トリプル選挙となった10月27日投開票の衆院選・つくば市長選・同市議選は、投票率が前回を上回り60%を超えた一方、衆院選と市議選では無効投票率が前回と比べ倍増し、無効票の半数以上が白紙投票だったことが分かった。
特に市議選の無効票は8658票(投票総数の7.2%)と投票者の14人に1人の票が無効となり、そのうち76.4%の6618人が白票を投じた。市議選の無効投票の割合は前回2020年と比べ2.8倍に増えた。一方、市長選の無効票の割合は前回とほぼ同じだった。
つくば市の衆院選小選挙区と比例区の投票率は60.66%(前回2021年は55.14%)と、戦後3番目に低かった全国平均の投票率53.85%(小選挙区)を6.81ポイント上回った。
一方、同市の小選挙区の無効票数は投票総数の5.49%にあたる6634票だった。前回2021年の無効投票率は2.01%で割合は2.7倍に増えた。無効投票の内訳は白紙投票が最も多く、無効票の57%の3794票だった。
同市の衆院比例区の無効投票率は4.18%の5060票で、こちらも前回の無効投票率2.16%の2倍となった。内訳は白紙投票が最も多く2817票と無効投票数の55%を占めた。
つくば市長選と同市議選の投票率は60.97%(前回2020年は51.60%)で前回より10ポイント近く上昇した。
市長選の無効投票数は3976票で、投票総数に占める割合は前回2020年の3.44%より若干減って3.31%のだった。内訳は白紙投票が最も多く61%の2448票だった。
これに対し同市議選の無効投票率(7.21%)は、前回2020年の無効投票率は2.55%と比べ2.8倍に増えた。8658票あった無効投票の内訳は76%の6618票が白紙だ。
用紙の取り違え数は不明
一方、トリプル選挙となった同市では今回、各投票所のスペースと投票に至るまでの動線確保のため、投票所での投票用紙の配布方法を、衆院選は小選挙区(浅黄色)・比例区(ピンク色)・最高裁国民審査(うぐいす色)の用紙を3枚一度に手渡し、別々の投票箱に入れてもらった。その後、つくば市長選(白色)・市議選(クリーム色)の用紙2枚を一度に渡し、いずれも別々の投票箱に入れてもらった。
市選管によると、衆院選小選挙区と比例区の用紙取り違えと、市長選と市議選の用紙取り違えはいずれもあったが、数は不明だという。一方、投票箱の取り違えは、開票の際に有効などとした。
トリプル選挙により投票率が上がったにもかかわらず、なぜ衆院選とつくば市議選で無効票が倍増し、半数以上が白票だったのか。
つくば市ではこれまで投票率に地域差があるのが特徴で、国政選挙は研究学園都市建設以降、転居してきたいわゆる新住民の投票率が高く、地方選挙は旧町村部の投票率が高くなる傾向にあり、例えば2012年の市長選は地区別(旧町村別)で14ポイントの開きがった。一方、トリプル選挙となった今回の投票日当日の地区別投票率に大きな開きはなかった。衆院選と市議選で無効票が倍増した理由について市選管は「調査していないので分からない」としている。