月曜日, 3月 23, 2026
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28人の当選者決まる つくば市議選

つくば市議選の開票が27日行われ、28人の当選者が決まった。内訳は現職が18人、新人が10人、政党別は自民1人、公明3人、共産1人、市民ネット4人。定数を18人上回る46人が立候補していた。当日有権者数は19万7088人。投票率は60.97%だった。

【つくば市議選】(定数28)選管確定

当 8634 塚本 洋二 52 自現⑤
当 7643 川久保皆実 38 無現②
当 5123 市原 琢己 32 無新①
当 4407 飯岡 宏之 62 無現⑦
当 4160 川田 青星 25 市新①
当 3867 山中 真弓 46 共現③
当 3399 小森谷佐弥香 50 市現③
当 3399 神谷 大蔵 51 無現④
当 3314 小久保貴史 51 無現④
当 3214 木村 修寿 70 無現④
当 3190 塩田  尚 74 無現⑨
当 3155 篠内 幸代 46 公新①
当 3108 梅沢 尊信 41 公新①
当 3100 青木 真矢 45 無新①
当 3029 川村 直子 52 市現②
当 3001 田代  優 33 無新①
当 2891 木村 清隆 60 無現④
当 2835 小村 政文 30 無現②
当 2802 渡辺 峰子 55 公新①
当 2802 浅野英公子 63 市現②
当 2766 五頭 泰誠 56 無現④
当 2713 酒井  泉 75 無新①
当 2650 黒田 健祐 43 無現④
当 2434 樋口 裕大 36 無新①
当 2426 中村 重雄 54 無現②
当 2290 榊原アリーゼ 29 無新①
当 2212 高野 文男 61 無現③
当 2194 伊藤 文弥 36 無新①

・ 1922 野崎 裕二 37 無新
・ 1861 橋本けい子 70 共現
・ 1756 佐藤せつ子 71 共新
・ 1548 長塚 俊宏 62 無現
・ 1263 桜井 裕基 41 無新
・ 1146 木村 芳美 61 無新
・ 913 齊藤 新吾 49 無新
・ 817 薮下(鎌田)典子 49 無新
・ 793 砂坂 善成 73 無新
・ 653 田島 由紀 39 無新
・ 408 金岡  誠 38 無新
・ 385 藤木  潤 45 無新
・ 306 加藤  豊 62 無新
・ 248 黒崎  博 42 無新
・ 213 荘司 信之 49 無新
・ 212 広石 恒生 57 無新
・ 204 恩田  肇 61 無新
・ 95 山崎 健介 49 無新
 ※政党名は自=自民 公=公明 共=共産 市=市民ネット、無=無所属

【つくば市議当選者一覧】

届け出順(氏名・敬称略、年齢、職業、政党・政治団体、現職・新人・元職の別・過去の当選回数)

塚本 洋二(つかもと・ようじ)52 飲食店 自現④
【略歴】県立土浦産業技術専門学校自動車整備科卒。御食事処三丁目個人事業。社会福祉法人博愛会理事。信輝インターナショナル顧問。つくば市出身。花畑在住
【公約】①近隣自治体との連携した公共バス整備②身近な公園・緑地の整備と遊具の充実
③体育館などへエアコン設置(避難所対応も含め) 

川久保皆実(かわくぼ・みなみ)38 弁護士 無現①
【略歴】東京大法学部政治学研究科修了。つくば市議会議員。弁護士。シンプルウェイ取締役。つくば市出身。松代在住
【公約】①子育て支援を中心とした政策20件の実現②各政策の進歩状況の徹底的な見える化③子育て目安箱・ごみ拾い交流会を通じた広聴

市原 琢己(いちはら・たくみ)32 医師 無新
【略歴】東京医科大医学部卒。医療法人健佑会理事長。つくば医師会理事。社会福祉法人健誠会理事。つくば市出身。吾妻在住
【公約】①教育日本一のつくば②もっと住みたくなるつくば③医療DX化を推進し、安心な街つくばを目指す

飯岡 宏之(いいおか・ひろゆき)62 建設会社職員 無現⑥
【略歴】日大理工学部卒。飯岡建設。元・アイ・エヌ・エー筑波研究所。元・筑波学園企画 つくば市出身。上野在住
【公約】①周辺部と中心部との格差是正②子育て支援の施策に力を注ぎ好循環なまちづくり③緊急通報システム事業の拡大

