月曜日, 12月 22, 2025
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《食う寝る宇宙》71 おうちで「宇宙環境シンポ」に参加

【コラム・玉置晋】10月7日、JAXAさん主催の「宇宙環境シンポジウム」に参加、講演させていただきました。一昨年は神戸大学が会場で、茨城から新幹線を使った日帰り弾丸ツアーでした。昨年は東京都市大学横浜キャンパスが会場で、自家用車で向かったのですが、首都高で道を間違えて、渋谷駅前から「遅刻しちゃうよ~」と、下道を泣きながら横浜に向かいました。

今年の宇宙環境シンポジウムはオンライン。自宅からパソコンでアクセスして講演を聴講、さらに発表できるのはうれしいことです。上はYシャツを着ていましたが、下はパジャマだったことは、ここだけの内緒です。

ノーベル物理学賞 今年も宇宙分野

今年のノーベル物理学賞は宇宙分野から選出されました。ブラックホールの形成の証明、銀河系中心の巨大ブラックホールの存在を明らかにした、イギリス、ドイツ、アメリカの3研究者が受賞しました。

昨年は宇宙論や太陽系外惑星に関する研究が受賞していますので、2年連続で宇宙分野から選ばれました。ノーベル物理学賞は、宇宙・素粒子分野と物性分野が1年毎に選出されるのが恒例でしたので、驚きました。

オンライン授業か 対面受業か

10月に入り、大学は後期授業が始まりました。僕が所属する茨城大学でも、一部の授業で対面での授業が開始されたようです。「ようです」と、他人事な表現なのは、僕が仕事にかまけて全く登校していないからです。

不真面目な学生のことは置いておいて、学生の皆さんにとって、オンライン授業と対面受業ではどちらが有益なのでしょうか。キャンパスライフを楽しむ、研究室での活動となると、対面に優位性を感じるのですが、授業となると果たしてどうでしょうか。

先生の立場、学生の立場、それぞれから聞いてみたいものです。パジャマじゃ、対面授業には出られないしなあ。僕はオンライン派かな。(宇宙天気防災研究者)

