【車谷郁実】筑波大学(つくば市天王台)で7、8の両日、新型コロナの影響で帰省できない留学生や外国人教員、日本人学生らに向けてお餅を配布するイベントが行われた。大学が異文化交流や留学支援などのために設けている支援窓口、グローバルコモンズ機構(ベントン・キャロライン機構長)による。2日間で、事前に申し込みをした57人の留学生を含む125人がお餅を受け取った。
イベントでは個包装された紅白ののし餅2つが学生らに手渡された。お餅を食べ慣れていない留学生らに向けて、おすすめの調理方法や食べ方を英語で紹介したYouTubeのURLを記載した職員手作りの冊子も配布された。お餅を受け取った留学生からは「焼いて食べたい」「今朝も餅を食べたが、帰宅したらまた食べたい」などの声が挙がった。
グローバルコモンズ機構の糸井智香国際事業係長は「全国的にイベントや祭りが中止になり留学生にとって日本文化を感じる機会が少ない1年だったと思う。少しでも日本の正月の雰囲気を味わってもらえれば」とイベント開催の経緯について語る。

留学生に日本の文化を知ってもらおうと会場には、芸術学群の学生が所属する桐書藝団、池坊華道部がそれぞれ書道作品の揮毫(きごう)、生け花を展示したほか、絵馬を書くブースなども設けた。中国人の男子留学生は「書道のレベルの高さに驚いた。すごい」と目を輝かせていた。
同機構では例年、異文化交流イベントなどを常時開催し、学内の異文化理解を促進している。昨年1月には外国人教職員向けの餅つきや書き初めの体験イベントを行い、つきたての餅およそ250食がその場で振る舞われた。だが、昨年は新型コロナの影響で、対面でのイベントは一度も開催できなかった。
今回は、直接職員の手に触れない個包装になっているお餅を用い、入り口での検温や消毒に加え、密を避けるために配布の時間帯を2日間で5回に分けるなどの感染対策を徹底することで開催できた。
糸井係長は「餅を初めて食べる留学生もいた。今回のようなイベントがないと異文化交流が進まない」という。しかし、「イベントを企画した1カ月前とはコロナの感染状況が全く違う。1週間遅ければ開催も断念したかもしれない。日々状況が変化していく中で企画していくのは難しい」とも語った。