み合わせた。紺色に塗られた箱の中に、外灯に見立てたくぎが立てられ、2羽の鳥が池に浮かんでいる。
渡辺さんは筑波大学芸術専門学群卒。学生のころ、箱のアーティストとして知られる米国のジョゼフ・コーネルの作品と出合い、2009年ごろから箱に小物を入れた作品の制作を始めた。11年から土浦市内にある劇団「百景社」で舞台美術を担当しながら、現在までに計300箱を制作した。今年度で退団し、アーティスト活動に専念する。劇団員として最後の個展だ。
渡辺さんは「一箱一箱まったく中身の違う作品を見ることによって、見る人を小さな世界への旅へと導いてくれると思う」と話している。
展示期間は11日と16~25日。開館時間は午前10時~午後6時まで。入場無料。
◆ワークショップ「掌(てのひら)サイズの世界作り」を17日開催する。時間は午後1~4時まで。予約不要。参加費500円。箱に入れたい小物を持参して作ることもできる。問い合わせは百景社の根岸さん(電話029・896・3099)まで。
