高度外国人材 日本企業での活躍を期待
関彰商事(本社 筑西市・つくば市、関正樹社長)つくば本社で2日、同社が包括連携協定を結ぶベトナム・ハノイ工科大学とのスポンサー契約更新の調印式と、同大が学内に新設する、日本とベトナムの文化交流施設「越日スペース」建設に向けた寄付金の贈呈式が催された。同大からはフィン・クェット・タン学長ら関係者3人が出席し、タン学長は「多くの学生が日本企業で活躍できることを期待している」と述べた。
関彰商事は2016年にハノイ市に事務所を開設し、日系企業への就職を目指すベトナム人と企業を結ぶ「セキショウ ジョブ フェア」をグループの人材派遣会社セキショウキャリアプラスが毎年開催するなど、日本国内企業やベトナムに展開する日系企業に向けたベトナム人の高度外国人材紹介をしてきた。その他にシステム開発、ベトナム進出を検討する日本企業に向けたコンサルティングサービスなどを事業展開している。ハノイ工科大とは、同大への支援を目的としてスポンサー契約を2018年に締結し、同大内でジョブフェアを開催するなど関係を深めてきた。
ハノイ工科大学は、1956年に設立されたベトナム初の技術系総合国立大学で、同国の工学部系大学で最難関とされている。学生数は4万人以上を数える。1学年600人余りが日本語を学び、11月2日と3日に同大で開催されたジョブフェアには2000人以上が参加するなど、日本への関心が高いとタン学長は話す。
「越日スペース」は、より多くの学生が日本に関心を持てるようにと、同大が設立70周年を迎える2026年の開設へ向けて建設が進められる。2階建ての建物で、日本語学習や関連セミナー、文化交流などのイベントが開催される予定だ。
タン学長は「関彰商事とはジョブフェアを始め学生の募集、採用だけでなく、同社が得意とするスポーツアナリスティックやAI分析などの分野で共同研究、開発に取り組むことができれば」と展望を話すと、同社の関社長は「これまでは外国人を採用することで社内に盛り上がりを生む時代だったが、これからは一緒に研究していく時代」だとし、「(日本では)就職希望が東京に集中している。地方に外国の優秀な方に就職してもらいたいという動きは相当活発になる。ハノイ工科大と関彰の関係がさらに深まることを心から期待している」と思いを述べた。(柴田大輔)