筑波学院大学(つくば市吾妻)の「オフ・キャンパス・プログラム(OCP)」は、学生が地域に出て社会貢献活動に取り組む活動だ。経営情報学部ビジネスデザイン学科3年の大竹愛理さんは、昨年8月と11月にかすみがうら市歴史博物館(同市坂)で、学芸員の仕事をサポートする活動を体験した。城郭をかたどった外観が印象的な同館は、霞ケ浦や筑波山を見渡せるロケーションと、帆引き船など民俗資料の展示やイベントで地元の人や観光客に人気だ。

筑波学院大学
経営情報学部ビジネスデザイン学科3年
大竹愛理さん

―OCP活動でかすみがうら市歴史博物館を選んだ理由は?

もともと歴史が好きなことと、土浦出身ということもあって、かすみがうら市歴史博物館に一番興味を持ったためです。

―具体的にはどのような仕事をしたのですか?

昨年8月と11月にガイドの活動をしました。8月は、小学生向けのイベントで縄文土器づくりや勾玉(まがたま)作り体験のサポートをしました。付き添いのお母さんが、ものすごく凝った土器を作っているのを見て感心することもありました。

自分でも作ってみましたが、土器を作る粘土が固く、土の感触が強いことが印象的でした。水で手をぬらしながら作るのですが、少しでもひびが入ったり、薄かったりすると焼いたとき割れてしまうんです。だから現在残っている土器も、割れているのが多いのかなと思いました。

かすみがうら市歴史博物館

―11月は文化財一斉公開で、下稲吉にある「木村家住宅」のガイドのお手伝いをしたそうですね。

木村家住宅は県指定文化財で、もともとは「皆川屋」という屋号の旅籠(はたご)だったところです。下稲吉は江戸時代の宿場町で、水戸街道に唯一残る旅籠の建物が木村家住宅なんです。

ガイドの前に下調べはしていたのですが、人に説明することは本当に難しいと思いました。勉強したことよりももっと踏み込んだことを聞かれて、答えられなかったこともありました。

木村家住宅は、2階の老朽化が進んでいることと、現在も実際に住居にされているため、一般には公開できません。でも見学したいとおっしゃる方もいらっしゃいます。見学できない理由を説明し、納得してもらうのも難しかったです。

ガイドは、地域学芸員のボランティアの方と一緒にやらせていただいたのですが、皆さん何年もされているベテランばかりです。本当に比べものにならないと思いました。

木村家住宅

―かすみがうら歴史博物館でOCP活動をして印象的だったことは?

地域の方との連携が多かったことです。地元の方の世代を超えた、歴史への愛も感じました。学芸員の方もイベントに参加される方も、みなさん地元の知り合い同士が多かったのですが、イベントに参加しているうちに、その中に入り込むことができました。地域の人との関われたことが、とてもよかったです。

博物館の仕事は、指示が大まかなので最初は困惑しました。しかし自分から進んで考え、積極的に行動することができました。またこの仕事では、いろいろなことに対して「いいところを探す」という体験ができました。

―将来の夢は?

大学でグラフィックデザインを学んでいるので、企業の広報課に就職したいと考えています。でもこの体験をしたことで、学芸員の資格をとりたいと思うようになりました。

(聞き手・伊藤悦子)

➡筑波学院大学の過去記事はこちら