木曜日, 3月 26, 2026
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28人の当選者決まる つくば市議選

つくば市議選の開票が27日行われ、28人の当選者が決まった。内訳は現職が18人、新人が10人、政党別は自民1人、公明3人、共産1人、市民ネット4人。定数を18人上回る46人が立候補していた。当日有権者数は19万7088人。投票率は60.97%だった。

【つくば市議選】(定数28)選管確定

当 8634 塚本 洋二 52 自現⑤
当 7643 川久保皆実 38 無現②
当 5123 市原 琢己 32 無新①
当 4407 飯岡 宏之 62 無現⑦
当 4160 川田 青星 25 市新①
当 3867 山中 真弓 46 共現③
当 3399 小森谷佐弥香 50 市現③
当 3399 神谷 大蔵 51 無現④
当 3314 小久保貴史 51 無現④
当 3214 木村 修寿 70 無現④
当 3190 塩田  尚 74 無現⑨
当 3155 篠内 幸代 46 公新①
当 3108 梅沢 尊信 41 公新①
当 3100 青木 真矢 45 無新①
当 3029 川村 直子 52 市現②
当 3001 田代  優 33 無新①
当 2891 木村 清隆 60 無現④
当 2835 小村 政文 30 無現②
当 2802 渡辺 峰子 55 公新①
当 2802 浅野英公子 63 市現②
当 2766 五頭 泰誠 56 無現④
当 2713 酒井  泉 75 無新①
当 2650 黒田 健祐 43 無現④
当 2434 樋口 裕大 36 無新①
当 2426 中村 重雄 54 無現②
当 2290 榊原アリーゼ 29 無新①
当 2212 高野 文男 61 無現③
当 2194 伊藤 文弥 36 無新①

・ 1922 野崎 裕二 37 無新
・ 1861 橋本けい子 70 共現
・ 1756 佐藤せつ子 71 共新
・ 1548 長塚 俊宏 62 無現
・ 1263 桜井 裕基 41 無新
・ 1146 木村 芳美 61 無新
・ 913 齊藤 新吾 49 無新
・ 817 薮下(鎌田)典子 49 無新
・ 793 砂坂 善成 73 無新
・ 653 田島 由紀 39 無新
・ 408 金岡  誠 38 無新
・ 385 藤木  潤 45 無新
・ 306 加藤  豊 62 無新
・ 248 黒崎  博 42 無新
・ 213 荘司 信之 49 無新
・ 212 広石 恒生 57 無新
・ 204 恩田  肇 61 無新
・ 95 山崎 健介 49 無新
 ※政党名は自=自民 公=公明 共=共産 市=市民ネット、無=無所属

【つくば市議当選者一覧】

届け出順(氏名・敬称略、年齢、職業、政党・政治団体、現職・新人・元職の別・過去の当選回数)

塚本 洋二(つかもと・ようじ)52 飲食店 自現④
【略歴】県立土浦産業技術専門学校自動車整備科卒。御食事処三丁目個人事業。社会福祉法人博愛会理事。信輝インターナショナル顧問。つくば市出身。花畑在住
【公約】①近隣自治体との連携した公共バス整備②身近な公園・緑地の整備と遊具の充実
③体育館などへエアコン設置(避難所対応も含め) 

川久保皆実(かわくぼ・みなみ)38 弁護士 無現①
【略歴】東京大法学部政治学研究科修了。つくば市議会議員。弁護士。シンプルウェイ取締役。つくば市出身。松代在住
【公約】①子育て支援を中心とした政策20件の実現②各政策の進歩状況の徹底的な見える化③子育て目安箱・ごみ拾い交流会を通じた広聴

市原 琢己(いちはら・たくみ)32 医師 無新
【略歴】東京医科大医学部卒。医療法人健佑会理事長。つくば医師会理事。社会福祉法人健誠会理事。つくば市出身。吾妻在住
【公約】①教育日本一のつくば②もっと住みたくなるつくば③医療DX化を推進し、安心な街つくばを目指す

飯岡 宏之(いいおか・ひろゆき)62 建設会社職員 無現⑥
【略歴】日大理工学部卒。飯岡建設。元・アイ・エヌ・エー筑波研究所。元・筑波学園企画 つくば市出身。上野在住
【公約】①周辺部と中心部との格差是正②子育て支援の施策に力を注ぎ好循環なまちづくり③緊急通報システム事業の拡大

