【鈴木宏子】9日未明から朝にかけて茨城県を通過した台風15号の影響で、つくば、土浦市では強風により停電や倒木などの被害が出た。両市は8日午後6時にそれぞれ避難所を開設、つくば市は4人、土浦市は1人が避難所で一夜を明かした。両市共けが人はなかった。土浦市では強風により特産のレンコンの葉がめくれたり茎が折れるなどし影響が心配されている。
つくば 3100軒が停電、31カ所で倒木
つくば市では9日午前5時過ぎ、最大瞬間風速29.6メートルを観測した。同市危機管理課によると、市全域の約3100軒で停電があり、午後4時になっても1000軒超で停電が続いた。建物被害は、茎崎地区の住宅2軒で屋根の一部が壊れる被害があった。屋根瓦が飛んだり屋根の一部が壊れたなどの通報が住民から相次いで寄せられていることから、建物被害はまだ増えるとみられている。
倒木は市内全域にわたり31カ所であり、道路沿いの樹木が倒れ電線に引っ掛かるなどの被害もあった。道路冠水も森の里、沼田地区など5カ所であり、一時通行止めになったがすぐに解除された。道路は同市寺具の国道125号が一時通行止めになり午前7時50分解除された。
土砂災害の恐れから同市は8日午後6時、沼田地区と北条地区の2カ所に自主避難所を開設、3世帯4人が一夜を明かした。避難所は9日午前10時に閉鎖された。
土浦 2500軒で停電 レンコンの葉や茎に被害
土浦市では9日午前6時ごろ最大瞬間風速23.2メートルを観測した。同市危機管理室によると9日午前4時50分ごろ、小松、荒川沖東、蓮河原新町などで最大計約2500軒が停電になり、正午になっても荒川沖東、沖宿、上高津、宍塚など700軒で停電が続いた。
倒木被害はおおつ野、富士崎などで12件あった。屋根瓦が飛んだり、塀が倒れたなど強風による破損・散乱が36件あった。電線が切れて発火したなどの被害も出た。冠水は中神立と中貫の2カ所であり一時通行止めになった。
桜川の増水に備え、8日午後6時に新治地区と四中地区の2カ所に自主避難所を開設。1人が避難所で一夜を明かした。避難所は9日正午に閉鎖された。
同市農林水産課によると農産物の被害は、日本一の生産量があるレンコンが、強風で茎が折れたり葉がめくれたりした。今年は7月の日照不足で生育が遅れていたことから、生育に影響が出るのではないかと心配されている。
ナシはこれからの収穫期を迎える晩成品種のうち、半分ほどが強風で落下する被害があった。コメは、収獲目前の稲に倒伏被害が出たが、水に浸かっておらず収獲に大きな影響はないとみられている。
TX、常磐線とも始発から運休
交通機関は、つくばエクスプレス(TX)、JR常磐線いずれも始発から運休したが、TXは午前9時前に運転を再開、常磐線は取手ー勝田間が午前11時ごろ運転を再開した。