第107回全国高校野球選手権茨城大会は25日、ノーブルホームスタジアム水戸で準決勝2試合が行われた。第2試合では霞ケ浦が2-7で明秀日立に敗れ、土浦つくば勢はトーナメントから姿を消した。
25日 準決勝 第2試合 ノーブルホーム水戸
霞 ケ 浦 001010000 2
明秀日立 22000111× 7

霞ケ浦は序盤の4失点が最後まで重く響いた。先発の三浦颯介が初回4四死球と1安打で2点を失い、2回にも中前打と中堅への三塁打でさらに1点を失ったところで降板。「序盤からボールが上ずってコントロールできなかった。決まったときは相手を押せていただけにとても悔しいし、3年生に申し訳ない。来年はもっと力強い球を投げられるようになりたい」と三浦。

高橋祐二監督によると1年生投手三浦の先発起用は、前日まで悩み抜いた結果だという。「市村(才樹)であと2つ勝ちたいが、さすがに18回は頼れない。いままで先発を任せてきた稲山(幸汰)も調子がいま一つ。三浦は今大会初登板だが、3回頑張ってくれればと思い、子どもたちにも相談して起用を決めた」
ところが皮肉にもこの日の市村は良かった。三浦に代わってマウンドに上がると、6回まで明秀日立打線を散発2安打に抑えた。「プレッシャーはなくチャレンジ精神で行った。春に負けている相手だが意識し過ぎず、力を抜いた結果がいいピッチングにつながった」と市村。

後は点を取るだけだが、6回を除く毎回走者を出しながら、なかなか思うように得点に結びつかない。4回は2死満塁としたが村上聖が二ゴロに倒れ、5回は無死満塁の好機にも、奪ったのは暴投による1点だけだった。

特に5回途中から登板した相手の3人目投手、中岡誠志郎を打ちあぐねた。投球モーション中に足をぶらぶらと振り子のように振ったり、上手にクイックモーションを使ったりして、タイミングを狂わされた。
すると市村にも暑さの影響などが見えてくる。6回の失点はエラーと内野ゴロによるものだったが、7回は2安打と暴投、8回は4安打でそれぞれ1点ずつを許した。

7回表の霞ケ浦にはこの試合3度目の満塁のチャンスが訪れた。まず大石健斗が四球を選び、代打・大橋泰祥の左前打に敵失がからみ1死二・三塁、だが西野結太が見逃し三振、片見優太朗が四球で満塁。ここで原道仁志が代打に立ったが、内野フライに倒れた。
「打ちたい気持ちが先行し、ボール球を振ってしまう場面が目立った」と高橋監督。「特に5回のチャンスが惜しかった。一度追い付いていれば市村ももっと元気を出せた。6回くらいまではボールのキレ、精度とも今季一番だった」と悔やんだ。(池田充雄)
