【山口和紀】電動キックボードは近い将来、自宅からバス停までのラストワンマイル(最後の1区間)の移動手段を担うことができるのかー。土浦市真鍋の自転車道「つくば霞ケ浦りんりんロード」で18日、電動キックボードの走行実験が行われた。同市で実証実験が行われている、複数の公共機関やモビリティを組み合わせ、検索・予約・決済等を一元化する「つちうらMaaS」の目玉の一つだ。
実験に使われたのは常総市のベンチャー企業「KINTONE(キントーン)」の電動キックボード「モデルワン」だ。家庭用コンセントから簡単に充電することができ、一度の充電で13~18キロ走行が可能。最高時速は25キロ。孫悟空の「筋斗雲(きんとうん)に乗っているかのように移動できる」という。
今回行われた実証実験では、すれ違い、追い抜き、並走などの様々な状況を、徒歩や車いす、自転車などが通行している状況を想定し実験し、安全性や活用の可能性を探った。
現在、電動キックボードは条件を満たせば原動機付き自転車として公道を走ることができるが、自転車道を走ることは認められていない。一方、欧米ではシェアリングサービスが進むなど一般に普及している。QRコードを読み込むなどの簡単な方法で、街中のステーションから電動キックボードを借りていくことが出来るという。
同社の担当者は「欧米では、新しいことはまずやってみて、そのあと調整して法制度を作っていく。日本は安全性や活用法をきちんと確かめてから法制化という流れ。実際に自転車道を走ることができるのは、早くてもあと5年はかかると考えている」と語った。
実験を行っている関東鉄道の担当者は「バスや電動キックボードのようなモビリティを様々に組み合わせて、より良い交通システムを模索していきたい。」と話した。