木曜日, 12月 26, 2024
ホームつくばスタッフ向け介護予防体操講習会を開催 つくばの高齢者施設

スタッフ向け介護予防体操講習会を開催 つくばの高齢者施設

介護スタッフ向けの介護予防体操講習会が5日、つくば市大砂の特別養護老人ホーム「まごころの杜つくば」(大島弘行施設長)で開かれた。地域住民の健康寿命の延伸を目指し、セキショウグループの社会福祉法人関耀会(筑西市、葉章二理事長)が、介護予防体操の普及に取り組む NPO 日本健康加齢推進機構(水戸市、理事長・大田仁史 県立医療大名誉教授)と共催した。

「知って得するシル・リハ体操~老人ホームで実践と講義~」と題した講習会で、県内の医療機関や介護施設にも参加を呼び掛け、同施設のスタッフのほか、県内各地から介護士や介護福祉士、管理栄養士など20人が参加した。

講師として、シルバーリハビリ体操考案者で同機構理事長の大田医師(89)があたり、実践・座学を含め90分の講習会となった。前半は施設の入所者6人も加わり体操の実技が行われた。後半は介護スタッフ向けの実践的な座学と実技となった。

県内の65歳以上の高齢化率は31%で、全国平均を1.7%上回る。シルバーリハビリ体操は、道具を使用せず、時間や場所に関わらず取り組むことができる介護予防体操で、大田理事長らは県内で、体操を普及する指導士養成に取り組んでおり、約20年間で1万人の指導士が養成されているという。

大田理事長は、どうして体操が必要なのかという理由から分かりやすく説明し、「しがみついても立つことが大事」「出来ることはやれる限りやる」「関節や筋肉のケアが大事」など、具体的でわかりやすい言葉で話した。

ひたちなか市の医療施設「フロイデひたちなかメディカルプラザ」から参加した管理栄養士の實松加奈子さん(42)は「おでこを押すなど、今までなんのためにやっていた体操かわからなかったことが先生の説明でよくわかり、運動機能の理解が深まった。この知識をもとに、今後は地域医療のために役に立てていきたい」と感想を述べた。

太田医師は「この体操は県立医療大学の院長だった時に考案した。高齢化社会が加速する中、さらに普及してもらえればありがたい」と語った。(榎田智司)

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

1コメント

コメントをメールに通知
次のコメントを通知:
guest
最近NEWSつくばのコメント欄が荒れていると指摘を受けます。NEWSつくばはプライバシーポリシーで基準を明示した上で、誹謗中傷によって個人の名誉を侵害したり、営業を妨害したり、差別を助長する投稿を削除して参りました。
今回、削除機能をより強化するため、誹謗中傷等を繰り返した投稿者に対しては、NEWSつくばにコメントを投稿できないようにします。さらにコメント欄が荒れるのを防ぐため、1つの記事に投稿できる回数を1人3回までに制限します。ご協力をお願いします。

NEWSつくばは誹謗中傷等を防ぐためコメント投稿を1記事当たり3回までに制限して参りましたが、2月1日から新たに「認定コメンテーター」制度を創設し、登録者を募集します。認定コメンテーターには氏名と顔写真を表示してコメントしていただき、投稿の回数制限は設けません。希望者は氏名、住所を記載し、顔写真を添付の上、info@newstsukuba.jp宛て登録をお願いします。

1 Comment
フィードバック
すべてのコメントを見る
スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img
spot_img

最近のコメント

最新記事

日本国際学園大生の作品が表紙に つくばエリア下宿探し情報誌

日本国際学園大学(つくば市吾妻、橋本綱夫学長)がこのほど学内で実施した「ひとり暮らしガイドブック」の表紙デザインコンペ(ジェイ・エス・ビーグループ協賛)で、4年の矢治竜乃介さんの作品が最優秀賞を受賞し、10月につくば市エリアで発行された学生向けマンション・アパート情報誌「学生下宿年鑑2025ダイジェスト版ーつくば市エリア ひとり暮らしガイドブック」(ジェイ・エス・ピーグループ UniLifeつくば店発行)の表紙になっている。年間で約5000部発行される。 優秀賞には同大4年の菊地祥真さんの作品が選ばれた。同大向けの冊子「日本国際学園大学・2025年度春入居のご案内」(同)の表紙となり、同大の受験生や来校者らに配布される予定だ。 学内コンペは、学生の作品を磨く力を伸ばし活躍の場を与えることを目的に、各エリア版の学生下宿年鑑「ひとり暮らしガイドブック」を各地で発行しているジェイ・エス・ビーグループの協賛で、昨年から実施している。今年の学内コンペには教育の一環として学生4人が応募した。 最優秀賞の矢治さんは「自分の部屋に似たイメージでデザインした。学生という立場から、自分の部屋の雰囲気を『本』の中に表現するというコンセプトで挑戦した。気合を入れて作った作品なので、評価をいただけて本当にうれしい」と喜びを語った。 矢治さんは山梨県甲府市出身、卒業後は都内の会社に就職が決まっている。今後は「イラストだけでなく、動画クリエーターにも挑戦し、総合クリエーターとして生きていけたらいい」と語る。 優秀賞の菊地さんは「自分の理想の一人暮らしの部屋を、設計図のように表現した。好きな色合いや木目調の素材感を取り入れたことが、評価されたポイントだと思う。遊び心が隠されてあるので探してみてほしい」とコメントする。 菊地さんは千葉県柏市出身、つくば市内の会社に就職予定で「会社に入ってからは総合的なデザイナーとしての役割があったり、ドローンを使った撮影などもやっていくことになっている。自分のやりたいことをやっていけたら」と話す。 主催者は「昨年よりデザインのクオリティーがより高くなっていて感心した。賞の選定は、どれも素晴らしく僅差の結果となった。来年も開催するので、さらに多くの素晴らしい作品が集まることを楽しみにしている」と講評する。 同大企画部広報課の原沙織さんは「2人のデザインは特に優秀で、教員からも評価をもらっている、2人は今年8月にタペストリーコンペティション(8月2日付)にも選ばれており、今後の活躍に期待したい」と述べる。(榎田智司)

