土曜日, 12月 20, 2025
ホームつくば水戸気象台が現地調査 つくばの突風被害現場

水戸気象台が現地調査 つくばの突風被害現場

つくば市内で18日突風が発生し、建物の倒壊や解体現場の足場の崩落など市内各地で多数の被害が発生したのを受けて(18日付)、水戸地方気象台機動調査班の職員4人が19日、つくば市内の被害箇所を現地調査した。

午前中は、プレハブ2階建て事務所兼倉庫が倒壊した同市花室の農業資材販売会社と近隣を調査し、被害状況や倒壊した建物の構造、建物が傾いた向き、飛散物などを調べ写真を撮るなどしていた。さらに関係者に当時の様子を聞き取るなどした。

被害を受けた農業資材販売会社の小田切章社長(59)は「当時、皆、営業で出ていて、事務所にだれもいなかったのでけが人が出なかった。事務員の妻が普段は2階の事務所にいるが昨日はいなかったので無事だった。妻は倒れた側の壁を背にして普段仕事をしているので、事務所にいたら部屋の中のものが覆いかぶさってきて大変なことになっていたと思う」などと話した。

緑色のベストを着用した水戸気象台機動調査班の聞き取り調査を受け、当時の状況などを話す小田切章社長(右端)

隣接の野球室内練習場では建物のシャッターが変形したり、2階の壁の一部が破損するなどした。突風が吹いた時間に室内練習場にいた経営者の沼崎周太郎代表(29)は機動調査班の聞き取りに答え「午後2時40分ごろ、雨が強くなり、いろいろなものがいろいろな方向に飛んでいくのが見えた。風の方法は一定ではなかった。隣の事務所が倒壊する音は、風の音がすごかったので気付かなかった」などと話していた。

水戸気象台は19日、前日の気象状況について、前線の南下に伴って大気の状態が非常に不安定となり、活発な積乱雲が発生。活発な積乱雲が通過したつくば市と境町付近で突風が発生し被害があったと発表した。つくば市の現地調査を実施した同気象台機動調査班の戸崎一弘さんは「突風による被害をもたらしたものが何であったのか、どういう現象が起こったのかを現地調査をして確認したい」などと話した。調査結果はまとまり次第、公表される。

つくば市では7月1日に柴崎付近でダウンバーストまたはガストフロントとみられる秒速約35メートルの突風が発生し、同市天久保の筑波実験植物園で樹木30本以上が倒れたり折れたりする被害が発生したばかり(7月4日付)。

市北部からTX沿線まで被害90件超に

つくば市は19日夕方時点の被害状況(第3報)を発表した。建物の損壊、農業施設の損壊、倒木、火災など、被害は94件に及んだことが分かった。

つくば市がまとめた19日午後6時時点の被害状況(第3報)は以下の通り(19日午後9時40分追加)
【家屋・建物の被害】
▽2階建て事務所兼倉庫の1階部分の倒壊:1件(花室)
▽店舗の看板の破損:1件(上ノ室)
▽民間スポーツ施設のシャッター破損:1件(花室)
▽家屋の屋根瓦の破損・はがれ、外壁の破損:11件(上ノ室)
▽家屋の屋根瓦の破損・剥がれ、外壁の破損:4件(花室)
▽家屋の屋根瓦の破損・剥がれ:3件(上広岡)
▽家屋の屋根瓦の破損・剥がれ:1件(花園)
▽飛来物、倒木による被害:5件(上ノ室)
▽飛来物による被害:2件(大角豆)
▽カーポートの被害:2棟(上ノ室)
▽消防団詰め所の外壁の破損:1件(上ノ室)
▽プレハブ倉庫転覆:1棟(上ノ室)
▽栗原小学校:連絡通路の引戸が倒れ、窓ガラス破損
【農業関連の被害】
▽園芸施設のハウス・作業所への被害:2棟(上広岡)
▽園芸施設のハウス・作業所への被害:3か所(上ノ室)
▽農作物、農地の被害:6カ所(上ノ室)
【倒木・落枝等】
▽倒木24件(立原、要、春日、筑穂、東光台、上ノ室、大角豆、稲荷前、花園、中根、妻木、花畑近隣公園、タテタシ公園、並木公園、天久保公園、葛城公共緑地、つくばウェルネスパーク内、上広岡、科学万博記念公園内)
▽落枝・枝折れ13件(面野井、花畑、松代、学園の森、下河原崎、並木、東岡、大角豆、洞峰公園通り、つくばメモリアルホール内)
▽落枝による事務所ガラス破損(流星台スケートボードパーク)
▽落枝による通行障害(作谷)
【火災】
▽落雷が原因と思われる火災:1件(栗原)
【その他】
▽共同住宅の足場倒壊:1件(並木2丁目)
▽公務員宿舎跡地の足場倒壊:1件(吾妻2丁目)
▽飛来物、通信線の断線による通行障害等:2カ所(大角豆、上ノ室)
▽電線の断線(上ノ室)
▽NTT通信線の断線(上ノ室)
▽街路樹の支柱の傾き(香取台)
▽土嚢の崩れ(寺具)
▽時計台の故障(二の宮公園)

(鈴木宏子)

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