火曜日, 4月 8, 2025
ホームスポーツ【高校野球茨城’18】常総、つくば国際大共にベスト16

【高校野球茨城’18】常総、つくば国際大共にベスト16

【池田充雄】第100回全国高校野球選手権茨城大会は、8日目の16日から3回戦に入った。土浦市川口のJ:COMスタジアム土浦では、常総学院が総和工に10-0で5回コールド勝ち。つくば国際大は東洋大牛久に粘られるも8-7で突き放し、共にベスト16入りを果たした。

常総の先発・岡田、立ち上がり以外は満点

常総学院は岡田幹太投手が今大会初登板。「秋と春は勝利に貢献できなかったので、この夏は絶対に自分が投げてチームを勝たせようと思っていた。序盤は制球が悪くチームに迷惑をかけたが、粘りの投球ができたことはよかった」

立ち上がりに1安打2四球を許し、初回は無死二・三塁、2回は2死三塁のピンチを招くが、いずれも後続を断って無失点。3・4回は三者凡退できっちりと締め、佐々木力監督も「最初は力んでバタバタしたので20点を引き、80点の出来」と高く評価。

【常総学院-総和工】4回を1安打無失点に抑えた先発の岡田幹太投手

打線では、春から好調を維持している水野勢十郎を先頭に置いた。期待に応え全打席出塁を果たし、長打2本で4打点という暴れっぷり。「相手投手はコントロールが良かったので、甘い球には積極的に行こうと思っていた。自分はミート力に自信があるので、特に狙い球はつくらず、打てると思った球を振っている。つなぐつもりで行き、結果的に長打になって良かった」

次戦は20日、ノーブルホームスタジアム水戸で下館工と対戦する。「前の試合も今回も5回コールドでこられたが、この後はそうそううまくいかない。暑くて体がつらいが最後まで気を抜かず、試合終了まで全力でプレーする」と水野。二瓶那弥主将も「2つ快勝したことは大きいが、これでチームが緩まないようしっかり締め直したい。どのチームがきても関係なく、自分たちの野球で冷静に熱く、いい試合をしたい」と意気込みを語った。

 

つくば国際大・福島、投打に大車輪の活躍

【つくば国際大-東洋大牛久】試合終了時、勝利の雄叫びをあげる福島脩馬投手

つくば国際大は東洋大牛久を相手に取っては取られてと、片時も目を離せない熱戦を繰り広げた。飛び交った安打数は両チーム合わせて26本、残塁数は21となった。

接戦を制した要因について山口幸彦監督は「最後まで諦めず元気に、追い付かれても1点ずつ取っていこうと話し、その通りにやってくれた。相手の石上投手への対策として、同じ左でタイプも似ている福島に投げさせて練習してきた」と語る。その成果が初回の、相手の立ち上がりに乗じて挙げた2得点だ。また3回には、6安打に相手のエラーなどをからめて4点を奪った。

しかし、東洋大牛久も2・3・4回とこまめに得点を挙げ、6-5と追いすがる。つくば国際大の先発は、2回戦に続いて登板の福島脩馬投手。「体が重い中、力を入れるところは入れて、後はスピードよりも制球重視」と山口監督。エースで四番、打撃でも4打数4安打という活躍に、体を休めるいとまもなかった。五番でこの日3打数3安打だった秋谷凌平が、途中で足を痛めて離脱したことも、福島の重責をさらに重くした。

「秋谷の分までやってやろうと気力で頑張った。9回の1点差のピンチも、絶対打たせないという強気の気持ちでいった。苦しい試合だったがつらいというより楽しかった。なかなかああいう場面は味わえない」と福島。

【つくば国際大-東洋大牛久】8回裏、三塁けん制の場面。7-6と1点差に迫られ、さらに2死一・三塁のピンチが続く

秋谷と交代してグラウンドに入った米崎響は、セカンドの位置から福島の背中を見て「(福島)脩馬さんが最後まで自分のペースで投げ、それに応えるように全員が打って勝った。尊敬する最高の先輩。自分も投手としてその跡を継げるよう全力で頑張りたい」との思いを抱いたという。

