【伊藤悦子】土浦市は、新型コロナウイルス感染症緊急経済対策第6弾を実施する。マスク・消毒液の確保、妊婦子育て世帯への支援のほか、公民館のトイレ改修、移住定住促進事業など「新しい生活様式」を踏まえた地域経済の活性化事業に取り組む。安藤真理子市長が31日の定例会見で発表した。事業費は総額約7900万円。1日開会の市議会定例会に、一般会計補正予算を提出する。
「泊りがけ体験」で呼び込む
移住定住促進事業は、地域経済の活性化に関する事業のうち「新たな暮らしのスタイルの確立」として事業費約550万円を計上する。
新型コロナの感染拡大以降、出社をしないテレワークが定着し、これに伴い都心から郊外への移住も関心の高まりみせている。同市は、出社が必要になった場合でも電車、車ともに東京まで約1時間とアクセスに優れること、駅から歩いて行ける距離に霞ケ浦があるなど自然にも恵まれていること、レンコンをはじめ農産物の質が高いこと-など移住に適した環境であることをPRする。
テレワーク移住体験ツアーは、県外居住者で特にサイクルライフに興味のある層をターゲットに取り組む。土浦駅に直結した自転車と一緒に泊まれるホテルに数日滞在してもらい、実際にテレワークをしながら、自転車を活用した生活体験を通し、市の魅力や都心へのアクセスの良さを実感してもらうのが狙い。
実施は来年2月ごろを予定している。今年12月ごろ、家族連れなども想定し10組ほど募集する予定。
新しい生活にらみ市独自事業
「新しい生活様式」を踏まえた地域経済の活性化に関する事業では、「社会的な環境の整備」として、各地区の公民館施設のトイレ改修事業も実施する。和式トイレの水を流すときに発生する飛沫やエアロゾル感染防止のために、ふた付き洋式トイレに改修する。事業費に約3300万円を計上する。
妊婦健診など妊婦で移動する際、公共交通機関を使わずにタクシーが利用できるように助成する。事業費は約580万円。
小中学校および義務教育学校には、消毒薬や防護服など、感染防止用消耗品を追加で購入する。事業費は約490万円を計上する。
ガバメントクラウドファンディング(GCF)は、自治体がプロジェクトオーナーとなり、賛同者から寄付金を募集する仕組み。税金の控除が受けられるふるさと納税制度とクラウドファンディングを組み合わせたもので、今回は市内の高齢者施設に非接触型体温計を購入して配る。ふるさと土浦応援寄付金として歳入100万円を計上する。
会見で市長は「不確かな情報や誤った情報により、感染者その家族、感染防止に対応している人などへの偏見や差別が全国的にみられる。恐れるべきはコロナウイルスであって人ではないこと、偏見や差別をなくすためにも、市民1人ひとりが正しい知識を得て欲しい」と話があった。市のホームページ8月11日付「市民の皆様へ」からも読むことができる。
土浦市長会見映像=J:COM茨城提供