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よみがえる新日本紀行花火師編《見上げてごらん!》47

【コラム・小泉裕司】今回は11月19日放送のNHK BS「よみがえる新日本紀行」に登場した、そうそうたる花火師の顔ぶれを紹介したい。「新日本紀行」は1963年10月から82年3月まで19年続いた30分の紀行番組。NHKのホームページによると、「日本各地の風土紹介だけではなく、そこで生きる人々の物語や話題など人間の記録を中心にすえた紀行ドキュメンタリー」とある。私が小学生のころ、担任の先生に社会科の宿題として見るよう言われ、中学生になっても見続けた。 「よみがえる新日本紀行」は「新日本紀行」を最新デジタル技術で色鮮やかな映像によみがえらせ、加えて、番組で描かれた取材地の「現在」を新たに取材している、2022年4月から続く40分番組。過去から現在への空間移動が興味深く、西新宿や築地など個人的趣味で録画している。 このうち、花火師を取材した番組は「煙火師群像/愛知県三河地方」と「夜空の詩人たち/秋田県大曲市」の二つ。いずれも時代は変わっても変わらぬ花火師の心意気を描いており、花火愛好家にお薦めしたいアーカイブ映像。残念ながら再放送の予定は見つからないので、今回は「大曲」を紹介したい。 夜空の詩人たち/秋田県大曲市 この番組、実は2024年10月5日にBS4Kで初回放送済みのBS再放送。1981年、秋田県大曲市(現大仙市)で開催された「全国花火競技大会」を支える要人や大会に挑む県内外の花火名人たちの奮闘を描いた名作。なんて心に響く、素敵なタイトルなのだろう。 地元の花火師を支えるだけでなく、全国の花火師との緻密な連携で大会を支える実行委員長の佐藤勲さん。小型トラックで500キロの長距離を運転し到着した茨城県真壁町(現桜川市)の「筑北火工」の花火師をねぎらう姿は、おもてなしの気持ちに満ちている。「題名のイメージに合う花火を上げてもらいたい」と大会に寄せる思いを語った。 2017年には、最も創造性が豊かであると認められた作品(創造花火)に贈られる佐藤さんの名前を冠した特別賞が創設された。 土浦火工の北島義一氏のもとで3年間修行した北日本花火興業(秋田県大仙市)3代目の今野正義さんは、農業と兼職の農民花火師。自宅の窓辺でトランペットを吹く正義さんの長男義和さんは、4代目を決意し、「音楽の世界を光で描いてみたい」と夢を語った。 就業して10年。競技大会で優勝するなど、現在まで数々の輝かしい成績を積み重ねてきた。卓越した型物花火の技術や音楽と融合した花火の創造など、煙火業界の発展に寄与した偉大な功績が評価され、昨年度は「現代の名工」、今年度は「黄綬褒章」に輝いた。 永久保存の価値ある影像 「花火は花火師の個性が出るもの」と語るのは、小松煙火工業(秋田県大仙市)4代目の小松忠二さん。後を継いだ5代目忠信さんは、市内5業者のリーダーとして「見る人々がいかに楽しんでもらえるか」を追求し続ける。 このとき、すでに日本煙火協会の要職を歴任するなど煙火業界の重鎮であった武藤輝彦さんも登場。著書「日本の花火のあゆみ」や「ドン!と花火だ」などは、私のバイブル的資料として書棚に鎮座している。 茨城県明野町(現筑西市)の新井煙火店の新井茂さん。同じ旧明野町で森煙火工場を創業した初代森清さん(現在は森武さんが2代目)がそれまで働いていた新井煙火店は、現在は廃業したとのこと。 群馬県の菊屋小幡花火店の4代目小幡清秀さんは、故郷への想いを赤とんぼにイメージした作品を出品。多重芯割物花火においては名人の域にあり、「四重芯の小幡」とも呼ばれた。2023年、土浦のスターマインの部で、5代目知明(としあき)さんは、故郷の上毛カルタをモチーフにした「風神雷神」で内閣総理大臣賞を受賞。父の系譜を紡ぐ郷土愛満載の作風を愛するコアなファンは数多い。 雨降りしきる中、創造花火の部で優勝した作品は「紫陽花」。花火師は川畑宏一さん、土浦火工の2代目。この年は、北島義一さんが逝去した2年後で、十八番(おはこ)の紫、青や紅の牡丹(ボタン)花火が次々と開花する美しい映像は、アーカイブとして永久保存の価値がある。 放送43年、次代へ継承 番組後半では、番組放送後43年たった2024年の大会を取材。打ち上げの準備に余念がない今野義和さんは、花火作品への思いを「筒の中で静かに出番を待っている花火玉を『役者』として生かしてあげたい」と語った。花火を芸術の世界にまで築き上げたひとり、今野さんならではの哲学に感銘。 デジタル技術を駆使した音楽花火の世界を追求する息子の貴文(たかのり)さんの奮闘も紹介。40年前の番組に登場した花火師の息子世代が、今や業界をけん引する存在となり、父から受け継いだ技と最新のデジタル制御などを融合させて夜空を彩る様子が描かれている。 時代が変わっても、多くの観客を魅了するために、一発一発に魂を込める職人たちの哲学や情熱は変わっていないことを強く感じ取ることができる。冨田勲さん作曲の名曲「新日本紀行のテーマ」で幕を閉じる。 今野さん親子とのご縁 2008年、大曲で花火鑑賞士試験を受験したときの講師のお一人が今野義和さん。「もっとも難しい色は何色か?」の私の愚問に、答えは「黒色」。黒色は光を吸収するゆえ、闇に溶け込んでしまう。誰も想像もつかない数々の名作、奇作を世に出してきた今野さんの究極が「黒い花火」だったのかも知れない。禅問答の奥にある答えの本質に気付けなかった自分が、今さらに恥ずかしい。 息子の貴文さんとは、今年9月の常総花火大会前夜、市内の居酒屋で親睦を深めた。とても穏やかな語り口の裏にある、並々ならぬ花火への情熱に深く感銘。常に父親と比較されることが多いと思うが、豊かな感性と創造性を磨き上げて、「らしさ」を極めてほしい。来年、常総での再会を期して、本日はこれにて、打ち留めー。「シュー ドドーン パッパッパッ!」。(花火鑑賞士、元土浦市副市長)

