筑波学院大学(つくば市吾妻)では、学生たちが地域に出て社会貢献活動をする「オフ・キャンパス・プログラム(OCP)」に取り組んでいる。フィリピン出身で、同大経営情報学部ビジネスデザイン学科3年のパクイット・ダリオ・ジュニア・エスカレラさんは「つくばインターナショナルサイクリング」というつくば周辺をサイクリングするツアーを1人で企画し、SNS(ソーシャルネットワークサービス)で参加者を募って実施した。2019年度の同大OCP奨励賞に選ばれた。

筑波学院大学
経営情報学部ビジネスデザイン学科3年
パクイット・ダリオ・ジュニア・エスカレラさん

筑波学院大学のダリオさん=同大

―インターナショナルサイクリングツアーを企画したのはなぜですか?

つくばには外国人がたくさん住んでいますが、集まったり参加したりする場所があまりありません。そして日本語を話す機会がとても少ないと思います。

私は外国人も日本人も一緒に集まって、交流できる場を作りたいと考えました。そこでサイクリングを通じて仲間を作り、コミュニケーションがとれるツアーを企画しました。参加者みんなで英語と日本語で話せたらいいなと思いましたし、私自身も日本語を話したいと思いました。

さらにサイクリングをしながら、茨城やつくばのいいところを紹介したいとも思いました。茨城県は、筑波山があってキャンプもできて、大洗に行けば海もあるし、しかも東京にも近くていいところです。

サイクリングツアーにしたのは、私がロードバイクの大会に出るほど自転車が好きなためです。でも実際のツアーではサイクリングだけでなく、筑波山のハイキングやキャンプもやりました。

―日本のキャンプ場で驚いたことがあるそうですね。

日本のキャンプ場は電気もあるし、トイレもあるし本当に驚きました。フィリピンではキャンプ場に電気もトイレもありません。日本は山登りに行ってもトイレがありますよね。タイやベトナムの山にトイレはありません。海外の人はみんな驚きます。

―実際にツアーをやってみてどうでしたか?

参加者の募集は、インスタグラムとフェイスブックのほかに、ストラバ(STRAVA)、イベントブライト(Eventbrite)などのSNSを利用しました。外国人も日本人もすぐに集まりました。

参加者には米国人もオーストラリア人もいるのですが、日本の方は英語が話せなくても結構コミュニケーションがとれていました。

ツアーは楽しくて、もっともっとやりたいなと思いました。参加した人も「もっと体験したい」「また参加したい」と言ってくれました。今回感じたことは「集まる場所や仲間を探している人はたくさんいる」ということです。自分自身も、つくばでは参加するところがなかったですから。

キャンプを楽しんだ参加者とダリオさん(一番上)=つくば市内

―趣味は何ですか?

スポーツが好きです。一番好きなのはスキューバダイビングです。フィリピンではダイビングの先生をしていました。

2番目は自転車、3番目に好きなのがスノーボードやスキーですね。特にクロスカントリーが好きです。フィリピンには雪がないからおもしろいです。茨城は栃木や群馬、新潟にも行きやすくてスキーのとき便利です。サーフィンもやりますよ。あとはハイキングも大好きです。

―どうして筑波学院大学を選んだのですか?

東北で1年間日本語を勉強したあと、大学を探していました。米国の大学か日本の大学か悩みましたが、もっと日本語を勉強したいと日本の大学を探しました。そのときは日本人の友達がいなかったので、ネットで大学を探したんです。

そうしたら筑波学院大学が見つかりました。内容を読んでみると、自分のやりたいことがありました。そのあとオープンキャンパスに行ったら、フィリピンの国旗が飾ってあったんです。それでこの大学に入ることを決めました。

―大学ではどんな勉強をしているのですか?

2年生まではメディアの勉強をしていました。3年ではもっとコミュニケーションをとりたくて、グローバルコミュニケーションを学んでいます。ホスピタリティーやマナーのことを勉強していますが、とてもおもしろいですね。自分自身の足りないところがわかって、とてもいいです。

―友達はたくさんできました?

日本人も外国人もたくさんできました。みんなで毎週のようにサイクリングやハイキング、スノーボードなど遊びに行っています。私は小さい車を持っているので、ガソリン代などを仲間で「ワリカン」にして出かけています。

―将来の夢は?

日本のホテルマンになりたいです。そしてお金を貯めて、ゆくゆくはフィリピンの私の故郷、サバン・プエルト・ガレラにホテルを造りたいです。日本人はフィリピンというと「セブ島」を思い浮かべる人が多いですが。他にもいい場所があります。なんといってもフィリピンは、海がとてもきれいということを知ってほしいです。

(聞き手:伊藤 悦子)