川田 青星(かわだ・あおる)25 政治団体運営委員 市民ネット新
【略歴】日本大法学部卒。つくば・市民ネットワーク運営委員。元・県内金融機関勤務。つくば市出身。高見原在住
【公約】①相談体制の拡充をはじめ、子育て支援を強化②周辺地域のまちづくりを活性化
③子ども一人ひとりの多様な学びを実現

山中 真弓(やまなか・まゆみ)46 党役員 共現②
【略歴】東京農工大大学院連合農学研究科修了。政党役員。元・ツムラ社員。栃木県市貝町出身。上ノ室
【公約】①学校給食費ゼロ・県立高校増設②水道料金値上げストップ③高齢者へのタクシー・民間路線バスの運賃補助

小森谷佐弥香(こもりや・さやか)50 薬剤師 市民ネット現②
【略歴】富山医科薬科大薬学部卒。保険薬局薬剤師。元・製薬会社MR(医薬情報担当者)勤務。群馬県前橋市出身。研究学園在住
【公約】①情報公開と市民参加をもう一歩前へ②人間にも環境にも健康的なまち つくばへ③TX沿線に市民が集える居場所を

神谷 大蔵(かみや・だいぞう)51 卸販売業社長 無現③
【略歴】霞ケ浦高校卒。つくば観光コンベンション協会副理事長。筑波山地域ジオパーク推進委員会委員長。つくばフェスティバル実行委員会委員長。筑波物産代表取締役。元・つくば市議会議長。元・つくば青年会議所理事長。つくば市出身。沼田在住
【公約】①災害や危険に強い街づくり②誇れる周辺地域の街づくり③子どもや高齢者が明るく元気に暮らせる街づくり

小久保貴史(こくぼ・たかし)51 農業法人代表 無現③
【略歴】八ケ岳中央農業実践大卒。筑波農場代表取締役。つくば市筑波土地改良区副理事長。つくば市監査委員。元・つくば市議会議長。元・つくば青年会議所理事長。つくば市出身。小田在住
公約】①道の駅や産業集積拠点整備で地域活力の向上へ②子供や高齢者がいきいき暮らせるまちづくり③市中心部と周辺地域の格差是正の取り組み

木村 修寿(きむら・しゅうじ)70 元つくば市役所職員 無現③
【略歴】土浦日大高校卒。つくば市議会議員。つくば市島名地区まちづくり協議会会長。つくば市保護司。つくば市・福田坪区画整理審議会委員。総務文教常任委員長。元・谷田部町役場職員。元・つくば市役所職員。つくば市出身。島名在住
【公約】①香取台・みどりの・研究学園地区へ地域交流センターの整備②高齢者・障害者福祉の充実③圏央道地域への道の駅の整備

塩田 尚(しおた・ひさし)74 行政書士 無現⑧
【略歴】神奈川大法学部卒。つくば市議会議員。行政書士。元・谷田部町議会議員。元・茨城県議会議員。愛媛県四国中央市出身。真瀬在住
【公約】①学童保育の待機児童をゼロにする②全ての学校にフリースクールを設置する③ヤングケアラーの子どもを支援する制度を作る

篠内 幸代(しのうち・さちよ)46 政党役員 公新
【略歴】創価大教育学部卒。公明党副支部長。元・美浦村立大谷小非常勤講師。元・つくば市立谷田部東中学校サポーター。つくば市出身。小野川在住
【公約】①幼児期の発達相談体制・多様な学び・学校教員への支援体制の充実②帯状疱疹ワクチンの公費助成③高齢者のゴミ出し等の生活支援

梅沢 尊信(うめざわ・たかのぶ)41 塗装業会社経営 公新
【略歴】筑波研究学園専門学校卒。梅沢塗装工業代表取締役社長。つくば市商工会青年部副部長。つくば市出身。君島在住
【公約】①「車が無くてもどこにでも行ける」街づくり②生活道路・通学路の整備と道路環境整備③区域指定の拡大