県立高不足「つくばエリアは新たな事態に」 市民団体が学習会

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堆肥にまみれたこと、ありますか?《マンガサプリ》2

【コラム・瀬尾梨絵】今回紹介するマンガは、数々の名作を送り出してきた荒川弘先生の異色エッセイマンガ「百姓貴族」(新書館、現在8巻まで)。この作品は知らずとも、緻密な世界観と深いテーマで読者を魅了した「鋼の錬金術師」や、命の重みと青春を描いた「銀の匙(さじ) Silver Spoon」はご存じの方も多いだろう。荒川先生の魅力は、話の構成の深さ、個性際立つキャラクターの造形、読者を引きつける圧倒的な画力にある。 子どものころ、「こんなマンガを描けるような大人になれたら」と思わせてくれたその才能が、本作ではフィクションの鎧(よろい)を脱ぎ捨て、等身大の“農家”というフィルターを通して爆発している。 「百姓貴族」の舞台は、先生の実家である北海道の酪農家。タイトルに冠された「貴族」という言葉は、大地の恵みで自給自足の生活を営む農家に対する、都会人からのユーモラスな皮肉かもしれない。しかし、描かれているのは想像を絶する過酷な労働と、それに立ち向かうたくましい家族の日常だ。 作中には、酪農を営む実家での「農家あるある」が満載。非常食は常に収穫物でストックされ、エゾシマリスやヒグマといった野生動物との攻防は日常茶飯事。「牛乳が飲み物ではなく、エネルギー源」として扱われるなど、私たちが持つ常識を軽々と超えてくるエピソードの数々は、全く共感できないが笑えてくる。 食と命と家族ドラマ 中でも作品の核となるのは、個性と生命力が強すぎる荒川家の人々との絆が描かれている点。一家の大黒柱である肉体が徐々にメカになりつつある父や、パワフルな母、姉妹たちが繰り広げるハプニング、常人離れした判断基準は、読者に笑いを提供するだけでなく、彼らの生活力がどれほど強靭(きょうじん)であるかを教えてくれる。 ファンタジーの世界観で鍛え上げられた荒川先生の画力をもって、時にリアルに、時にコミカルに描かれる家族の表情一つ一つが、物語に圧倒的な熱量を与えてくれる。他の作品たちの中では異色かもしれないが、この「百姓貴族」を読み進めるにつれて、私たちは普段何気なく食べている「食」の裏側にある、途方もない手間と愛情、そして大地への感謝を知ることができる。 ただのコメディでは終わらない、食と命と家族のドラマ。荒川弘ファンはもちろん、「銀の匙」で農業の楽しさに触れた人、そして日々の食卓に隠された熱いリアリティを知りたい全ての人に、自信を持ってお勧めできる最高のノンフィクション作品だ。(牛肉惣菜店経営)

