来年度の入園者数もとに見直し
つくば市立幼稚園15園のうち、6園を休園とし9園に集約する同市の市立幼稚園再編計画案について、五十嵐立青市長は18日開かれた市議会全員協議会で、2028年4月から実施するとしていた再編案を撤回し、早急に結論を出さず、計画を見直すことを表明した。
今月12日から17日まで、同市が計3回実施した再編案の市民説明会で、保護者から懸念や反発が相次ぎ、再編案の議案を審議する市教育委員会にも計画の見直しを求める請願が複数の園の保護者から出されていた。18日、五十嵐市長は「短期間で早急に計画を実施することに対する戸惑いや不安の声が多く寄せられた。少し時間をかけて内容の一部見直しを実施したい。基本方針は継承しつつ、来年度の入園者数をもとに見直したい」などと話した。

6園を休園に
再編案は、2028年4月から、筑波、上郷、桜南、東、吾妻、桜の6幼稚園を休園とし、近隣の市立幼稚園に集約するなどの内容だった。併せて、現在15園中2園でしか実施していない3年保育を、来年度から新たに2園で実施し、28年度の集約後は9園中8園で実施するとしていた。
理由として、市立幼稚園を取り巻く状況を上げ、つくばエクスプレス(TX)沿線開発により同市では0~5歳の未就学児は増加しているのに対し、共働き世帯の増加などに伴い市立幼稚園の園児数は年々減少し、定員に対する充足率は今年4月時点で市全体で36%で、4歳児と5歳児を混合学級とした幼稚園が複数あるなどとしていた。
こうした状況から市は昨年9月「市立幼稚園のあり方検討会」(委員長 藤井穂高筑波大教授)を設置。今年7月「質の高い集団教育を維持するため(各学年6人以上など)適正規模化と集約化を図る」などとする答申が出された。答申を受けて市は9月、保護者との意見交換会や市民説明会を開き、15園を9園に集約する再編案を示した。その際、来年度の入園募集が始まる10月末には再編計画を最終決定するとし、説明と合意形成の期間を1カ月ほどしか設けなかった。
見直し求める意見や要望相次ぐ
これに対し3回の市民説明会では保護者から「9月に説明会を開いて、10月後半の募集までに決めるというのはあまりにも拙速」「集約先に通えない子が出てくる。皆が通えるような計画を立ててほしい」「入園する子供を増やす努力はしないのか。園児数が減っているというが(現状の2年保育を)先に3年保育にしてから入園数の動向を見てはどうか」「筑波地区は幼稚園が全く無くなってしまう。保育園をこども園にすることを検討しないのか」「(今年4月の園児数を基準に集約先を決めたとしているが)休園にする吾妻幼稚園周辺にはこれから1000戸を超える大規模マンションが建つ。長いスパンでシミュレーションはされているのか」など、再編案の見直しを求める意見が相次いだ。
18日の市議会全協で久保田靖彦市教育局長は「説明会から1カ月(で決定というスケジュール)は急ぎ過ぎる日程だった。今後は丁寧に説明していく必要がある。保護者や地域住民と対話を重ねたい」とした。今後については、来年度の入園者数を見据えて検討するとし、現時点でのスケジュールは未定。3年保育については、来年度から予定していた大穂と竹園西の2園は実施する。
市や教育委員会に見直しを求める要望書を出した吾妻幼稚園保護者の石井エリイさんは、再編案の撤回について「9月初めに再編計画を知った時は寝耳に水だった。それから短期間に各園の保護者たちとつながって、保護者の仲間たちとそれぞれの園で、再編計画の見直しを求める要望書を出した。自分の園だけを残してほしいという人はなく、皆でつくばの公立幼稚園の大切さを訴えた」とし、今後の再編計画の見直しについては「数字で見えるものだけで判断するのではなく、地域にとっての価値なども検討してほしい。地域と一緒に、市と話し合いをしていけたら」と話している。(鈴木宏子)