クリスマス坊や《短いおはなし》34

【ノベル・伊東葎花】 子どもたちが巣立つと、クリスマスは普通の日になる。ケーキも買わないし、ごちそうも作らない。ツリーも飾らなければ、プレゼントを用意することもない。夫婦2人で、鍋でもつついて終わり。そう、あの子が来るまでは。 あるクリスマスの夜、その子はひょっこりやって来た。まるで最初からそこにいたように、ちょこんと椅子に座っていた。とても小さな男の子。絵本に出てくる小人のような男の子。 「あらあら、なんてかわいい坊やかしら」 私は急いで夫に電話をした。 「あなた、帰りに駅前でケーキを買ってきてちょうだい。かわいいお客様なの」 子どもたちが小さかったころを思い出して、チキンライスを作り、てっぺんに折り紙で作った旗を立てた。小さな坊やに出してあげると、目を輝かせてきれいにたいらげた。イチゴがたくさん載ったケーキを片手に帰って来た夫は、坊やを見て頬を緩めた。 「かわいいなあ」 ケーキを切り分けると、小さな手で上手にフォークを使って食べた。満足そうな笑顔を残して、坊やはいつの間にか消えていた。 クリスマス坊やは、毎年やって来た。どこから来るのか分からない。だけどそんなことはどうでもいい。イブの夜、私たちは坊やを待ちわびて、ケーキを買ってごちそうを作る。去年のプレゼントは、毛糸で編んだ小さな帽子。その前は手袋とポシェット。坊やは大事そうにそれを持って帰り、次の年にはちゃんと身に着けて来た。 そして今年もクリスマスがやってきた。プレゼントは赤い小さなマフラー。水色の箱にリボンをかけてテーブルの上に置いておく。もうすぐ来ると思うと、そわそわした。 しかしその日、クリスマス坊やは来なかった。 「私の手料理に飽きちゃったのかしら」 「いや、僕がいつも同じケーキを買うからだ」 夫も私もひどくがっかりした。 「まあ、せっかくのイブだ。シャンパンでも開けようじゃないか」 「あら、珍しい。日本酒しか飲まないあなたが」 夫がシャンパンを買ってくるなんて初めてのことだ。ふたの開け方がわからなくて、ふたりであれこれ言い合ううちに、ポンと跳ねたふたが天井に当たって落ちた。 「あらいやだ。あなた下手ねえ」 そう言って大笑いした。 「夫婦2人でも、充分楽しいな」と夫が言った。 「そうですねえ」 私たちは、グラスを合わせて乾杯をした。 「メリークリスマス」 クリスマス坊やは来なかったのではなく、私たちに見えなくなっただけだ。だって、テーブルに置いたプレゼントが、いつのまにかなくなっている。それはきっと、坊やがいなくても楽しく過ごせることが分かったから。坊やは「もう大丈夫だね」と笑いながら、来年は他の家に行くのかしら。 「ねえあなた、来年はプレゼント交換でもしましょうか」 「いいね」 (作家)