青木 真矢(あおき・しんや)45 農業団体代表 無新 
【略歴】京都芸大情報デザイン学科卒。アオニサイファーム代表。ワニナルプロジェクト。ファストユニオン。EAT and kamiGo実行委員会代表。京都府京田辺市出身。島名在住
【公約】①市民全員が住みやすい環境を整備する②観光を通じて街を盛り上げる③幅広い世代が輝ける街にする

川村 直子(かわむら・なおこ)52 社会福祉士 市民ネット現①
【略歴】日本福祉大社会福祉学部卒。つくば市議会議員。元・日本聖公会名古屋学生青年センター主事。新潟市出身。花園在住
【公約】①LGBTQ等生きづらい人が自分らしく生きられる地域づくり②あらゆる場面でのジェンダー平等推進③気候危機対策の積極的推進

田代  優(たしろ・ゆう)33 飲食店職員 無新
【略歴】聖徳大学附属聖徳高校卒。麺屋こうじ。龍ケ崎市出身。学園の森在住
【公約】①教育環境の充実(給食無償化、病児保育の強化)②安全なまちづくり(通学路整備、親子防災)③優しい地域のつながりづくり

木村 清隆(きむら・きよたか)60 団体理事 無現③
【略歴】日本大法学部卒。つくば市議会議員。公益社団法人国際IC日本協会理事。つくば市立豊里中学校評議員。TISつくばインターナショナルスクール学校評議員。元・日本ファイリング。元・日本労働組合総連合会茨城県連合会副会長。元・ものづくり産業労働組合JAM。つくば市出身。上郷在住
【公約】①中小企業振興基本条例を制定し、地域経済活性化に取り組む②教育予算拡充③2025年問題対応、高齢者と共に次世代を大切に考える

小村 政文(こむら・まさふみ)30 観光業 無現①
【略歴】筑波大生物資源学類卒。勝手につくば大使。北海道網走市出身。花畑在住
【公約】①子育て当事者として、産みやすい・育てやすいまちを推進②議会の情報を分かりやすく見える化③筑波大学の存在を活かし、スポーツでつくばを盛り上げる

渡辺 峰子(わたなべ・みねこ)55 政党役員 公新
【略歴】東京スチュワーデス専門学校卒。公明党つくば支部副支部長。元・味の素勤務。元・つくば市立高崎幼稚園勤務。元・ママMATE社。美浦村市出身。高見原在住
【公約】①ワークライフバランスにおける支援政策を推進②防災減災対策を徹底し、安心安全な地域づくり③車がなくても困らない街づくり

浅野英公子(あさの・えくこ)63 元・高校講師 市民ネット現①
【略歴】東京外国語大卒。元・学習塾。元・高校講師。元・オーガニック検査員。富山市出身。吾妻在住
【公約】①市民意見が尊重されるまちに②こどもがホッとできる場をふやす③特に高齢者の生活支援の情報が確実に届くようにする

五頭 泰誠(ごとう・やすまさ)56 建設業 無現③
【略歴】つくば市議会議員。保護司。五頭産業。元・つくば市産業育成協議会代表理事。元・つくば秀英高校PTA会長。元・土浦三高PTA理事長。栃木県小山市出身。吉瀬在住。
【公約】①スマートICによる周辺道路の整備②河川敷に新たなグランド整備③犬と共存共栄の地域づくり

酒井 泉(さかい・いずみ)75 市民団体代表 無新 
【略歴】東北大工学部卒。桜中部まちづくり協議会副会長。つくばのまちづくりを考える会代表。元・福井大学教授。元・高エネルギー加速器研究機構准教授。つくば市出身。上境在住。
【公約】①「科学と教育と集落の緑」つくば市のブランド化②「情報の共有と対等な議論」民主主義の徹底③「個人の尊厳を守る」福祉社会の実現

黒田 健祐(くろだ・けんすけ)43 元会社員 無現③
【略歴】学習院大文学部哲学科卒。つくば市議会議員。元・ネクシィーズ(派遣元フルキャストグループ)、元・シティバンク(派遣元グッドウィルグループ)、元・アンパス勤務。つくば市出身。東平塚在住
【公約】①定住促進(選ばれるまちづくり)②産業創出(強いまちづくり)を進める③持続可能な発展と財政力を維持し、住民福祉の向上に努める(住み続けたいまちづくり)