川田 青星(かわだ・あおる)25 政治団体運営委員 市民ネット新
【略歴】日本大法学部卒。つくば・市民ネットワーク運営委員。元・県内金融機関勤務。つくば市出身。高見原在住
【公約】①相談体制の拡充をはじめ、子育て支援を強化②周辺地域のまちづくりを活性化
③子ども一人ひとりの多様な学びを実現

山中 真弓(やまなか・まゆみ)46 党役員 共現②
【略歴】東京農工大大学院連合農学研究科修了。政党役員。元・ツムラ社員。栃木県市貝町出身。上ノ室
【公約】①学校給食費ゼロ・県立高校増設②水道料金値上げストップ③高齢者へのタクシー・民間路線バスの運賃補助

小森谷佐弥香(こもりや・さやか)50 薬剤師 市民ネット現②
【略歴】富山医科薬科大薬学部卒。保険薬局薬剤師。元・製薬会社MR(医薬情報担当者)勤務。群馬県前橋市出身。研究学園在住
【公約】①情報公開と市民参加をもう一歩前へ②人間にも環境にも健康的なまち つくばへ③TX沿線に市民が集える居場所を

神谷 大蔵(かみや・だいぞう)51 卸販売業社長 無現③
【略歴】霞ケ浦高校卒。つくば観光コンベンション協会副理事長。筑波山地域ジオパーク推進委員会委員長。つくばフェスティバル実行委員会委員長。筑波物産代表取締役。元・つくば市議会議長。元・つくば青年会議所理事長。つくば市出身。沼田在住
【公約】①災害や危険に強い街づくり②誇れる周辺地域の街づくり③子どもや高齢者が明るく元気に暮らせる街づくり

小久保貴史(こくぼ・たかし)51 農業法人代表 無現③
【略歴】八ケ岳中央農業実践大卒。筑波農場代表取締役。つくば市筑波土地改良区副理事長。つくば市監査委員。元・つくば市議会議長。元・つくば青年会議所理事長。つくば市出身。小田在住
公約】①道の駅や産業集積拠点整備で地域活力の向上へ②子供や高齢者がいきいき暮らせるまちづくり③市中心部と周辺地域の格差是正の取り組み

木村 修寿(きむら・しゅうじ)70 元つくば市役所職員 無現③
【略歴】土浦日大高校卒。つくば市議会議員。つくば市島名地区まちづくり協議会会長。つくば市保護司。つくば市・福田坪区画整理審議会委員。総務文教常任委員長。元・谷田部町役場職員。元・つくば市役所職員。つくば市出身。島名在住
【公約】①香取台・みどりの・研究学園地区へ地域交流センターの整備②高齢者・障害者福祉の充実③圏央道地域への道の駅の整備

塩田 尚(しおた・ひさし)74 行政書士 無現⑧
【略歴】神奈川大法学部卒。つくば市議会議員。行政書士。元・谷田部町議会議員。元・茨城県議会議員。愛媛県四国中央市出身。真瀬在住
【公約】①学童保育の待機児童をゼロにする②全ての学校にフリースクールを設置する③ヤングケアラーの子どもを支援する制度を作る

篠内 幸代(しのうち・さちよ)46 政党役員 公新
【略歴】創価大教育学部卒。公明党副支部長。元・美浦村立大谷小非常勤講師。元・つくば市立谷田部東中学校サポーター。つくば市出身。小野川在住
【公約】①幼児期の発達相談体制・多様な学び・学校教員への支援体制の充実②帯状疱疹ワクチンの公費助成③高齢者のゴミ出し等の生活支援

梅沢 尊信(うめざわ・たかのぶ)41 塗装業会社経営 公新
【略歴】筑波研究学園専門学校卒。梅沢塗装工業代表取締役社長。つくば市商工会青年部副部長。つくば市出身。君島在住
【公約】①「車が無くてもどこにでも行ける」街づくり②生活道路・通学路の整備と道路環境整備③区域指定の拡大