つくば国際大の次戦は20日、ひたちなか市民球場で水戸商と対戦する。

【つくば国際大-東洋大牛久】9回表1死二・三塁、六番・坂田峻之助の一打がチームに決勝点をもらたした

 

第100回全国高校野球選手権茨城大会 3回戦(7月16日、J:COMスタジアム土浦)

常総 1 4 0 1 4 10
総和工 0 0 0 0 0 0

※5回コールド

バッテリー
常総学院:岡田、大木島-菊地壮
総和工:中村、櫻井-功刀

長打(すべて常総学院)
三塁打:水野
二塁打:水野、二瓶

つくば国際 2 0 4 0 0 0 1 0 1 8
東洋大牛久 0 2 1 2 0 0 0 1 1 7

バッテリー
つくば国際大:福島-高田
東洋大牛久:石上、山田-井田

長打
三塁打:石上、土屋、井田(東洋大牛久)
二塁打:福島(つくば国際大)

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

湖岸線日本一 霞ケ浦沿岸15市町村の魅力を一堂に 土浦市職員がイラスト展

若田部哲さん 土浦市職員、若田部哲さん(49)のイラスト展「日本一の湖の ほとりにある 街の話」が8日から、土浦駅前の土浦市民ギャラリーで開かれている。土浦市やつくば市など湖岸線の長さ日本一の霞ケ浦沿岸と筑波山周辺15市町村の名所や特産品、祭りなど地域の魅力を、計150点のイラストで紹介している。 若田部さんはNEWSつくばのコラム欄で2022年7月から毎月1回、「日本一の湖のほとりにある街の話」と題して、霞ケ浦沿岸地域の魅力をイラストと記事で紹介し今年3月までに計32回連載している。今回はNEWSつくばに掲載されたイラストも含め一堂に展示している。 展示作品は、稲敷市の大杉神社、阿見町の予科練平和記念館、つくば市のペデストリアンデッキ(遊歩道)など。大杉神社はかつて、巨大な杉の木が霞ケ浦のどこからでも見えて航路標識の役割を果たしたと言われていることから、空を覆うように杉の木を描いている。予科練は「戦争を経験した方々がおり、今という平和な時代がある」という同館学芸員の言葉をイラストに添えている。ペデストリアンデッキは松見公園、つくばセンタービル、洞峰公園それぞれの風景を描いている。大学時代に都市計画を学んだ経験からペデストリアンデッキは、「歩く」という人間の基本的な行為を安全に楽しめて人と人が交わるところという思いを込めている。 休日などに土浦市内や霞ケ浦周辺を巡り、実際に足を運んで、現地で話を聞いて感じた魅力を、各市町村それぞれ10点ずつ紹介している。いずれも色鮮やかな版画のような作品で、現地で撮った写真をもとに手描きで輪郭線を描き、パソコンに取り込んで着色している。イラストの大きさはいずれも縦横18センチ×27センチ、色合いはグレーをベースに、いずれも2色の濃淡で表現している。グレーは全作品に統一して用い、15市町村のつながりを感じられるようになっている。 若田部さんは筑波大大学院芸術研究科修了後、建築設計事務所に勤務し、2009年に土浦市職員になった。これまで土浦市内の昭和レトロな老舗を紹介するイラストと記事を常陽新聞(2017年に休刊)に連載などしてきた。霞ケ浦沿岸地域に着目したのは2017年に滋賀県の琵琶湖のほとりで開催された全国市町村職員研修会に参加したことがきっかけ。各地の自治体職員に霞ケ浦を紹介したところ、琵琶湖に次いで2番目の大きさなのに霞ケ浦を知らない職員が多かった。アピールするなら日本一のものと考え、霞ケ浦の湖岸線の長さが日本一であることから「日本一の湖のほとりにある街の話」と題するホームページを2019年に開設した。すでに300点以上のイラストを描き、発信している。 若田部さんは「自身が住む街を振り返ることはなかなかなかったり、見過ごしている場所もあると思うので、こんな場所があるということをご覧いただければ」と話し、「イラストで巡る霞ケ浦、筑波山の旅という展示なので、改めて行ってみたいというところがあったらぜひ実際に訪れていただければ」と語る。(鈴木宏子) ◆イラスト展「日本一の湖の ほとりにある 街の話」は8日(火)~20日(日)、土浦市大和町1-1 アルカス土浦1階 土浦市民ギャラリーで開催。入場無料。若田部さんのホームぺージはこちら。NEWSつくばのコラムはこちら。

