【鈴木宏子】2013年に庁舎が解体され更地になったままの、つくば市旧谷田部庁舎跡地(同市谷田部、約1万3000平方メートル)利活用地元説明会が11日、谷田部総合体育館で開かれた。市公有地利活用推進課は、当分の間これまでと同様に、駐車場やイベント広場として利活用するという方針を示した。参加者からは利活用の検討が進んでないことに対する不満が相次いだ。
一方、県警つくば警察署から、跡地の一角1000平方メートル程度に、谷田部地区交番を移設し建て替える計画が示された。約500メートル離れた現在の地区交番が築約40年と老朽化していることから、検討している。まだ計画段階だが、来年度中に建て替え工事を実施し、2022年4月に移転・開設する方向という。旧庁舎跡地のどの場所に移設するかについては今後、市と協議して決める。
説明会で市は、利活用方策検討調査の結果について、商業施設と駐車場兼イベント広場の2案を検討したとした。結果、現在も年100日間以上駐車場として利用されていること、商業施設を誘致した場合、旧商店街への影響が懸念されるとした。
その上で、当分の間、これまで通り、バスロータリーや駐車場、イベント広場として利用し、地元の要望を踏まえながら、引き続き利活用を検討するとした。
説明会には地元区長ら約35人が参加した。参加者からは「この程度のことしかできなかったのか」「2つでなく5つぐらいアイデアを出せたのではないか」「長期間検討が進まないのは、何がネックになっているのか」「今後どれくらいの間、検討するのか」などの意見が出た。
「全天候型のプールや体育館を検討してほしい」「車がない人や免許証を返納した人などスーパーがほしいという人もいる」など具体的な提案もあった。これに対し市は「皆様の意見を伺いながら、いい利活用を考えたい」などと答えるにとどまった。
旧谷田部庁舎は、市役所が現在の研究学園駅近くに移転したことにより2010年4月に閉庁し、13年に解体された。その後、庁内ニーズ調査、市場調査などが行われ、スーパーやドラッグストアなどの案が出された。区会連合会支部などからは公共施設、商業施設、保育所などの要望書が出された。
◆地元説明会は2回開催され、2回目は12日午前10時から同体育館で開かれる。