【山口和紀】苦しむ飲食店を救おうと、つくば、土浦でテイクアウトを行っている飲食店をインターネットで紹介するサイトが次々に立ち上がっている。つくば市の有志が行う「旨がっぺTSUKUBA」、同市商工会青年部の「テイクアウト紹介サイト」、土浦市の酒寄隆弘さんが企画する「おうちdeつちうら名店街」の3サイトがある。
新型コロナウイルスの感染が拡大する中、密閉空間、密集場所、密接場面の「3密」を避けながら、おいしい料理を味わってもらい、深刻な影響を受けている飲食業界を応援しようという取り組みだ。
飲食業界の苦境について、つくば市商工会青年部は「商工会への融資の相談も増加し、今後も傾向は続く見込み」だと説明する。3月、4月は歓送迎会などの書き入れ時なのに宴会などのキャンセルが相次いだり、売り上げが下がったりして大変という声が多数だという。
そんな中、多くの店がテイクアウトや、出前などのデリバリーに活路を見いだそうとしている。しかし「個々の発信では限界があり、有意義な情報も届きにくい」ことから、テイクアウト情報を集約して発信するサイトに着想した。
それぞれのサイトには市内飲食店のテイクアウト情報が集められており、持ち帰りができるおいしそうなメニューが数多く並んでいる。
お客さんも投稿
「旨がっぺTsukuba」のサイトはフェイスブック上に作られた。飲食店の経営者だけでなく、お客さんも自発的に投稿し、お店を紹介しているのが特徴だ。「もうすでに、たくさんの方が注文しているよう」だと話すのはサイトの運営者。「人間関係が希薄になりつつある中、さまざまな人が協力し、地域のために行動してくださることに感謝している」と語った。
つくば市商工会青年部もテイクアウト情報をホームぺージ上にまとめている。紹介されているのは同会の部員の店が中心だが、外部の情報も増えてきている。「サイトをきっかけにお店を利用してくれるお客もいるようだ」と語る。「自粛で疲れてしまっている中、少しでも外食気分を味わってもらえたらうれしい」と呼び掛けた。
収束後にぎやかに
「旨がっぺTsukuba」を見て立ち上がったのが土浦市の酒寄さんだ。「おうちdeつちうら名店街」のサイトを5日にフェイスブック上に立ち上げた。「どうにか応援できないか」とずっと思っていたと話す。土浦市も「飲食店だけでなく卸売業、酒販売業など周辺業種の影響も甚大だ」と語る。
「つちうら名店街」の命名の由来は同市川口1丁目にある「土浦名店街」というアーケード商店街だ。酒寄さんは土浦生まれ土浦育ち。子どものころは「名店街」が地域の中心として盛り上がっていた。「新型コロナが収束した後も実際の店舗に足を運んでいただき、いつかまたにぎやかになってほしい」という思いから命名したという。
つくば、土浦近隣のテイクアウト店紹介サイトは以下の通り。3サイトとも10日時点で情報提供を受け付けている。
「旨がっぺTsukuba」:https://www.facebook.com/umagapetsukuba/
つくば市商工会青年部:https://tsukuba-impulse.com/info/take-out_202004/
おうちDEつちうら名店街:https://www.facebook.com/groups/610015126525155/