尾道 坂の街にて《続・平熱日記》179

【コラム・斉藤裕之】愛犬パクと故郷山口に帰って来て1週間。明日は弟夫婦と日本海側に行っておいしい魚でも買ってこようかと…。「尾道はどう?」。義妹の一言で行き先変更。翌日、3月も後半になるというのに広島では雪が舞って、遠くの山々は山水画のよう(日本海側に行かずによかった)。 尾道までそれほど遠くはないのに、訪れるのは初めて。まずは千光寺のロープウェイに乗って、尾道の街を見下ろす。川の幅のような向島との間の尾道水道には、渡し舟が行き交う(3月末で廃止と後日知る)。寒風が身に染みるが、そのおかげで空気は澄んでいて尾道大橋や西に続く島々までよく見える。戸艮(うしとら)神社の樹齢千年と言われる大楠を眼下に、ロープウェイで下りて日本有数の長さで知られるアーケード街へ。 他の地方都市の多くと同じくシャッターを下ろした店舗も目立つが、なんとか踏ん張っているようにみえる商店街。平日にもかかわらず、外国からの観光客も多く見かけた。義妹は金物屋で取っ手の長いトタンのチリトリを買い、私は少々値が張ったが晩のおかずに焼きアナゴを買った。 坂の街と知られる尾道。せっかくなので、少し坂を登ってみようということになった。登り始めてすぐに、かわいらしい薄緑色の木製のドアが気になった。ローマ字で「KAPPAN…」。どうやら活版印刷の店のようだが、あいにく閉まっている。 それから少し上まで行ってみたが、すぐに息が上がってしまい、早々に引き返す。おや、さっきの店に明かりがついているような気がして、ドアに手をやったら開いた。すると、女性が出てきて中に招き入れてくれた。店内には手動の印刷機が2台とその奥に活字の並んだ棚がある。 がんす、タコのてんぷら、… 「懐かしいなあ。実は実家が印刷をやっていて…」と、私と弟はかって活版印刷を生業(なりわい)としていた実家のことなどについて話し始めた。 「そうなんですか。この機材は北海道から船で運んできたんですよ…」。店の方と話が弾む。私は実家から唯一運び出して、弟の家に置きっ放しにしてあるものを思い出した。「うちに電動の立派な活版印刷機があるんですけど、いりますか? ちゃんと動きますよ」。店の方は意外な提案に少し戸惑った様子だったが、それならばと責任者の方の連絡先を教えてくれた。 帰宅して連絡をとると、すぐに返信が届いた。だれかに使ってもらえればと思って取っておいた活版印刷機。残念ながら、弟も私も使い方を知らず鉄くずになりかけていた。願わくば、尾道の街で鉄製の精巧な歯車が力強い印字を刻む雄姿を再び見せてほしい。きっと、インクの匂いとガッチャン、ガッチャンというレトロな響きはこの坂の街に似合うだろう。 その夜の食卓には、がんす(魚のすり身にパン粉をつけて揚げた広島の郷土料理)、タコのてんぷら、焼きアナゴが並んだ。また尾道を尋ねて、今度は別の坂を登ってみようと話し合った。(画家)

