人口減少による労働力不足が課題となる中、地方の中堅中小企業に、国内の外国人留学生や海外の大学生など、高度な技術や専門性をもった外国人材を採用する企業が現れ始めている。
日本貿易振興機構(ジェトロ)が中堅中小企業などに呼び掛け、17日から5日間開催する「ジェトロ オンライン合同企業説明会」(文科省、厚労省共催)に、県内からつくば市千現のコンピューターソフトウエアシステム設計開発会社、ペンギンシステム(仁衡琢磨社長)が参加する。
2020年秋からジェトロが年2回開催している合同企業説明会で、今回で4回目。外国人材に特化した企業説明会としては国内最大級の規模になる。今回、採用側の企業は28都道府県から84社が参加する。県内からの参加はペンギンシステムが唯一。
外国人は、3月卒業予定の国内の大学や大学院などに在籍する留学生や、海外に住む大卒者など約1500人が参加する予定だ。前回、2021年秋の第3回企業説明会では、1社当たり平均20人程度のエントリーがあった。
ペンギンシステムはシステムエンジニアを若干名採用する予定だ。仁衡社長は「人口減少社会となり中小企業はどこも人材採用に苦労していると思う」と話す。「ここ10年、コロナ前までは、新卒者の大企業志向が薄れてきて、地元の中堅中小企業にいい流れがきていたが、コロナ禍で大企業志向に回帰するという揺り戻しがきている。中堅中小企業も人材確保が厳しくなり、今までと同じやり方ではいけないと試行錯誤が始まっている」と語る。
「国籍や性別にとらわれずに働く仲間を募集したい」とし、「どの中小企業も他人事ではないと思うので、優秀な外国人を採用したいと考えている中小企業の先駆けになれれば」という。
合同説明会は5日間、オンラインで開催されるほか、22日から2月25日までの約1カ月間、アーカイブ配信される。参加企業に対してはジェトロが、採用や就職がスムーズにできるよう包括的支援を行う。