土浦ギャラリーで20日から
土浦写真塾講師を務める同市在住の写真家、高木紀英さん(73)の個展「短編写真」が、20日から土浦駅前の土浦市民ギャラリー(同市大和町)で開催される。

市内で撮影した何気ない風景や身近な場所などから世界をかたどったモノクロとカラーの写真計60点が、「童の國」「神々の宿る場所」など12のカテゴリーに分けて各5点ずつ展示される。素材の断片を組み合わせたコラージュ作品もあり、見る人によって独自の解釈が生まれるイメージとして撮った写真という。
例えば「黒いコートの女」という作品には人物が写っているが、それは主役でなく風景の一部となっている。高木さんは「自由に見てもらうという姿勢が必要で説明はあまりしない。いろいろな角度で見てもらうのがよい」と語る。
展示される作品はモノクロが多い。「モノクロ写真の良さは、色がないということで見るイメージが広がる効果があり、よりリアル感がある」と高木さん。作品はすべて自作プリント。カラーで写した写真をプリント時にモノクロに変換することもあるという。カラー写真は15点だけ。「カラーで表現する方が好ましいと判断したものについてはそうしている」。
高木さんは土浦生まれ。1992年から本格的に写真を始めた。94年には茨城県展奨励賞を受賞するなど活躍。2019年に初の個展「神々の会話」、21年には個展「路上感撮」など開催してきた。現在、土浦市展委員、土浦美術協会委員などを務める。

写真文化衰退の助けに
今回の個展開催にあたっては、写真文化の衰退にいくらかでも助けにならないかという思いがあった。写真教室やサークルはどんどん高齢化が進み、若い人が入ってこない。若い人はスマホで写真を撮りSNSで楽しんでいる。このままでは写真文化がなくなってしまうという危惧をもったという。「接点はどこにあるか探す必要がある」と言い、写真展などにデジタル部門を作り、パソコンと大型スクリーンをつなげ鑑賞するなども方法の一つと考えているという。
底辺を広げるという意味で、今年6月に土浦市民ギャラリーで開催した「形のない集団の写真展」は、大きさやテーマにこだわりを持たず、誰でも参加できる写真展として企画した。敷居の低い作品展をどんどん企画していきたいと語り、「写真展は気軽な感じで来ていただき、心が閏っていただければありがたい」と来場を呼び掛ける。(榎田智司)
◆高木紀英さん個展「短編写真」は9月20日(土)~28日(日)、土浦市大和町1-1、アルカス土浦(市立図書館)1階、土浦市民ギャラリーで開催。開館時間は午前10時~午後6時。ただし初日は午後1時から、最終日は午後4時まで。月曜など休館。入場無料。問い合わせは電話029-846-2950(同ギャラリー)へ。
◆高木紀秀さんが講師を務める「土浦写真塾」では会員を募集している。活動は、月例会を毎月第3土曜日午後1~5時、二中地区公民館で開催。会費は1000円。連絡先は吉田宣好さん(電話090-9014-5567、Eメールn_yoshida2024@yahoo.co.jp)へ。