第107回全国高校野球選手権茨城大会は3日目の7日、ひたちなか市民球場で1回戦が行われ、土浦工業は那珂湊と対戦、10ー0で5回コールド勝ちし2回戦進出を決めた。土浦工業先発の前島悠輝は那珂湊打線をノーヒットに抑えた。
7日 1回戦 第1試合 ひたちなか市民球場
那珂湊 00000 0
土浦工 26011× 10

「昨年、一昨年と初戦敗退し悔しい思いをした先輩たちの無念を晴らしたいと試合に挑んだ」と成島瑠依主将。捕手でもある成島は「初戦で緊張した」と話す一方、先発の前島をうまくリードし、初回の那珂湊打線を三者凡退に抑えた。
その裏、相手のエラーで、ノーヒットのまま2点を先制。2回には無死満塁のチャンスに長南流愛が高めのストレートを思い切り振り抜いた。打球はレフトへのタイムリーヒットとなり1点を追加すると、助川誓哉と谷田部秀夫もタイムリーヒットを放ちさらに4点を追加しリードを広げた。

前島は1回、2回と制球が定まらず荒れていたが、主将で捕手の成島やベンチの声に支えられて調子が上がり始めた。次第に低めのストレートが決まりだし三振を奪うと、野手も堅い守備でチームに勢いをつけた。
5回には那珂湊の守備のミスも重なり、長南流愛がワイルドピッチでホームイン。10点差をつけコールド勝ちを決めた。

先発した前島は、参考記録ながら5回ノーヒットノーラン8奪三振を達成した。ノーヒットノーランは「野球をやってきて初めて」と言い、「2回戦でも負けない気持ちを出してやっていく」と力強く語った。試合を終えた成島主将は安堵の表情を浮かべながらも「次の試合もこの勢いで勝って土浦工業の野球を強くしていきたい」述べた。
久保田昌倫監督は「昨年の夏から出ている選手が多数いたので落ち着いて出来た。若いチームなので2回戦はベンチワークも含めていろんな選手を出せる試合にしたい」と話した。2回戦は13日、八千代と対戦する。

那珂湊の地元であるひたちなか市民球場での開催とあって、スタンドでは那珂湊が全校を挙げて応援した。土浦工業は完全アウェイだったが、価値ある勝利をつかんだ。(高橋浩一)