漆塗りでよみがえる「神橋」渡り初め 筑波山神社御座替祭

修復を終えた神橋を渡る御座替祭のみこし=つくば市筑波、筑波山神社

【鈴木宏子】江戸時代初期に建造された筑波山神社(つくば市筑波)の神橋(しんきょう)が30年ぶりの修復を終えた。1日、山頂と中腹の神が夏と冬に住まいを替えるとされる秋の御座替祭(おざがわりさい)が催され、色とりどりの装束をまとった祭りの行列が神橋の渡り初めをした。

神橋は、第3代将軍、徳川家光が1633年に筑波山神社を整備した際、建造された。明治政府の廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)政策によって多くの建物が破壊されたが、神橋は破壊を免れ、現在は県指定文化財になっている。

屋根を備えた幅3メートル、長さ7.3メートルの朱色の太鼓橋で、日光東照宮と同様に彫刻と彩色で華麗に装飾され、江戸時代初期の建造物の特徴を備えている。

修復工事は2018年5月から今年10月まで実施された。前回は1988年に実施し30年ぶりの修理となった。

30年ぶりに漆塗りがよみがえった神橋

土台や柱の腐食部分を交換した。柱は、くぎや金具を使わない「金輪継(かなわつぎ)」という伝統的技法で組まれた。屋根は厚さ3ミリのサワラの薄い板を3センチずつずらしながら7枚重ねる「杮葺(こけらぶき)」という技法で全部ふき替えた。塗装は、30年前の修復時は合成塗料が使われたが、すべて除去し漆塗りとした。

文化財の修復を全国各地で手掛ける金剛組が施工し、小西美術工藝社が塗装などをした。修復費用は約1億2000万円で、県と市、同神社が実施した。

神橋は普段は立ち入ることができず、御座替祭が催される4月1日と11月1日の年2日だけ渡ることができる。修復が完成した今年の御座替祭は昨年より多くの見物客が訪れ、御座替祭の一行に続いて渡り初めをしたり、写真に収めたりしていた。

昨年に続いて祭りを見物した、かすみがうら市の主婦、袖山幸子さん(68)は「去年は工事中で神橋は工事の足場に覆われていた。今年はきれいになっていて、渡れて良かった」と話していた。

修復工事完了の特別企画として現地説明会を開いた市文化財課の石橋充さんは「神橋は日光東照宮より早くできた。筑波山神社の建物を見直してもらえたら」と話していた。