樋口 裕大(ひぐち・ゆうだい)36 ファイナンシャルプランナー 無新
【略歴】敬愛大学国際学部卒。Doitプランニング社ファイナンシャルプランナー。千葉市出身。みどりの南在住
【公約】①高校進学の不安を解消します②こどもたちの安心・安全の確保③みんなが主役の居場所作り

中村 重雄(なかむら・しげお)54 米穀店代表 無現①
【略歴】東洋大附属牛久高卒。つくば市議会議員。中村米穀店代表取締役。つくば市商工会理事。つくば市消防団谷田部支団指導員。つくば市出身。谷田部在住
【公約】①消防団の組織強化と地域防災力の強化②農商工の連携をはかり地域経済の好循環③安心安全な教育環境の実現

榊原アリーゼ(さかきばら・ありーぜ)29 政治団体代表 無新
【略歴】水戸南高校卒。政治団体縁粋会代表。元・タクシー運転手。元・運転代行。かすみがうら市出身。中根在住
【公約】①子育て・教育支援の充実②高齢者支援の強化③安全で安心な街づくりと市民還元

高野 文男(たかの・ふみお)61 損害保険代理店代表 無現②
【略歴】県立藤代高卒。損害保険代理店代表。牛久茎崎ライオンズクラブ監査。つくば中央倫理法人会相談役。くきざき夢まつり実行委員長。つくば市出身。上岩崎在住
【公約】①子育て支援と教育環境の整備②防災・災害対応に充実した街づくり③農業環境の充実と新たなる産業の創出

伊藤 文弥(いとう・ふみや)36 農業福祉法人代表 無新
【略歴】筑波大理工学群科学類卒。NPO法人ユウアイフィールドつくば代表理事。保護司。元・NPOつくばアグリチャレンジ副代表理事。愛知県碧南市出身。並木在住
【公約】①障害のある人の就労支援と環境整備②特別支援教育の充実と教育環境の改善③学校給食の地産地消化推進

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国立科学博物館は、つくば市天久保、筑波実験植物園に隣接する筑波研究施設の資料収蔵施設「標本・資料棟」1階に見学スペースを設け、24日から公開を始めた。2023年に新設された地上8階建ての同施設は、12年竣工の自然史標本棟と合わせ、同館が所蔵する標本・資料の9割以上にあたる約520万点を保管する。すでに見学可能な自然史標本棟に続く公開となる。大型化石などを保管する1階の保管の様子をガラス越しに見たり、職員の作業の様子を見学することができ、バックヤードの雰囲気を味わうことができる。 見学スペースからは、生命の成り立ちを研究する生命史研究部が保管する化石や古植物、恐竜化石のレプリカなどの収蔵状況を、ガラス越しに間近に見ることができる。さらに、昨年導入された大型X線CT装置の稼働の様子も公開し、最新の研究と厳重な保存環境の両方を知ることができる。 現在もほんのり木の香りが残る、約9万年前に阿蘇山の火砕流で埋没した直径2.5メートルのスギの木のほか、幅1.7メートルのヒノキ科の樹木メタセコイアの化石、かつて同博物館上野本館で展示されていた恐竜カンブトサウルスの全身骨格復元標本なども並ぶ。 CT装置は、自動車や航空宇宙分野で使われてきた非破壊検査技術を応用したもの。壊せない化石や希少標本の内部構造を、そのままの状態で解析できる。450kVの高出力により、これまで撮影できなかった大型標本や重い元素を多く含む岩石の撮影にも対応できる。また、最大で高さ約1メートル、幅約6メートルの試料に対応し、絶滅哺乳類の頭骨の内部構造解析や、江戸時代の地球儀の内部調査などにも活用されてきた。 未来につなぐ 同研究施設で生命史研究部の研究主幹を務める木村由莉さんは「ここは未来の人に標本を残すための施設。温度や湿度を厳密に管理し、免震構造も備えている」と保存環境の重要性を話す。また、外観に窓が少ない建物について来園者から「一体なんだろう?」と不思議がる声もあったと言い、「ここで何が行われているのか知ってもらい、博物館の裏側にも興味を持ってほしい。『今から(展示会場に)出てくぞ!』という、展示に出る前の化石がどのように保管されているのかも知ってもらえたら」と話すと、「私たちが力を入れるのが試料保存。CT装置で標本を記録し、まさに今、この場所で行われている未来へつなぐ取り組み間近に感じることができる。科学がいかに標本を未来へ残すことを重視しているか。次世代へどう残すかを一緒に考えるきっかけになればうれしい」と語った。(柴田大輔) ◆標本・資料棟1階見学スペースは、筑波実験植物園から入場する。開館時間は午前9時~午後4時30分。入場料は、植物園入場料として大人320円、高校生以下・18歳未満と65歳以上は無料。障害者手帳所持者は当事者と介護者一人まで無料。 ◆24日(火)~4月5日(日)は、同博物館の松原聰名誉研究員らが2月に日本で初めて確認した青い鉱物のラピスラズリが展示される。29日(日)午後1時からと2時から、見学スペースで大型X線CT装置を使った作業の実演と、担当研究員による現場解説が行われる。時間は各20分程度、事前予約不要。