見事に矢が的中 日枝神社で流鏑馬祭 土浦

土浦市沢辺の日枝(ひえ)神社で6日、流鏑馬祭(やぶさめまつり)が催された。伝説の登場人物にふんした鎧(よろい)武者が、馬にまたがって長さ150メートルほどある境内の馬場をゆっくり進み、立ち止まって、3カ所に立てられた的に向かって馬上から矢を放った。 一の矢から三の矢まで見事に命中すると、大きな拍手がおこった。当日はあいにくの雨模様だったが約600人の見物客が訪れ、写真愛好家らが矢を打つ瞬間を待ち構えるなど、にぎわった。 境内にすみついた大ザルが村里の作物を食い荒らし村人に害をなしたことから、領主と、弓の達人である家臣が大ザルを退治したという言い伝えをもとにした祭りで、県指定無形民俗文化財に指定されている。山ノ荘地区の平和と五穀豊穣を祈願し、毎年4月の第1日曜日に催される。 開会式には、青山大人、国光あやの衆院議員、土浦市観光協会の中川喜久治会長などがあいさつし、伝統行事の大切さなどを述べていた。日枝神社総代代表で同流鏑馬保存会の宮本勉会長(75)は「これからも未来に向けて続けていければよいと思う。昨年から稚児行列の衣装が変わるなど工夫している。地域全体でもっと盛り上がってくれれば」と話した。 日枝神社は、山ノ荘と称される小高、沢辺、東城寺、小野、大志戸、本郷、永井、今泉、粟野の9カ村の総社で、796年に創建されたと伝えられている。(榎田智司)

コラムの執筆陣が少し変わります《吾妻カガミ》205

【コラム・坂本栄】新年度に入りました。4月からコラム欄の構成を少し変えます。これとの関連で、5月から新しい執筆者に参加してもらいます。コラムは原則として1日1本ですが、行政記事や催事記事とは色合いの違うコラムを引き続きお楽しみください。 執筆回数は月1回に統一 これまでの執筆者は、月2回の方、月1回の方、隔月の方に分かれていました(ほかに随時出稿の方も)。4月からは月2回を止め、月1回に統一します(隔月執筆はそのまま)。仕事で多忙の方もおり、月2回はきついとの声が寄せられたからです。月2回の田口哲郎さんは研究活動の都合もあり、109回(3月29日掲載)が最後になりました。 研究学園駅周辺の地域活動を紹介してもらった「けんがくひろば」は、15回(2月25日掲載)が最終回になりました。題材が尽きてきたとのことで、4月から「随時」に移ってもらいます。12回(24年11月7日掲載)の後、忙しくて休載が続いた医療通訳の松永悠さんも「随時」に移行します。 親友の瀧田君が昨秋逝去 告知はしませんでしたが、国際政治について独自の分析を執筆してくれた瀧田薫さん(茨城キリスト教大学名誉教授)は2024年秋、逝去されました。バイデンとトランプが争う米大統領選挙の構造を取り上げた62回(24年8月4日掲載)が最後です。 瀧田さんは、幼稚園-小学校-中学校-高校の同級生でした。土浦聖母幼稚園(土浦市大町)の第1回卒園で、いろいろな場でいろいろ議論してきました。彼の茨キリ大での専門分野は国際政治、私の通信社での専門分野は国際経済でしたから、「解」を見つけるための情報をお互いに補完できました。田中角栄は米情報機関によって抹殺されたとの陰謀論については盛り上がりました。 茨キリ大で、彼は常務理事として大学運営にも携わっていました。経営学部を立ち上げた後、「新しい学部で兼任講師として国際経済を教えてくれないか」と誘われました。もちろん私は快諾し、毎週1回、大学がある日立市まで常磐高速道を飛ばしました。若い同僚講師との懇親会、好奇心あふれる学生との交流は実に愉快でした。 水戸の元広報課長も参加 逝去、多忙などで生じた「穴」は埋めていきます。2月から古本屋店主の岡田富朗さん(初回は2月1日掲載)に加わってもらいましたが、5月からは写真家の海老原信一さん、元水戸市課長の沼田誠さんにも参加してもらいます。海老原さんは鳥類の撮影が得意で、毎回2枚アップしてもらいます。今休載中のオダギ秀一さん(直近は1月16日掲載)に続き、写真家は2人目です。 沼田さんは、水戸市の「みとの魅力発信課長」を務めていました。変わった組織名ですが、他の役所で言えば広報課長に当たります。数年前に市役所を辞め、今はつくば市に住み、環境問題や街づくりの分野で活躍しています。好奇心が強い方で、水戸地域の話だけでなく、「水戸っぽ」の視点から学園都市のことも書いてもらいます。 ほかの執筆者についても、現在リクルート活動を続けています。独自の視点や面白い話題を提供してもらい、ネット媒体ならではのコラムにしたいと思います。ご期待ください。(NEWSつくば理事長)