筑波銀行の退職者でつくる筑波嶺会の土浦支部美術展が15日、つくば市竹園の筑波銀行つくば本部ビル2階ギャラリーで始まった。昨年、会の名称を筑波銀行OB会から筑波嶺会に変更して2回目の開催となる。同会に所属する22人が、退職後に制作した油彩画、水墨画、写真、書、彫刻、陶芸など約70点を展示している。
小松崎綾子(78)さんは、押し花絵「竹林」など3点を展示。バラ、銀ポプラ、落ち葉、タブの新芽、木の皮、ケイトウなどを素材にして、絵の具を用いず仕上げた。「16年前から習い始めた。根気のいる作業で一つの作品を作るのに2、3カ月かかる。最初、形がないものがだんだん仕上がっていくのは感動もの。とても達成感がある」と話す。

堀越喜代子(78)さんは、鉛筆画「花明かり」など3点を展示。2Hから10Bの鉛筆を使い、ていねいに仕上げていく。作品は人物を描く。15年ほど前に習い始めて2018年には個展も開いた。「描くには手間がかかる、遠くから眺め確認する作業も必要。しかし完成すると充実感がいっぱいになる。人物によって筆が進むときと進まない時がある。また何か乗り移ったように筆が進むことがあるから不思議」だと語る。

今年は2024年9月に亡くなった会員、安西克一さんの追悼展を加え、安西さんが生前に制作した油絵8点を展示している。
同銀行は2010年に関東つくば銀行と茨城銀行が合併し誕生した。筑波嶺会は水戸支部、下妻支部、土浦支部の3支部があり、今回、土浦支部が主催した。会員は60代後半から70代後半が中心。定年延長という時代でもあり、リタイアした後にすぐに会員になることは近年少なくなったという。
筑波嶺会会長の徳宿彰さんは「銀行の中でもこうした芸術関連のOB会があるのは珍しい。みんな同窓会のように楽しみにしている」と話す。(榎田智司)