青木 真矢(あおき・しんや)45 農業団体代表 無新 
【略歴】京都芸大情報デザイン学科卒。アオニサイファーム代表。ワニナルプロジェクト。ファストユニオン。EAT and kamiGo実行委員会代表。京都府京田辺市出身。島名在住
【公約】①市民全員が住みやすい環境を整備する②観光を通じて街を盛り上げる③幅広い世代が輝ける街にする

川村 直子(かわむら・なおこ)52 社会福祉士 市民ネット現①
【略歴】日本福祉大社会福祉学部卒。つくば市議会議員。元・日本聖公会名古屋学生青年センター主事。新潟市出身。花園在住
【公約】①LGBTQ等生きづらい人が自分らしく生きられる地域づくり②あらゆる場面でのジェンダー平等推進③気候危機対策の積極的推進

田代  優(たしろ・ゆう)33 飲食店職員 無新
【略歴】聖徳大学附属聖徳高校卒。麺屋こうじ。龍ケ崎市出身。学園の森在住
【公約】①教育環境の充実(給食無償化、病児保育の強化)②安全なまちづくり(通学路整備、親子防災)③優しい地域のつながりづくり

木村 清隆(きむら・きよたか)60 団体理事 無現③
【略歴】日本大法学部卒。つくば市議会議員。公益社団法人国際IC日本協会理事。つくば市立豊里中学校評議員。TISつくばインターナショナルスクール学校評議員。元・日本ファイリング。元・日本労働組合総連合会茨城県連合会副会長。元・ものづくり産業労働組合JAM。つくば市出身。上郷在住
【公約】①中小企業振興基本条例を制定し、地域経済活性化に取り組む②教育予算拡充③2025年問題対応、高齢者と共に次世代を大切に考える

小村 政文(こむら・まさふみ)30 観光業 無現①
【略歴】筑波大生物資源学類卒。勝手につくば大使。北海道網走市出身。花畑在住
【公約】①子育て当事者として、産みやすい・育てやすいまちを推進②議会の情報を分かりやすく見える化③筑波大学の存在を活かし、スポーツでつくばを盛り上げる

渡辺 峰子(わたなべ・みねこ)55 政党役員 公新
【略歴】東京スチュワーデス専門学校卒。公明党つくば支部副支部長。元・味の素勤務。元・つくば市立高崎幼稚園勤務。元・ママMATE社。美浦村市出身。高見原在住
【公約】①ワークライフバランスにおける支援政策を推進②防災減災対策を徹底し、安心安全な地域づくり③車がなくても困らない街づくり

浅野英公子(あさの・えくこ)63 元・高校講師 市民ネット現①
【略歴】東京外国語大卒。元・学習塾。元・高校講師。元・オーガニック検査員。富山市出身。吾妻在住
【公約】①市民意見が尊重されるまちに②こどもがホッとできる場をふやす③特に高齢者の生活支援の情報が確実に届くようにする

五頭 泰誠(ごとう・やすまさ)56 建設業 無現③
【略歴】つくば市議会議員。保護司。五頭産業。元・つくば市産業育成協議会代表理事。元・つくば秀英高校PTA会長。元・土浦三高PTA理事長。栃木県小山市出身。吉瀬在住。
【公約】①スマートICによる周辺道路の整備②河川敷に新たなグランド整備③犬と共存共栄の地域づくり

酒井 泉(さかい・いずみ)75 市民団体代表 無新 
【略歴】東北大工学部卒。桜中部まちづくり協議会副会長。つくばのまちづくりを考える会代表。元・福井大学教授。元・高エネルギー加速器研究機構准教授。つくば市出身。上境在住。
【公約】①「科学と教育と集落の緑」つくば市のブランド化②「情報の共有と対等な議論」民主主義の徹底③「個人の尊厳を守る」福祉社会の実現

黒田 健祐(くろだ・けんすけ)43 元会社員 無現③
【略歴】学習院大文学部哲学科卒。つくば市議会議員。元・ネクシィーズ(派遣元フルキャストグループ)、元・シティバンク(派遣元グッドウィルグループ)、元・アンパス勤務。つくば市出身。東平塚在住
【公約】①定住促進(選ばれるまちづくり)②産業創出(強いまちづくり)を進める③持続可能な発展と財政力を維持し、住民福祉の向上に努める(住み続けたいまちづくり)

