【崎山勝功】つくば市は4日、成人式「つくば市成人の集い」の中止を決定した。新成人数は県内最多の2747人(2020年11月1日現在)を抱え、10日につくばカピオでの開催を予定していた。
市生涯学習推進課によると、新型コロナウイルスの感染拡大が収まらず、今週中にも東京など首都圏1都3県に緊急事態宣言が出される見通しとなる中、式を開催するとこれらの地域からの移動が想定され、参加者や家族への感染や医療体制のひっ迫が懸念されるため中止を判断した。担当者は「開催延期も考えたが、感染収束の見通しが立たない」として、新成人らで組織する実行委員会と協議の末に決定したという。
同課によると、当初は感染拡大防止対策として新成人の出身中学校別に午前・午後の部の2部に分けて、つくばカピオ(同市竹園)で成人式を開催する予定だった。成人式には例年約1800人前後の新成人が参加する。
一方で2017年成人式の際に逮捕者を出して以降、18年から手荷物検査をはじめ警察官や警備員、消防団員を大量動員した厳戒態勢を敷いており、一部市民から「過剰警備では」との疑問の声が上がっていた。
中止に伴い、当初予定されていた五十嵐立青市長らのあいさつなどの動画は、同市公式サイトに12日ごろに配信予定。また式典中止の代わりに新成人に祝い金を約1万円ほど支給を検討しているという。レンタル振り袖のキャンセル料などについては、同市では従来より支払わない方針を明示している。
土浦市は規模縮小して開催
土浦市では10日午後1時30分から同市真鍋新町のクラフトシビックホール(土浦市民会館)で成人式の開催を予定している。新型コロナ感染拡大防止のため例年に比べ規模を縮小して行う方針だが、4日時点で「内容等について変更する場合がある」と公式サイト上でアナウンスしている。
同市の新成人数は1491人(20年11月1日現在)で、例年の参加者数は約800~900人前後にのぼる。市文化生涯学習課によると、式典会場の同会館大ホール(座席数1019席)は、密集を避けるために400人程度に入場制限する。館外の受付で一度検温し、同会館内に入る際に入口前で再度検温するなど、感染拡大防止の徹底を図る。
同会館小ホールや会館広場に大型モニターを設置して式典の映像を流すほか、当日会場に来れない新成人に配慮して、成人式当日に市公式サイトにリンクを張り式典映像の動画配信を行う。
感染拡大防止のため、会場敷地内には酒類を含めた飲食類の持ち込みを禁止し、会場警備に当たる土浦警察署にも協力を要請する一方で、成人式前後に同窓会など大人数での会食自粛を呼び掛けていた。