今の幸せと将来の幸せ、どちらを追い求める?《土浦一高哲学部「放課後の哲学」》2

煩悶(はんもん)させる幸福 【コラム・2年 S.Y】今、あなたは草むしりをして泥だらけである。目の前には浴室がある。あなたはシャワーを浴びたくてたまらないけれど、ある人が言う。「今はシャワーしか使えない。2時間待てば、シャワーに加えて湯船に浸かれる」。あなただったら、どちらを選ぶだろうか。 私であれば、真っ先に後者を選ぶだろう。私は、未来に取りつかれている。先のことばかりを考えて行動する。先のことばかり考えるがために、苦しくなることもしばしばある。例えば、夕飯に家族で外食に行くとなれば、私は昼食をほとんど食べない。なぜなら、お腹を空かせて夕食を最大限に楽しみたいからだ。しかしこの作戦にはデメリットがある。それは、午後の空腹に耐えなければならないということだ。夕食まで何もしなくてもいいならまだしも、私の場合午後に予備校に行かなくてはならないことが多いので、空腹に耐えながら小テストと3時間の授業を受けねばならないことになる(さらに悲しいことに私の通う予備校は家から電車で2時間かかる場所にある。この耐久レースは想像を絶する辛さなのだ。こうして私は美味しい食事の代償として空腹と戦う)。 将来の幸せを求めるという傾向は、私だけでなく、今コラムを読んでくださっているあなたにも当てはまることかも知れない。弘前大学の鈴木将晃さんが卒業研究として2017年に実施した、同大の学生75人を対象に実施した質問紙調査によると、「現在は不幸せである」と感じる人には、「将来は今よりも幸せになる」と予想する人の割合が圧倒的に多い一方、「現在は幸せである」と感じる人には、「将来は現在よりも不幸せになる」と予想する人の割合が最も多いという結果が出ている。 将来的に幸福を感じるために、今あえて苦痛に向かうことは、果たして幸せと言えるのか−。 私が本コラムへの参加を決めたのは、私が日々切実に感じてきた葛藤から脱したいという、他ならぬ理由がある。と言っても、そう簡単に解決できる事柄ではないため、今回は、将来の幸せと未来の幸せについて私自身が考えを整理するために、幸せとは何か?という根本的な部分を、時間観とからめつつ述べたい。 キリスト教世界の人々は、死後の世界に幸せを求めた。キリスト教では、世界の終末にキリストが再び現れ、「最後の審判」が行われるとされる。人々はこの最後の審判に向かって、人生をプログラムしていくのである。古代哲学を振り返ってみよう。プラトンによる「洞窟の比喩(allegory of the cave)」をご存知だろうか。彼の著書「国家」第7章で用いられる有名な例えである。人々は出生時から、洞窟の中で入り口に背を向け、縛られた状態で閉じ込められており、彼らは目の前の壁だけしか見ることが出来ない。実際は彼らの背後には火が灯されており、皆その火によって目前の壁に映し出される人の影を実在だと思い込むのである。ある日、1人の囚人の拘束が解かれ、その囚人は今まで自分が見てきたものが影に過ぎなかったことに気付く。そして洞窟の外、太陽の光の下に連れ出されてやっと、真の実在を目にし、その存在を確信するに至る−。 永遠不変の本質に即した世界である「イデア界」なるものが存在し、私達が普段目にしている世界のあらゆるものは、映し出されたイデアの像の集合に過ぎない。簡単ではあるが、これがプラトンのイデア論の概略である。イデア論の下では、人々が死後に行くのはイデア界であり、その像の世界である現世よりも、死後の世界の方が高い価値を有すると評価されていた。このような、ユダヤ教のプラトン的解釈が、キリスト教の原型となっている。キリスト教的世界観に立ってみると、幸せが神やイデアのように絶対的な概念として捉えられていること、そしてそれは内面の充実と同値関係にある(等しい)ことがわかる。 しかし、この神を中心とする価値観は、ニーチェによって決定的に破られることとなる。「神は死んだ」という言葉に表されるように、ニーチェは、神を絶対的な価値基準に置くことを否定し、自ら価値観の創造に努めることの重要性を説いた。実存主義で有名なサルトルは、人間は自らを作り上げる自由を持つと考えた。つまり、幸せの定義は、絶対的な「神」ではなく、相対的な「個人」に委ねられたことになる。そして人々は、死後の「最後の審判」ではなく、(肉体的に)生きている間の、自らが設定した目標に向けて、人生を設計するようになったのである(*脚注1)。 