地元のつくばスマイルは準優勝
茨城県内で初となる知的障害者バスケットボール大会「スマイルカップ イン つくば」が6日、つくば市竹園のつくばカピオで開かれた(4月23日付)。地元のつくばスマイルは準優勝。キャプテンの會澤心さん(24)は試合後、涙を浮かべながら「やり切った気持ちはあるが課題も残った。地元開催で応援に来てくれた人たちに優勝を届けたかった。来年は一人一人が課題を克服し、またこの舞台で優勝したい」と悔しさを滲ませた。遠藤裕監督(42)は「試合の中でミスを修正しきれなかったのが敗因。ただ、ベンチを含め全員で戦えた。さらに伸びるチーム」と振り返った。
茨城パラスポーツ協会(朝日省一事務局長)が主催した。開催に向けて活動してきた県内唯一の知的障害者バスケットボールチーム「スマイル」代表で、茨城FIDバスケット連盟代表の福原美紀さん(54)らが中心となり実現した。

トーナメント方式の「チャンピオンシップ部門」には、昨年の神奈川県大会優勝チームAST、千葉のビッグスリー、栃木のFID栃木など関東各地の強豪チームが出場した。つくばスマイルは的確なパスで攻撃を組み立て、体格で勝る相手にも果敢に挑んだ。1回戦は、つくばスマイルが千葉ビッグスリーを93対61で破り、ASTがFID栃木を71対48で下した。決勝では、つくばスマイルが粘り強く攻めたものの62対85でASTに敗れ、準優勝となった。
競技経験の浅い選手や福祉施設利用者らが参加した「フレンドリーシップ部門」も実施され、ボールを持っての移動を認めるなどルールを柔軟に運用し、全員がボールに触れシュートできるよう配慮された試合が行われた。市内外から4つの福祉事業所のほか、知的障害のある子どもも所属するつくば市のチアリーディングチーム「フェニックス」、スマイルの育成チームも参加した。

障害者の余暇活動に取り組むシャンティつくばのOB・OGチームで参加した下条真生さん(22)は「バスケをしたのは高校の授業以来。試合形式ではなかなかやる機会がないので、とても楽しかった」と話し、同チームの長沼徹さん(42)は「中学生の時にバスケ部だった。40代になって体力的にはきつかったが、また楽しみたい」と笑顔を浮かべた。スマイルで活動する小学5年の鈴木城二さん(10)は「バスケが好きなので、試合に出られてうれしかった。学校の先生にも今日のことを教えたいし、頑張ってもっと上手くなりたい」と目を輝かせた。

会場では試合の合間にチアチーム・フェニックスの演技や、車いすバスケットボールの交流試合も実施された。つくばの車いすバスケチーム「つくばストリックス」と日本選手権優勝経験を持つ東京ファイターズが対戦し、観客を沸かせた。ストリックスには車いすバスケ女子日本代表の郡司渚名さんや、アジアユースパラ大会でパワーリフティング日本代表経験のある土浦日大高生の飯沼世名さんが所属し、この日もプレーした。

人間的にも成長
福原さんは「障害のある人だけでなく多くの人に見てもらえたことは大きい。県内にはまだ知的障害者のチームが少なく、小学生から大人まで同じチームでプレーしている状況。チームが増えれば自分に合った環境を選べるようになるし、もっとバスケを楽しめる。大会はその第一歩」と語り、「スマイルの選手自身、これまでにも他県での大会参加を通じてレベルアップしていったし、バスケを通じて県外に友達が増えて人間的にも成長するのを肌で感じてきた。来年以降も大会を続けていき、将来的には海外チームの招待も目指したい」と展望を示した。

五十嵐立青つくば市長は「関東各地からの参加は非常にうれしい。障害の有無に関わらずスポーツを楽しめる環境づくりが重要で、行政としても支援を考えていきたい」と述べた。
また、茨城パラスポーツ協会の朝日事務局長は「大会を毎年継続し、チーム数の拡大や他競技との連携も進めたい。県内では個人で活動する選手も多く、競技団体が連携する場としても意義がある。大会や体験会を通じてパラスポーツの魅力をさらに発信していきたい」と話した。(柴田大輔)






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