学生が学外で活動して社会貢献する社会参加型教育プログラム(オフ・キャンパス・プログラム)で、多文化共生のまちづくりを目指す常総市の国際プロジェクトに参加した。多くの外国人が暮らす同市で日常的に発生しているのがごみ問題。正しい分別や出し方をまとめた啓発映像を多国籍の子どもたちが夏休み中に制作し、大人たちに啓発していこうという取り組みで、動画作成の支援活動に携わった。ふるさとはベトナムホーチミン市。来日してからの経験が生かされたと振り返る。

経営情報学部 ビジネスデザイン学科 2年
チャン タオ グエンさん

歯切れよく日本語を話すグエンさん

―具体的にどんな活動をしたのですか?

常総市とNPO法人コモンズの代表理事・横田能洋さん、当大学地域連携コーディネーターで学校ICTサポーターの松﨑茂樹さんが協働で進めたワークショップ形式の活動でした。「iPad(アイパッド) でリサイクルを伝えるニュースを作ろう」という講座で、私は動画部門のグループに入り、iPadを使った動画作成のサポートやアプリの操作支援をしました。子どもたちに地域のルールを理解してもらうために、同市のごみが搬入される常総環境センター(守谷市)の見学と撮影や、ごみ分別が守られている市内のごみ集積所の撮影をしました。

―子どもたちとのコミュニケーションはうまくとれましたか?

講座に来てくれたのは12人の児童と生徒で、国籍はブラジル、ペルー、フィリピン、日本でした。どの子もかわいくて、遊びを取り入れながら日本語で指導しました。子どもたちが撮影した写真約400枚と2時間の動画を編集して約10分の映像が完成しました。子どもたちとの関わりを含めて映像制作は忘れられない思い出です。

―活動していて感じたことは何ですか?

私は安城市にあるトヨタ自動車で技能実習生として3年働きました。帰国後は日本への実習生派遣を行っている会社で日本語を教えていました。もっと日本語や英語が上手になりたいと、再来日して筑波学院大学で学んでいます。初めて日本に来た頃は、なぜごみを分別するのか分からなかった。講座に集まった子どもたちも同じだと感じ、日本のリサイクルの考え方を分かりやすく伝えるようにしました。

―これから進む道は見えてきましたか?
私が筑波学院大学に入学したのは、カリキュラムを自由に選んで自分の可能性を探せると思ったからです。自然に恵まれたキャンパスも気に入っています。卒業後はここで学んでいる語学力や国際コミュニケーション力を生かした仕事に就きたいです。常総市の国際プロジェクトに参加して、国際交流に役に立つ仕事もいいなと思うようになりました。
(聞き手 橋立多美)

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