では、ここでいう「目標」とは何だろうか。目標とは、個人が幸せを得られる何かであるはずだ。私は、幸せは二つのベクトルで測られると思う。 一つ目の区分は、動物的なヒトとしての幸せと、社会の中の「個人」としての幸せである。前者は、寝食など生理的な欲求を満たすことである。一方後者は、成立に必ず他者が必要な幸せのことで、例えば家族からの愛や社会的な承認(「記号」の消費(*脚注2)とも言えるかもしれない)などである。 二つ目の区分は、絶対的な幸せと、相対的な幸せである。ここでは、前者をキリスト教的幸せ、後者を仏教的幸せと呼びたい。キリスト教的幸せは、神という絶対的存在の元で成り立つ、幸せのイデアだ。一方、仏教的幸せは、神を絶対的存在として想定せず、輪廻や煩悩から解脱を求める。つまり苦しさから逃れることで得られる差異による相対的な快適さである。私がコラム冒頭で示した例を思い出していただきたい。おいしい食事は、いつ食べてもおいしい。これは認めるにある程度妥当である。それにも関わらず、私が夕食まで必死に空腹と対峙するのはなぜか。それは、あえて空腹という苦痛を感じた状態を経ることで、相対的な幸福を最大値まで持ってゆきたいためなのだ。つまり、この場合に私が求めているのは、まさに「仏教的幸せ」と言えるであろう。 では、これら二つのベクトルで測られる幸せを得ることが「目標」なのだとしたら、それにどう向かっていくのか、という議論は避けられない。私は、この点において、コロナ以前と以後で、アプローチが変わったのではないかと考える。そしてこのことは私達の世代にとっても非常に切実なのである。新型コロナウイルス感染症が世界に影を落とし始めた時、私は小学5年生であった。その時突然、対面で授業を受けられなくなり、旧友との交流も絶たれ、学校行事も中止か変更を余儀なくされた。当たり前だと思っていたことが、この時を境にがらりと変わってしまったのだった。だからこそ、私達若者世代は将来が、不安で不安でたまらないのだと思う。 当たり前はいつなくなるかわからないという現実を突きつけられた私たちは、長期的な目標を持つことが難しくなっていると感じる。今までは、人生の終わりを最終到達地点として長期的目標に向けて人生設計を行うことができた。それに対し、今を生きる人々は、未来に取りつかれているが故に、短期的な目標を一つずつ達成していき、階段状により高度の幸せを求めるようになったのではないか。短期的な目標を達成する方が、自分が期待していた未来を得ることは容易になるからだ。一方で、一つの目標を達成すれば、次に設定する目標と一つ下の目標との高さの差は、指数関数的に広がっていくように感じる(図1)。(まるでガウス記号のグラフのよう…)私は今まさに、そんな状態だ。不透明な将来の中で、確約される幸せを求めて一歩一歩、階段を踏みしめながら進んでいる。それでもしばしば踏み外したり、段を飛ばしてしまったりする。上に行くほど次の段を登ることが難しいために、圧倒されたり、無気力になったりする。それでも、私は私なりの幸せを見つけ、もがきながら進んで行くのだろうし、それが、今まさに将来の岐路に立っている私達高校生の特権だとも、私は思う。 *脚注1 ニーチェの永劫回帰(*1-2)とは異なる進化論的な終末観が形成されたと言っても良いだろう。ここで言う進化論的な終末観とは、いわゆる「神の死」以降、キリスト教的世界観に自然科学的な解釈が加わり変形してできた世界観である。ニーチェが否定したのは、このような終末観を含めたキリスト教的世界観全体である。ただし、神の死以降の幸福観も様々であったことを追記しておく。 1-2 ドイツの哲学者であるニーチェの思想。ものごとが全く違わずに永遠に繰り返されること。始まりも終わりもなく変わらぬ人生が永遠に繰り返されれば、生の目的も意義も失われてしまうように思われるが、それでも永劫回帰を受け入れ肯定することが、「力への意志(平たく言えば向上心)」であるとニーチェは説いた。 2 記号とは、ある社会集団が制度的に取り決めた「しるしと意味の組み合わせ」のこと (内田樹「寝ながら学べる構造主義」より) 。ソシュールが定義したもので、その後もバルトなどの哲学者の思想に影響を与えた。ここで「記号の消費」が意味しているのは、例えばブランド品の購入など、社会的なステータスを提示するためだけの行為のこと。

