つくば市内で18日突風が発生し、建物の倒壊や解体現場の足場の崩落など市内各地で多数の被害が発生したのを受けて(18日付)、水戸地方気象台機動調査班の職員4人が19日、つくば市内の被害箇所を現地調査した。
午前中は、プレハブ2階建て事務所兼倉庫が倒壊した同市花室の農業資材販売会社と近隣を調査し、被害状況や倒壊した建物の構造、建物が傾いた向き、飛散物などを調べ写真を撮るなどしていた。さらに関係者に当時の様子を聞き取るなどした。
被害を受けた農業資材販売会社の小田切章社長(59)は「当時、皆、営業で出ていて、事務所にだれもいなかったのでけが人が出なかった。事務員の妻が普段は2階の事務所にいるが昨日はいなかったので無事だった。妻は倒れた側の壁を背にして普段仕事をしているので、事務所にいたら部屋の中のものが覆いかぶさってきて大変なことになっていたと思う」などと話した。

隣接の野球室内練習場では建物のシャッターが変形したり、2階の壁の一部が破損するなどした。突風が吹いた時間に室内練習場にいた経営者の沼崎周太郎代表(29)は機動調査班の聞き取りに答え「午後2時40分ごろ、雨が強くなり、いろいろなものがいろいろな方向に飛んでいくのが見えた。風の方法は一定ではなかった。隣の事務所が倒壊する音は、風の音がすごかったので気付かなかった」などと話していた。
水戸気象台は19日、前日の気象状況について、前線の南下に伴って大気の状態が非常に不安定となり、活発な積乱雲が発生。活発な積乱雲が通過したつくば市と境町付近で突風が発生し被害があったと発表した。つくば市の現地調査を実施した同気象台機動調査班の戸崎一弘さんは「突風による被害をもたらしたものが何であったのか、どういう現象が起こったのかを現地調査をして確認したい」などと話した。調査結果はまとまり次第、公表される。
つくば市では7月1日に柴崎付近でダウンバーストまたはガストフロントとみられる秒速約35メートルの突風が発生し、同市天久保の筑波実験植物園で樹木30本以上が倒れたり折れたりする被害が発生したばかり(7月4日付)。(鈴木宏子)