「もうかる農業」で注目 つくばのワールドファームが農水大臣賞

十数人のスタッフが一斉にキャベツを収獲する=24日、つくば市真瀬の畑

【鈴木宏子】つくば市谷田部に本社がある農業生産・加工業「ワールドファーム」(上野裕志社長)が、2019年度6次産業化アワード(6次産業化推進協議会主催)で最優秀の農水大臣賞を受賞することが決まった。2月20日、都内で表彰式が催される。「もうかる農業」のビジネスモデルを確立し、注目されている農業法人だ。

野菜を露地栽培し、カット野菜や冷凍野菜に加工して販売する「もうかる農業」を全国展開している。「アグリビジネスユートピア構想」を掲げて農業の担い手を積極的に育成し、耕作放棄地の活用や農産物の国産化などに取り組んでいることなどが評価された。

2000年に創業。現在、つくば市など県内のほか、秋田県から熊本県まで10県の14カ所に計約300ヘクタールの農地を借り受け、平均年齢30歳のスタッフ約70人が、主にキャベツ、ホウレンソウ、ゴボウ、コマツナの4品目を栽培している。農業と加工を組み合わせ、農作業の無駄を省いて効率を高め、収益をアップしたのがもうかる農業のビジネスモデルだ。

加工工場でキャベツをカットするスタッフ(ワールドファーム提供)

働き方は「晴耕雨工」

野菜を加工することで付加価値を高めたほか、農業は天候に左右されることから、晴れた日は農業をし、雨の日は工場で加工するなどして人件費の無駄を省いた。畑は工場から半径10~15キロ圏内とすることで輸送コストを削減。収獲する野菜は、従来なら大きさや見栄えが規格品の対象外のため廃棄していたものを加工用にすることでロスを無くすなど、作業を徹底的に効率化した。さらに畑を全国各地に確保してリスクを分散したり、産地間リレーをして年間を通して安定量が生産できるようにした。

スタッフは全員を正社員として雇用し、7~8年で一人前の担い手に育てる教育プログラムを導入している。非農家出身者がほとんどで、新規就農意欲が高い若者が全国から集まってくるという。

販路は、近年、加工野菜の需要が増え、さらにコンビニや外食産業、冷凍食品業界などが野菜の国産化を求めている背景から、現在の年間生産量約7000トンに対し18倍もの引き合いがあるという。

農業への参入を計画している企業と合弁会社をつくって、もうかる農業のビジネスモデルを展開したり、農業者として地域で独立した元スタッフと連携した事業も始まっており、今後も事業を拡大していく方針だ。

上野社長は「大変名誉な賞をいただいた。この賞に恥じないように全国でもっと担い手育成をしながら、若い人たちの就農を目指しながら、展開を頑張っていきたい」と話す。

ワールドファームのスタッフ(同社提供)