2億円超の復旧費用めぐり 運営管理事業者がつくば市を提訴 ごみ焼却施設

市は反訴へ つくば市のごみ焼却施設、つくばサステナスクエア(同市水守)で2022年12月、高圧線から電気を受け取り低圧に変換する受電設備が故障し、施設に電気が供給できなくなった事故をめぐって、当時、市から施設全体の包括的運営管理業務を受託していた事業者が昨年末、同市を相手取って、受電設備の復旧費用約2億2300万円の支払いを求める訴えを東京地裁に起こしていたことが分かった。 これに対し市は反訴する方針で、25日開かれる同市議会で議決されれば、事業者を相手取って損害賠償請求を起こす。 つくば市を訴えたのは、NKKS・NSES・KSE特定業務共同企業体(代表・日本管財環境サービス、東京都港区)。当時、市のごみ焼却施設、リサイクルセンターなどの運転管理、補修、一部機器の更新工事を含めた維持管理業務を請け負っていた。当時2020年度から24年度まで5年間の委託料は約50億円弱。 事故は2022年12月12日に発生した(22年12月23日付)。受電設備が故障し、12日から約1週間、ごみ焼却炉が停止し、市内から収集された可燃ごみは、一時的にごみをためる「ごみピット」にためられた。 12月18日に仮設の発電機を設置し、19日からごみ焼却炉の運転を一部再開。翌23年1月12日に復旧した。 ごみの量が増える年末年始に重なったこともあって、この間、市は可燃ごみの一部の処理を外部に委託した。焼却炉の停止により蒸気の供給を停止したことから、隣接のスポーツ施設「つくばウエルネスパーク」の温水プールと温浴施設の営業も一時停止。さらにごみを燃やして発電できなくなったため市の公共施設への電気の供給や売電もストップした。 復旧後の2023年8月、復旧にあたった事業者から市に対し、復旧費用の支払い請求があった。双方で話し合いが行われたが折り合いがつかず、24年7月からは双方とも弁護士を付けて示談交渉が行われが折り合わず、昨年12月26日、事業者側が市を提訴するに至った。 受電設備が故障した原因をめぐって、市が事業者と締結した包括的運営管理委託業務の範囲内に復旧工事が含まれるか否かで見解が分かれているとみられる。 故障の原因について市サステナスクエア管理課は「今後の裁判に影響する恐れがあるので(言及を)控えたい」としている。 市が提起する反訴については、ごみ焼却炉が停止したことにより市が負担した▽可燃ごみ処理の外部委託費約740万円▽ウエルネスパークのプールと温浴施設が休業したことに伴う指定管理者への運営補償金約250万円など計約1090万円を事業者に損害賠償請求する方針だ。(鈴木宏子)