【コラム・坂本栄】今回の県議会議員選挙(12月9日投票)では、土浦市とつくば市の2放送メディアに呼ばれ、いろいろしゃべらされました。土浦の方はネットTV局「Vチャンネルいばらき」(7日午後)、つくばの方はコミュニティFM放送局「ラヂオつくば」(7日夕と9日夜)。7日は土浦市区とつくば市区の特徴を話し、9日夜は両区の開票速報と解説を担当しました。
無投票を阻むドンキホーテ 柏村氏
Vチャンで土浦の視聴者に呼び掛けたのは、選挙に行こうということでした。というのは、現職3人(伊沢さん=自民、安藤さん=同、八島さん=公明)の当選が堅いことから、投票率が低くなると思ったからです。
衆院選と同時だった前回は52%でしたが、その前は42%。中川さんが4選に臨んだ3年前の土浦市長選は、現職確実との見立てから投票率は28%でした。投票日直前に3県議の1人から投票率予想を聞かれ(多分自分の得票数が心配だったのでしょう)、私は「前よりも低くなる。28%と42%の中間ぐらい」と返事しました。結果はドンピシャリの35%でした。
土浦市区には、霞ケ浦の水質浄化に熱心な柏村さん(元市議)も立ちました。3年前の市長選にも立候補した方です。出馬会見の際に「また出るんですかー」と聞いたら苦笑いしていましたが、両選挙とも彼がいなければ無投票になったわけですから、私は柏村さんのドンキホーテ的な役割(選挙の活性化)を評価しています。
僅差で勝ったTX延伸論者 塚本氏
つくば市区の方は、冷めた土浦市区と違い、5人枠(前回まで4人枠)に9人も立つという熱い選挙になりました。現職の鈴木さん(自民)、星田さん(同)、田村さん(公明)、山中さん(共産)の4人(いずれも当選)に、野口さん(立憲)、飯岡さん(元自民)、塚本さん(無所属)、後藤さん(同)、八代さん(同)が挑む構図です。
7日のラヂオでは、1人増枠を、保守系の飯岡さんと塚本さん、革新系の野口さんの3人が奪い合う形になると予想しましたが、開票(投票率は42%)では塚本さんと野口さんが最後まで競り合いました。結果、塚本さん7730票、野口さん7659票、その差71票でした。(詳細はNEWSつくば県議選開票記事をご覧ください)
「初当選おめでとうございます」と塚本さんに電話を入れたら、「僅差でも勝ちは勝ち。疲れたけれど心地よい疲労」ということでした。元JRマン・塚本さんの「売り」はTX(つくばエクスプレス)の北部延伸です。国と関係市の間を駆け回り、TXを茨城空港まで延ばす大構想の旗振り役になってください。
政治家は選挙で鍛えられます。政策も選挙で鍛えられます。ですから選挙は熱くなければいけません。その意味で、今回県議選の2市区比較は、ホットだったつくば市区の勝ち、クールだった土浦市区の負け、といえます。新しいまちと古いまちの活気差が出たようです。(NEWSつくば理事長)