6月20日は世界難民の日
国連が定めた「世界難民の日(6月20日)」を前に12日夜、つくば市役所本庁舎東側壁面が4灯の青いライトで照らされた。ライトアップの期間は12日から29日まで、毎日夜7時から10時まで点灯される。
世界難民の日は、難民の保護と支援に世界的な関心を高めることを目的に2000年12月4日に国連総会で決議された。各地の建物を国連のシンボルカラーである青色でライトアップすることは、難民支援への連帯を示す。世界約130カ国で難民支援などに取り組む国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の駐日事務所が、この日に合わせて呼び掛けた。
県内ではつくば市役所のほか水戸芸術館(水戸市)が参加している。ほかに札幌市時計台(札幌市)、鶴ケ城天守閣(福島県会津若松市)、都庁第一本庁舎(東京都新宿区)、東寺(京都市)、熊本城天守閣(熊本市)など全国67カ所が青色にライトアップされる。また期間中は、国連大学(東京都渋谷区)やの佐賀県庁旧館(佐賀市)など全国6カ所で「世界難民の日こいのぼり」が掲揚される。
つくば市は今年5月、UNHCRが進める国際キャンペーン「難民を支える自治体ネットワーク」に加入し、5月18日に市内で行われた科学と国際交流イベント「つくばフェスティバル2025」内で同ネットワークへの加入署名式が行われ、UNHCR駐日主席副代表代行の桒原妙子さんと五十嵐立青市長が同ネットワークへの賛同表明文に署名した(5月19日付)。昨年、同市は世界難民の日に合わせて、2021年に開催された「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」に参加した難民アスリートの活躍やヒューマンストーリーを収めた「難民アスリート写真展」や、市国際交流協会主催の国際理解講座「世界お茶のみ話」で「難民ワークショップ」を開催するなど、難民支援への理解啓発に取り組んできた。
企画を担当する同市国際都市推進課は「今回の企画を通じて多くの市民が難民問題に関心を持つ機会につなげたい」とし、「つくば市には多様な国や地域出身の方が暮らしている。誰にとっても暮らしやすい街にしていきたい」とする。一方で「他の国々には、さまざまな環境の中で現地に留まらざるを得ない方々もいる。そういった方々へ、UNHCRを通じて今後も支援をしていきたい」と思いを語った。今回のライトアップにかかる事業費はライトの設置費など約50万円という。(柴田大輔)