2018年に廃校になった筑波山麓のつくば市国松、旧筑波小学校に8月25日、インターナショナルスクールが開校する。都内でインド系のインターナショナルスクールを展開する会社が、世界各国の大学入学資格を得られる国際的な教育プログラム「国際バカロレア」に沿って英語を基本に授業を行う。一部日本語の授業もある。当初計画から1年半遅れての開校となる(22年9月27日、23年3月3日付)。
初年度の25年度は、主につくば市内に住む2歳半から小学5年生までの子どもたち35~40人がスクールバス2台で通学する予定。日本人が70%を占め、他にモンゴル人10%、中国人10%など。地元の秀峰筑波義務教育学校からも1人の入学が決まっているという。その後受け入れを拡大しながら、高校生まで400人規模とする。

初年度は教職員15人でスタートし、生徒数の増加に応じて教職員を増やす。教員は現在、全員が外国籍で、国際バカロレアの教育プログラムに豊富な経験を有するという。
同校は敷地面積約7500平方メートル、3階建て校舎と校庭、体育館などがある。校舎は当面1、2階を利用する。教室は普通教室を分割し、最大20人前後の少人数とする。校舎は現在、改修中で7月末までに工事を終える。学校前の駐車場は8月中旬に完成予定。校舎の3階部分と体育館は将来的に改修するが現時点では未定という。
大阪キャンパスに続き2カ所目
開校するのはシンガポールに本社があるグローバル・スクールス・ファウンデーションの日本法人であるグローバル・インディアン・エデュケーション株式会社。同社は現在、インドのカリキュラムを基本にした「グローバル・インディアン・インターナショナル・スクール(GIIS)」を東京都内に4キャンパス、国際バカロレアプログラムを提供する「ワン・ワールド・インターナショナル・スクール(OWIS)」を2023年8月から大阪で運営している。旧筑波小に開校するOWISつくばキャンパスは大阪に続いて国内2カ所目となる。
外国企業誘致施策の一環で県が誘致した。旧筑波小での開校に向けては、2022年に地元住民との意見交換会が開かれた。23年夏頃につくば市と賃貸借契約を締結し、同社が校舎や校庭などの改修工事を実施してきた。
学校運営は教育の枠にとどまらず、地域資源を活かした国際的なまちづくりへの貢献を視野に入れ、地域と連携しながら、持続可能な形での地域の価値を高めることを目指した運営を行うとしている。
地域住民に向けては、地域の文化・スポーツ活動を支援するため、校庭や体育館の地域開放を予定する。教室は投票会場や地域の会合場所としても開放。地域雇用を推進し、学校施設の清掃、警備などでの雇用を予定している。当初ヨガなどのカルチャースクールが計画されていたが、現在は予定してないという。

19日、地域住民を対象に最後の説明会が開催され18人が参加した。参加者からは「学校の前は道が狭いので心配」「工事の騒音が気になる」「将来生徒数が増えた時は混雑するのではないか」「放課後児童クラブは開設するのか」などの意見が出た。地元から説明会に参加した堤正則さん(79)は「地域が良くなっていくのは良いし、子供たちにとって新しい施設が出来ることは素晴らしいと思う。ただ元々道が狭いので、地元として心配するのは交通の問題」と話した。教室の見学では、かなり仕上がった内装に参加者から「かわいい」という感想が出された。(榎田智司)