12月末で活動を休止するつくば市民大学の最終講座が24日、つくば市東新井、同大学で開かれた。最後の講座は、市民活動に携わる人らがプレゼンテーションの基本技術を学ぶ「市民活動のプレゼン術」。市内外から参加した42人がワークショップを通じて、効果的な伝え方について理解を深めた。
同大学を運営する市民団体「ウニベルシタスつくば」の徳田太郎代表(45)が講師となり進行した。参加者は2021年に再会したという設定で、「今何をやっているか」を聞きあったり、自分の活動を「キーワード(印象に残したい言葉)シート」を作って紹介したりするワークショップを行った。その後の質疑応答では「話が長すぎるのを改善したい」「緊張しないためにはどうすればよいか」などの問いが活発に飛び交った。
徳田さんは、プレゼンテーションについて「論理と感情の両方がそろっていることが大切」と強調。「お金もない、(人の)数も少ない中で、私たちが地域や社会で何かをするには言葉の力を磨くしかない。論理と感情を兼ね備えた言葉の力を紡ぎましょう」と呼びかけた。
参加した認定NPO法人「リヴォルヴ学校教育研究所」スタッフの北村直子さん(40)は「プレゼンテーション技術を一方的に教わるのではなく、その前に押さえるべき核を体感させてもらった」と述べ、「つくば自立生活センターほにゃら」事務局長の斉藤新吾さん(42)は「実戦形式で分かりやすかった。つくば市民大学には今年から行くようになったが、ふだん出会うことがない人と意見交換でき、いろんな視点が学べたので、休止は残念」と惜しんだ。
つくば市民大学は2009年4月に開校。これまで多様性、持続可能性などをテーマに参加・体験型の1220講座を開講し、のべ1万2千人が受講した。徳田さんは「地域や社会の課題解決に向け、具体的な動きにつなげたいと思って運営してきた。地域でいろんな活動をする人同士がつながり、新しい展開が生まれるきっかけが作れたのでは」と9年間を振り返った。(大志万容子)