パリパラ柔道銀メダリスト 半谷さんに名誉卒業生の称号授与 筑波技術大

パリ2024パラリンピック視覚障害柔道女子48キロ級J1(全盲)クラスで銀メダルを獲得した半谷静香さん(36)に、母校の筑波技術大学(つくば市天久保、石原保志学長)が24日「名誉卒業生」の称号を授与した。半谷さんは「(4年後の)ロス大会を目指したいが、まずは2年後に日本で開かれるアジア大会出場が目標。自分が競技をすることを通じて障害への理解、啓発につなげたい。また障害の当事者とサポートする人の両者が共に居心地の良い空間をつくれるよう、追求していきたい」と意欲を語った。 筑波技術大は、聴覚と視覚に障害のある学生を対象とした国内唯一の国立大学法人。同大の「名誉卒業生」は、1998年の長野パラリンピックと2006年のトリノパラリンピック女子バイアスロン視覚障害者の部で金メダルを取った井口深雪さんに続いて、半谷さんが2人目。 半谷さんは福島県いわき市出身。地元の中学で柔道を始め、筑波技術大に入学し視覚障害者柔道に転向した。大学時代は柔道に打ち込む傍らで、友人たちと筑波山を登ったりするなど学生生活を楽しんだ。2010年に初めて出場した国際大会「広州2010アジアパラ競技大会」の女子52キロ級で3位に輝き、2年後のロンドンパラリンピック女子52キロ級で日本代表に選出された。パリ大会は4大会連続パラリンピック出場となり、自身初のメダル獲得となった。 競技をする上で大切にするのが、自身の体や思いを「言語化」することだと話す。目が見えないため、他の選手や自分の動きや状態を鏡や動画で確認できない。動きや状態を、的確な言葉で指導者と伝え合う必要があるからだ。「目が見える人と、見えない人が同じゴールを目指す上で、欠かせないこと」だと話す。 今後については、競技を通じて学んだ『言語化』への理解を生かし、「見えない人や、見えにくい状態の人がもっとわかりやすく学べる環境を整備していきたい」と語る。 今できることを全力で 式典後に同大春日キャンパスで開かれた講演会では、厳しい減量で体が追い込まれる中、「周りのアドバイスに従い、試合2日前に休んだことでベストパフォーマンスを出せた」などパリ大会での思い出を語った。在学生に向けては「視覚障害の当事者は理不尽なことをたくさん味わっていると思うが、必ず解決する策はある。状況を分析し考えることとで立ち向かえる。今できることを全力で行うことが大切」などと、障害に向き合いながら力強く社会で生きていくための思いを語った。(柴田大輔)

「目標水準に」ドライバー74人応募 公共ライドシェア つくば、土浦など4市

来年1月下旬から運行 つくば、土浦、下妻、牛久の4市が、バスやタクシーなど公共交通の確保が困難な4エリアで、来年1月から運行を目指している公共ライドシェア(10月1日付)について、自家用車を使って有償で乗客を送迎する一般ドライバーを10月から募集したところ、今月19日までの1カ月半で4市全体で74人の応募があり、目標の76人をほぼ達成した。実施を呼び掛けたつくば市総合交通政策課は「まずまずの水準ではないか」としている。 ドライバーが確保できたことを受け、来年1月下旬から運行をスタートさせる。 エリア別の応募者は、①つくば市桜ニュータウンと土浦市天川団地周辺を出発してつくば駅など4カ所に行き、平日朝と夕方などに運行する「つくば・土浦エリア」は目標41人に対し応募39人➁筑波山中腹からふもとまで行き、夕方などに運行する「筑波山エリア」は目標と同じ15人③下妻市の南側で日中などに運行する「下妻エリア」は目標と同じ3人④常磐線沿線などを除く市全域で朝と日中などに運行する「牛久エリア」は目標と同じ17人。現在「つくば・土浦エリア」のみ若干名募集し、他の3エリアは募集を打ち切っている。 ドライバー74人の内訳は男性65人(87.8%)、女性9人(12.2%)。年代別は20代が8人(10.8%)、30代が10人(13.5%)、40代が14人(18.9%)、50代が22人(29.7%)、60代が17人(23.0%)、70歳以上3人(4.1%、タクシーなどが運転できる2種免許所持者)。ドライバーとして当初、通勤・通学のため家族を毎朝送迎している主婦(夫)や定年退職者などの応募を期待していた。実際の応募者は男性が9割近くを占め、50代が最多となった。応募者はオンラインでの面接、講習受講、教育研修などを実施の上、ドライバーバンクに登録される。 一方、利用方法は、1月下旬までに開設するインターネットの特設ページから登録してもらい、スマートフォンやパソコンで予約できるようにする。乗車料金はエリアごとに異なり、「つくば・土浦エリア」は事前予約(前日の正午までに予約)は1回600円、直前予約(前日の正午から当日30分前までに予約)は800円。「筑波山エリア」はいずれも1000円。「下妻エリア」は事前予約700円、直前予約1000円。3エリアいずれも小学生は半額、未就学児は無料。「牛久エリア」は700円、小学生は600円、未就学児は無料など、エリアごとに異なる。支払い方法はスタート時は、当日、降車時に現金またはキャッシュレス決済のペイペイで支払う。3月末までには予約時にクレジット決済もできるようにする。 利用の周知については各エリアごとにそれぞれ実施し、地域住民が利用対象となる「つくば・土浦エリア」の桜ニュータウンでは来年1月と2月に計3回、説明会を開催する。観光客が利用対象の「筑波山エリア」は、観光案内所、ホテル、旅館、ケーブルカーやロープウエイの案内窓口などに市がちらしを持参し説明などするという。(鈴木宏子) 【追加】下妻、牛久市の最終的な運賃の分類はそれぞれ最新情報の確認が必要。 【訂正】ドライバーの当初想定の一部を訂正しました。