【大山茂】シイタケのできる過程を学んでもらおうと、つくば市のNPO法人「里山再生と食の安全を考える会」は19日、同市内のなかのきのこ園で親子を対象に原木となるクヌギなどにシイタケ菌を植え付ける教室を開催した。
この日は市内外から親子連れ約100人が参加。主催者側が用意した長さ1メートル前後のクヌギ200本にドリルで穴を空けることから作業がスタートし、駒と呼ばれるシイタケ菌の入った1センチ四方のカプセルを埋め込んだ。子供たちはスタッフに手を添えられながら電気ドリルを手にし、真剣な表情で穴あけに挑戦。1本の原木に20~30個の穴を空けると、今度はその穴に菌を埋め込んだ。
種菌は駒菌と呼ばれ、あらかじめ培養された菌糸が直系1センチほどの円錐形に加工されている。簡単に穴に埋め込むことができるため、子供たちは大はしゃぎ。幾つもの駒菌を手にしては作業に興じていた。
小学生2人を連れた市内の30代の主婦は「子供はシイタケをスーパーでしか見たことがないので、どういう風に栽培されているのかを知って欲しかった。私も知らないことばかりで、勉強になった」と楽しそうに話した。
お楽しみは1年後
植菌した榾木(ほだぎ)には各自が名前を書いたプレートを取り付け、同きのこ園で水やりなどをしながら管理してもらうという。シイタケが発芽する1年後をめどに再び現地を訪れ、記念に持ち帰ることになる。
参加者らはこの後、従業員らの植菌作業を見学したり、園内の施設でシイタケ狩りを体験。昼にはJAつくば谷田部産直部会のスタッフによるシイタケカレーがふるまわれ、園内の食堂で楽しいひとときを過ごした。
里山再生と食の安全を考える会は、市内の平地林の保全活動を進めており、定期的に集まっては下草を刈ったり、休耕地を借りて草花や野菜を植えたりしている。