【鈴木宏子】土浦市の中川清市長は22日、新年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度比3.8%増の約530億2000万円となる。2014年3月に廃校となった宍塚小学校跡地の活用方法が決まり、校舎を耐震改修し、現在、真鍋にある教育相談室を移転するほか、市内3カ所に分散保管されている公文書を移転・集約し公文書書庫とする。
主な事業は合併特例債を活用した市民会館の耐震化・大規模改造、新治庁舎跡地への学校給食センター建設など。いずれも老朽化施設の更新だ。市民会館の工事は合併特例債を使った最後の事業で、発行限度額を使い切るという。
中川市長は「合併特例債をめいっぱい使って投資した。最後が市民会館なので大事業をしっかり仕上げていきたい。返済の時期が今から来るわけで、しっかり財政を立て直していきたい」などと話した。予算編成当初は14億円の不足が見込まれたが、事業の見直しを徹底し不足額を圧縮したという。
一般会計は過去5番目の規模。過去最高だった2015年度以降、近年は3年連続で前年度を下回っていたが、増加に転じる。特別会計などを加えた総額は同1.0%増の約918億6000万円となる。
市民会館は来年5月リニューアルオープン
市民会館の19年度分は20億5000万円。今年1月から工事に着手し来年5月にリニューアルオープンする。給食センターは耐震基準を満たしていない第1、第2給食センターを統合して再整備する。昨年10月に着工、来年9月から使用開始予定。新年度分は約20億円。
ほかに、老朽化している衛生センター(同市佐野子)を建て替え、汚泥再生処理センターを建設する(約4億円)。し尿や浄化槽汚泥に加え、農村集落排水事業の汚泥を併せて処理し、助燃剤をつくる施設とする。完成は20年度末の予定。
ソフト事業では、保育士確保のための処遇改善策として、保育士1人当たりの給与補助額を昨年度の1万円から5000円引き上げて1万5000円(7100万円)とする。隣接のつくば市が1人3万円を助成していることが、周辺市町村の保育士確保に影響を与えているという。
小学校の統廃合では、上大津西小と菅谷小の暫定的な統合に向けた準備として120万円を計上する。
霞ケ浦の土浦港に隣接する川口2丁目の市有地に今年3月、サイクリング拠点「りんりんポート土浦」が完成する。開発計画が頓挫(とんざ)し、2010年に市がデベロッパーから取得した広場の一部で、残り約3.9ヘクタールの市有地の活用についても1000万円を計上し、民間事業者を誘致した観光拠点の整備などを検討する。
歳入は、景気回復などの影響で法人市民税4.7%増を見込む。一方、市民会館や給食センター工事費などの財源不足を補うため、財政調整基金などを総額9億7000万円取り崩す。借金の残高は2019年度末で1030億円になる見込みだ。