「公示送達」のネット拡散に懸念 つくば市議会で珍事

行政が、税金未納者に督促状を送ったり滞納者の財産を差し押さえたり、法令違反による許認可の取り消し処分などを行う際、相手の住所が不明で、督促や聴聞の通知が相手に届かず郵便物が戻ってきてしまった場合、役所の掲示板などに紙の通知文を一定期間掲示することで相手に通知が届いたとみなす「公示送達」という制度がある。つくば市議会12月定例会最終日の19日、「公示送達」方法を見直しインターネットで閲覧できるようにするという二つの条例改正案をめぐって、委員会で賛成者ゼロで否決された条例案が、本会議で賛成多数で可決するという珍事があった。 二つの条例は、地方税法の改正に伴う市税条例の改正案と、行政手続法の改正に伴う行政手続条例の改正案。本会議に先立って詳しく審議された総務文教委員会では、市税条例は賛成少数で否決、行政手続条例は賛成者ゼロで否決された。しかし19日の本会議では一転、いずれも可決された。問われたのは、インターネットに個人や会社の不利益な情報が掲載されることにより、拡散されたり、削除が困難となる懸念に対する歯止めだ。 二つの条例はいずれも、政府のデジタル規制改革推進一括法が2023年6月に公布されたのに伴うもの。これまで役所の掲示板に一定期間掲示されていた公示送達の紙の文書を、インターネットでいつでもどこでも閲覧できるようにするという全国一斉の見直しだ。 市納税課によると市税については、宛て所不明や転居先不明で納税通知書や督促状が相手に届かず市役所に戻ってきてしまい、さらに住民票で転居先を確認したり、近隣の場合は現地調査をしても所在が分からなかったり、外国人の場合は出入国管理庁に開示請求などをしても分からなかった場合などに公示送達し、市役所正面玄関脇の掲示場に、通知内容と対象者の氏名などを掲示する。 2024年度中に個人や会社を公示送達した事例は、市・県民税が161人、固定資産税が34人、軽自動車税が115人だった。徴収回数は年に複数回あることから、国民健康保険税を除く市税に関し計836件の公示送達があり、納税通知書が手元に届かず自ら市役所窓口に税金の支払いに来て、自分が公示送達されていることを知ったケースもあったという。 一方、行政手続条例改正案に関し、許認可の取り消しなどを行うにあたり相手の意見を聞く聴聞手続きについて、過去に公示送達を行ったのは0件という。 二つの条例改正案の施行時期は、市税条例は来年6月末までの地方税法改正に合わせて施行し、行政手続条例は来年5月の行政手続法改正に合わせてそれぞれ施行する。施行後、同市では新たに市のホームページに公示送達が掲載されるほか、市の掲示場にも掲示される。 市ホームページに掲載される中身については、デジタル庁が8月に示した運用指針に基づき、市税についてはこれまで、納税通知や督促などの通知内容と個人名や会社名などを掲示していたものを、改正後は、地方税法第〇条に基づく通知とするなど、法令と個人名や会社名を掲載するほか、個人を検索できないよう画像の状態で掲載するとしている。 10日開かれた総務文教委員会では「地方税法第〇条という掲載でも、条文を調べれば内容が分かってしまう」「(目的外での拡散など)悪用を防ぐ仕組みができていない」「SNSで拡散された事例があるので心配している」「リスク管理が不十分な中で拙速に進めるべきではない」などの意見が相次いだ。 19日の本会議では、条例改正に賛成する議員から「住所や所在が不明であっても不利益処分を受ける可能性がある人に意見を述べる機会があることを伝えるための措置。時代に即した必要な対応」だなどの意見が出た一方、「インターネットで公開すると情報が拡散されることが容易になる。一度拡散された情報は簡単に消すことができない。(目的外の閲覧を)取り締まる仕組みや、プライバシーに配慮した運用はまだ整っていない」などの反対意見が出て、二つの条例改正案いずれも賛成多数で可決された。 委員会で反対し、本会議で賛成した議員の一人は「市執行部から委員会後に説明を聞いたところ、上位法がスタートする時から県も市町村も合わせていかなくてはならないということだった。条例が通らないと市職員の負担が相当重くなったり、支障をきたすということなので本会議では賛成した」と話している。 市納税課は条例施行後の市ホームページでの掲載方法について「国や県の取り組みを参考にしながら検討していきたい」などとしている。(鈴木宏子)