生活再建できる滞納処分に転換求め 商工団体が「茨城会議」結成 16日土浦で総会

「茨城会議」結成を呼び掛けている土浦民主商工会会長で行政書士の高橋孝さん=つくば市内

【鈴木宏子】税金滞納者の生活を壊すのではなく、生活再建を基本とした滞納処分行政に転換させようと、長年、事業者や住民の納税相談に応じてきた茨城県商工団体連合会(水戸市)と、県内の税理士、弁護士などが16日、土浦市内で総会を開き、「税金滞納処分対策茨城会議」を結成する。

国保税や市県民税などの納税が滞り徴収が困難なケースは現在、県内全44市町村で構成する茨城租税債権管理機構(県水戸合同庁舎内、管理者・豊田稔北茨城市長)が市町村に代わって徴収している。同機構は、滞納者から強引に取り立てたり、差し押さえをしたり、公売にかけるなどして生活困窮者を生み出しているとして、滞納者が生活困窮に陥らないよう、個々人のそれぞれの状況に応じた徴税方法に改めるよう求めていく。

「荒っぽいやり方、止めさせたい」

同連合会土浦民主商工会(つくば市上ノ室)会長で行政書士の高橋孝さん(66)によると、ここ数年土浦民商は、同機構から強引な取り立てや差し押さえを受けた事業者や住民からの相談を数多く受けている。国保税の値上げによって特に国保税滞納の相談が増えているという。

これまで相談を受けた自営業者のケースでは、元請けから振り込まれた売掛金全額を同機構に差し押さえられ、仕事の材料が購入できなくなったばかりでなく、元請けとの信頼関係が損なわれ次の仕事が受注できなくなり、生活困窮者になった。

ほかに、銀行口座に振り込まれた給料を差し押さえられ生活費や家賃を払えなくなったり、アパートに踏み込んできて家財道具を差し押さえられ公売に掛けられたり、県外の転居先の職場に押し掛けてきて雇い主が脅されたり、相談にのっていた支援者を怒鳴り立てたなどのケースがあったという。2016年には機構の取り立てを苦にした自殺者も出たという。

高橋さんは「滞納者は引け目を感じているので声を挙げられない。荒っぽいやり方を即刻止めさせたい」と話す。

分納や猶予の権利ある

同機構は全国に先駆けて2001年につくられた一部事務組合。県と市町村からの出向職員などから構成され、市町村から移管を受けた未収の税金を徴収している。同機構ホームページの今年度の取り組み方針によると、設立からの17年間で、市町村から引き受けた滞納額の総額は約520億円。そのうち機構が累計約226億円超を徴収し市町村の税財源の確保に大きく貢献したと説明している。この間、国保税を除く市町村全税の徴収率は、88.1%から95.5%(16年度実績)となるなど収入未済額を大幅に縮減・改善することができたとしている。

これに対し土浦民商の高橋さんは「市町村から出向職員は『税の公平性』だけを研修で叩きこまれ、それだけを金科玉条のように言う。しかし税金を払いたくても払えない場合は、納税者の権利として、分割して払ったり、猶予するなどの権利がある」とし「民間が差し押さえをする場合、通常は裁判所に申し立てをするなどの手続きが必要になる。一方、行政には裁判所命令がなくても差し押さえができる権限がある。だからこそ行政は、より慎重なやり方が求められるのではないか」と話す。

◆税金滞納処分対策茨城会議結成総会は16日午後2~4時、土浦市藤沢、新治地区公民館で開催される。結成総会と併せて、滞納処分対策全国会議代表の角谷啓一税理士が「滞納処分問題への対応策を考える」と題して講演する。問い合わせは電話029・253・5966(税金滞納処分対策茨城会議準備会=茨城県商工団体連合会内)。