バレーボールVリーグ男子のつくばユナイテッドSunGAIA(略称サンガイア、本拠地つくば市)は16日、土浦市大岩田の霞ケ浦文化体育会館で今季のホーム開幕戦を迎え、富士通カワサキレッドスピリッツ(本拠地川崎市)とフルセットの激戦の末に勝利した。これでサンガイアは3勝2敗で東地区2位。17日も午後2時から同会場で富士通と再戦する。
2024-25 Vリーグ男子(東地区)レギュラーシーズン(11月16日、霞ケ浦文化体育会館)
サンガイア 3-2 富士通
15-25
25-19
25-22
21-25
16-14
序盤、先に流れをつかんだのは富士通。サンガイアは相手の振り幅の大きいトスワークに守備の形が作れず、ブロックの上や間を抜かれることが多かった。サーブレシーブでも事前の想定を外され、特に松本喜輝に喫した2連続サービスエースが痛手となり、15-25で第1セットを落とした。
だが第2セットでは守備の位置関係を修正、途中からセッターの茂太隆次郎を于垚辰へ交代して流れをつかみ、25-19でセットを奪取した。「茂太もていねいなトスをしてくれたが、于はブロックでも相手にプレッシャーをかけてくれ、後ろの選手が守りやすくなる」と加藤俊介コーチ。トスワークでは大きくダイナミックな球出しが魅力である一方、小さなタメを作ることで相手の守備を外すこともできる。「相手や自分たちの雰囲気を見ながら、どの戦術を使おうかと考えている」と本人の弁、「ベテランでいろんな引き出しを持っており、ゲームをコントロールしてくれるので頼もしい」と加藤コーチ。
第3セットは序盤から快調に得点を積み重ね、一時は13-2の大差をつけるが、富士通も選手交代を足掛かりに追い上げ、最終的には25-22でサンガイア。第4セットもサンガイアが優勢に試合を進めるも終盤に富士通の5連続ポイントで逆転され、21-25で最終セットへ。第5セットは一進一退でデュースに持ち込まれるが、梅本鈴太郎と川村駿介の連続ブロックで2点を取り、厳しい戦いを勝ちきることができた。
今季のサンガイアは選手数が増え、各ポジションで競争が激化する一方、選手同士がよくコミュニケーションを取り、ベテランと若手の融合が進んでいるという。新卒ながらこの試合でほぼフル出場を果たし、チーム2位の18得点を挙げた長谷川直哉は「入団後初のホームゲームで、いいプレーも悪いプレーもあったが、勝ち切れたのは一つ自信になる。これを明日、明後日とつなげていきたい」と話した。堺ブレイザーズから今季移籍してきた梅本は「昨季までの経験を生かすだけでなく全員と共有し、このチームでもう一度SVを目指す。その中で自分が引っ張るのはもちろん、誰かを押し上げるための土台になることも大事」と考え、加藤コーチは「選手の組み合わせやパターンを増やし、誰が出ても勝てる強いサンガイアを作りたい」と構想している。(池田充雄)