【橋立多美】つくば市上横場、つくばショッピングセンターASSE(アッセ)の核テナントで食品スーパー、カスミつくばアッセ店が今月30日午後6時をもって閉店する。同店の撤退に伴って現在営業しているテナント数店も順次移転する予定で、その後、建物は閉鎖されることになるという。
アッセはかつて谷田部地区のにぎわいの中心で、市内はもとより牛久や水海道(現常総市)などからも客を集めた。つくば駅前の西武筑波店やイオンつくば駅前店が撤退し、現在、中心地区のにぎわい創出が市の課題となっているが、谷田部地区のにぎわい創出も大きな課題だ。
アッセはつくば商業開発が運営管理している。カスミを核とするA棟、ホームセンター「ケーヨーデイツー」が入るB棟、国道354号に面したラーメン店などの別棟で構成されている。敷地面積約5万平方㍍、商業施設面積約9600平方㍍で約150台の駐車場を有する。
食品からファッション、旅行会社、飲食店と幅広い店舗が入居する複合商業施設として1995年11月1日にオープンした。常磐道谷田部インターチェンジ近くの国道とサイエンス大通りが交点する上横場交差点に位置し、県南や県西、千葉県などからも来店し、にぎわった。
その後、つくばエクスプレス(TX)沿線開発地区の研究学園駅前に2008年、商業施設イーアスつくばが開業したころから陰りが見え始め、2011年の東日本大震災でA棟は外壁や天井などに損傷を受け、テナントの長期休業や移転が相次いで衰退に拍車がかかった。
ここ数年は空きテナントが多くなり、存続を危ぶむ声が聞かれていた。茎崎地区から市内の職場に車通勤する女性(38)は「帰宅途中でアッセに立ち寄って買い物するのが日課で、生活に直結するだけにショック。これからどうしよう」と途方に暮れる。
同社は「まだ移転先が決まっていないテナントがあって当面は営業する。建物を解体してリニューアルオープンする予定だが、具体的な計画までには至ってない」と話した。B棟のホームセンターと別棟のラーメン店などは営業を続ける。