24日 秋葉原駅で記念イベント
つくばエクスプレス(TX)は24日、開業20周年を迎えた。TXを運行する首都圏新都市鉄道(東京都千代田区、渡辺良社長)は同日、東京・TX秋葉原駅で記念イベントと、特別ラッピング列車「ユニール号」(23日付)の出発式を行った。渡辺社長は20周年を迎えた感想を「多くの方に支えられ、成長できた20年間だった」と述べた。
イベント会場では、ユニコーンをモチーフとした新マスコットキャラクター「ユニール」がお披露目され、同社のプロモーションパートナーであるJ1柏レイソルからサッカー日本代表に選出された垣田裕暉選手らが登壇、大勢の鉄道ファンらがステージを囲んだ。

出発式では、約1500人の応募者の中から選ばれた4人の小学生による1日駅長が「出発進行!」と合図。午前11時30分、ユニール号がつくばに向けて出発した。
1日駅長を務めた東京都府中市の光井駿仁さん(7)は、祖父母が暮らす茨城県那珂市を訪ねる際にこれまで5回ほどTXを利用した。今回の応募は、電車が大好きな駿仁さんのことを思った那珂市の祖母が、募集案内を見つけて知らせてくれた。「1500人の中から選ばれてすごくうれしかった。3歳くらいから電車が大好き。TXは形やデザインがかっこいい。出発式では自分たちの合図で『出発進行』した。駅長さんの大変さを知った。夏休みのいい思い出になった。今日のことは日記に書きたい」と笑顔を見せた。

「沿線と共に発展させたい」
首都圏新都市鉄道の渡辺社長は今後について「20年、30年先を見据え、沿線の方々と共に鉄道と沿線を共に発展させる中で、安全、安心、サービスの向上を引き続き最優先にしていく」と語った。沿線の人口増加で課題となっているラッシュ時の混雑の対応については「現在進めている車両の8両編成化事業をできるだけ早期に運用開始できるよう取り組む。ホーム延伸化工事の推進に加え、通勤通学時間帯に集中する利用の分散も呼び掛けていきたい」と話した。
インバウンド対策については「海外から観光に来る方にも沿線を楽しんでもらえるようトリップウォーク(ウオーキングイベント)を毎年開催していきたい。改札でのQRカード方式や、クレジットカードのタッチ方式であれば海外の方もそのまま利用できる。対応できるサービスを充実させ、通勤通学を基本にしつつ、土日や日中の利用も促進していきたい」と展望を示した。TX延伸については「交通政策審議会で『秋葉原から東京へ』の位置づけがあるが、整備主体・運営主体は未定。茨城県内の延伸を含めて、現段階でコメントできる立場にない」とした。(柴田大輔)
◆「ユニール号」は、8月24日から2026年3月下旬までの期間で運行し、25日(月)は午前5時台から午後11時台までの間に、上下線で計19本の運行が予定されている。詳細は首都圏新都市鉄道の公式ホームページで確認できる。