水曜日, 10月 8, 2025
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世界の物語を絵で表現 上渕翔さん つくばで個展

つくば市在住の画家、上渕翔さんの個展「紡がれる物語」が16日から、つくば市千現、二の宮公園前にあるギャラリーネオ/センシュウで始まる。日本書紀や万葉集、グリム童話、マザーグースなど、世界各地の物語から着想を得た新作を含む絵画作品約30点を展示する。会場には移動式のスロープが用意され、必要に応じて設置される。「つくばで開いている絵画教室の生徒や知人に、日常的に車いすを利用している人たちがいる。つくばでの個展開催は4年ぶり。ぜひ、多くの方に足を運んでいただき、私が受け継いだ物語を、作品を通じて見た方に伝えられたら」と、来場を呼びかける。

展示のタイトルにもなる作品「紡がれる物語」は、濃紺のマントを羽織ったうつむく女性を木製の板に描いた作品だ。開いたマントの内側には、雲から落ちる雨、雲間に浮かぶ満月、その上空に舞う3羽のツバメが描かれている。この作品は、江戸時代に活躍した石の収集家で鉱物学者・木内石亭による、日本で最初の石の専門書「雲根志(うんこんし)」からヒントを得た。木内が同書に記した石の一つに、羽を開いたツバメに似た「石燕(いしつばめ)」という二枚貝の化石がある。当時の人々はこの石を、ツバメが石になったものと考えた。雷風雨に打たれるとツバメとなって空を飛び、雨が乾くと再び石に戻ると信じたという。石燕は、安産のお守りとしても利用されていたことから、女性を表す満月と共に、雨とツバメを描き込んだ。

個展のタイトルでもある作品「紡がれる物語」をあしらったダイレクトメール

「三匹のこねこ、てぶくろなくして」は、イギリスに古くから伝わる童謡「マザーグース」の一つをもとにした作品だ。手袋をなくして怒られた三匹の猫が、見つけたごほうびにパイを食べる話で、回転する木製の歯車に描くことで、リズミカルに展開する物語を表現した。

中央に金箔の帯をあしらった「終わりから生まれる」は、古事記や日本書紀に記される、食物の起源に関する神話をモチーフに描いた。神話では、命を落とした女神の亡きがらから、稲やヒエ、蚕、小豆、牛馬など、人の暮らしに不可欠な食べ物が生まれる話が記されている。その他に、土砂崩れの原因を、地中に潜んだ法螺貝(ほらがい)によるものだとする伝説「法螺抜け」をもとにした「貝が夜空の夢をみる」、かつてあった信仰の場所を木々が覆う「眠る島」などが展示される。

スロープ設置、気軽に声をかけて

「作物の起源を記した神話は、アジアやアメリカ大陸などにもあることが知られている。さまざまな物語を読んで感じるのが、東も西も人は同じ感覚を持っているということ。当時の人が、なぜそう考え、信じたのか興味がある」と上渕さん。「昔の人の想像力を、絵という形でアウトプットした。私が受け継いだものを、見た方にも受け継いでもらえたらいいと思っている。いろいろな物語を絵に込めている。毎日在廊する予定。是非、説明させていただきたい」と述べ、「会場には、移動式のスロープがある。車いすの方だけでなく、ベビーカーの方や足の弱い方にも必要なもの。すぐに取り付けられるので、気軽に声をかけてほしい」と話す。

熊本県出身の上渕さんは、2007年に筑波大学芸術専門学群洋画コースを卒業。現在は、つくばを拠点に個展の開催や、全国各地で開かれる合同作品展への参加を通じて作品を発表している。2021年には水戸市備前町の常陽史料館で、木製の板や丸太などに描いた58作品を展示する個展を開いた。(柴田大輔)

◆上渕翔個展「紡がれる物語」は16日(金)~6月1日(日)、つくば市千現1-23-4-101、ギャリーネオ/センシュウで開催。開館は金・土・日曜のみ(月~木は休館)。開館時間は正午から午後7時まで。入場無料。問い合わせはギャラリーネオ/センシュウのメール(sen.jotarotomoda@gmail.com)へ。

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乳幼児も楽しめる舞台芸術 つくばでイタリア劇団が公演

19日 カピオ 乳幼児も楽しめる舞台作品をつくり続けるイタリアの劇団「ラ・バラッカ」の公演が19日、つくばカピオホール(同市竹園)で開かれる。演目は、多様な家族の姿をユーモアを交えて観客に問いかける「ファミリエ」(上演時間40分)。午前は0歳から2歳、午後は3歳以上を対象とした2部制で上演される。 主催するのは、桜の植樹や芸術活動を通じてイタリアとの文化交流を進める「日伊櫻の会」(沢辺満智子代表)。同劇団によるつくばでの公演は昨年に続き2回目となる。 魔法のような時間 「以前は、小さな子どもが本当に演劇を楽しめるのか疑問もあった」と、主催団体理事の多田亮彦さん(46)は言う。 多田さんが初めてラ・バラッカの舞台を見たのは2019年。会の代表である妻の沢辺さんと、劇団の拠点であるイタリア・ボローニャ市を訪問した時だった。 ラ・バラッカは1976年、ボローニャで創設された劇団で、子どもを対象とした作品を50年近くつくり続けている。特に乳幼児向けの演劇分野で世界的に高い評価を得る。現在は地元自治体と協力し、教育現場に演劇を取り入れ、まちの中に劇場を整備するなど、日常的に子どもが演劇に触れる環境づくりを進めている。 多田さんらが劇場を訪ねて目にしたのが、演劇に夢中になる子どもたちと、子どもが手で触れられそうな距離で、全身を使って物語を表現する俳優たちだった。 「俳優の表情や仕草だけで十分伝わっていて、子どもたちの反応を引き出す魔法のような、幸せな時間だった。これを日本の子どもたちにも見せてあげたい」と感じた。 ボローニャは、世界最大の児童書の見本市が開かれることでも知られている。沢辺さんは現在、つくばで子ども向け書籍の出版会社を経営する。多田さんらの当初の訪問目的は、児童書の見本市を訪ねることだった。同時に、同市で活動するラ・バラッカを知り、「日伊櫻の会」が進める文化交流・創造事業への関心から劇団を訪ねたのが、劇団との出会いのきっかけとなった。 昨年つくばで上演されたのは、突然いなくなった仲良くしていた野良猫を、マンションの上下階の住民が一緒に探す物語。セリフはなく、体の動きや表情の変化で思いを伝える。 2歳以下の子どもたちは保護者と一緒に舞台上に座り、手が届きそうな距離で役者の動きを目の当たりにする。俳優は、子どもたちとアイコンタクトを取り表情を見ながら、ときに手を差し伸べつつ、物語を表現する。観客も物語の中に引きずり込まれるような感覚を味わえる。年齢を超えて誰もが演劇を楽しめる仕掛けがあるという。 「あれは何だろう、これは何だろうと、子どもたちの好奇心が喚起され、本当に芸術を楽しんでいるのが伝わってきた」と多田さん。来場した保護者からも「自分の子どもがこんなに集中して見るなんて思わなかった」「小さな子どもでも演劇が分かると気づいた」などの感想が寄せられた。 「人を生き返らせる力がある」 ラ・バラッカの演劇は、決して鑑賞者を子ども扱いしないのが特徴だと多田さんは言う。「大人が思い描く子ども像に合わせてつくられていない。作品を通じて作り手が『私はこう思うけど、あなたはどう思う?』と問いかけるような、平等な関係がそこにある。だから、大人も見て感じることがあるのだと思う」「演劇には、人を生き返らせる力がある。芸術は子どもだけでなく、大人たちにとっても生活に必要なものだと思う」と語る。 今後について「つくばで舞台芸術を子どもたちに提供していきたい。みんながそういう機会に触れられるように頑張っていきたいし、つくば市で一緒に取り組みを進めていけたら」と思いを述べる。(柴田大輔) 二つのワークショップ開催 ◆「つくば世界こどもシアター2025 劇団ラ・バラッカ『ファミリエ』」は、10月19日(日)、つくば市竹園1-10-1 つくばカピオホールで開催。公演時間は、0歳から2歳までは午前10時30分から、上演時間は各40分。3歳以上は午後2時30分から。入場料は大人3000円、17歳以下1500円。 ◆16~18日に二つのワークショップを開催する。①18歳以上を対象にしたワークショップを16日(木)と17日(金)いずれも午後4時から、つくば市吾妻1-10-1 つくばセンタービル・コリドイオ3階大会議室で開催する。参加費は2日間通しで5000円(学生2500円)②親子を対象とした演劇ワークショップを18日(土)午後2時30分から、つくばカピオ2階リハーサル室で開催する。参加費は3500円(親子2人分)。いずれも事前申し込み制。詳細はイベント公式サイトへ。劇団が訪日する10月中に市内の小学校や保育園での上演も企画している。

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