樋口 裕大(ひぐち・ゆうだい)36 ファイナンシャルプランナー 無新
【略歴】敬愛大学国際学部卒。Doitプランニング社ファイナンシャルプランナー。千葉市出身。みどりの南在住
【公約】①高校進学の不安を解消します②こどもたちの安心・安全の確保③みんなが主役の居場所作り

中村 重雄(なかむら・しげお)54 米穀店代表 無現①
【略歴】東洋大附属牛久高卒。つくば市議会議員。中村米穀店代表取締役。つくば市商工会理事。つくば市消防団谷田部支団指導員。つくば市出身。谷田部在住
【公約】①消防団の組織強化と地域防災力の強化②農商工の連携をはかり地域経済の好循環③安心安全な教育環境の実現

榊原アリーゼ(さかきばら・ありーぜ)29 政治団体代表 無新
【略歴】水戸南高校卒。政治団体縁粋会代表。元・タクシー運転手。元・運転代行。かすみがうら市出身。中根在住
【公約】①子育て・教育支援の充実②高齢者支援の強化③安全で安心な街づくりと市民還元

高野 文男(たかの・ふみお)61 損害保険代理店代表 無現②
【略歴】県立藤代高卒。損害保険代理店代表。牛久茎崎ライオンズクラブ監査。つくば中央倫理法人会相談役。くきざき夢まつり実行委員長。つくば市出身。上岩崎在住
【公約】①子育て支援と教育環境の整備②防災・災害対応に充実した街づくり③農業環境の充実と新たなる産業の創出

伊藤 文弥(いとう・ふみや)36 農業福祉法人代表 無新
【略歴】筑波大理工学群科学類卒。NPO法人ユウアイフィールドつくば代表理事。保護司。元・NPOつくばアグリチャレンジ副代表理事。愛知県碧南市出身。並木在住
【公約】①障害のある人の就労支援と環境整備②特別支援教育の充実と教育環境の改善③学校給食の地産地消化推進

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阿見町、2027年の市制移行ならず《文京町便り》50

【コラム・原田博夫】2027年11月に市制移行を予定していた阿見町は、3月11日、市への移行を見送ると発表した。昨年10月の第22回国勢調査(簡易)の結果、総人口が4万9689人(速報値)となり、市制移行要件の5万人を下回ったためである。 阿見町は、2023年11月の常住人口(直近=この場合は20年=の国勢調査人口を基準に、毎月の住民基本台帳の増減により集計)が5万人を超えたことで、25年10月の第22回国勢調査で5万人達成は可能と見て、市制施行への準備を進めてきた。25年10月1日現在の常住人口も5万637人だった。 しかし、2026年2月27日、第22回国勢調査の結果(速報値)が通知され、要件を下回ったことが判明した。阿見町としては、市制移行を前提に、26年度当初予算に関連費約1590万円を計上していたが、これを減額修正することになった。国勢調査の結果によるとはいえ、関係者の落胆ぶりがうかがえる。 国勢調査の歴史と特徴 そもそも国勢調査(センサス)は、公的統計の中でも基幹統計と位置付けられ、統計法第61条で、回答拒否や虚偽報告に対しては罰金50万円以下の罰則が規定されている。 歴史的には、1902(明治35)年に制定された「国勢調査ニ関スル法律」にさかのぼるも、当初予定された調査(1905=明治38=年)は日露戦争で、さらに第1次世界大戦(1914~18年)などで実施が延期され、第1回調査は1920(大正9)年まで実施がずれ込んだ。 現状では、①住民を対象に調査が実際に行われ、住民基本台帳など他資料を集計した業務統計は含めない②ある地域に住む人全員を対象にする③調査票を用いて対象の住民が自ら回答する④調査時点(10月1日)を定め、規則的に(西暦が0年では大規模調査、5年では簡易調査)に実施される―などの特徴がある。 社会構造が変化⇒調査手法を刷新? 国勢調査の回収率は、国民性のためか、かつては非常に高かった。しかし、近年は低下していて、特に大都市部では顕著である。 期間内に調査票の回収が困難な場合は、近隣住民からの情報を基に自治体が住民票のデータで補う「聞き取り調査」を行うが、この調査の世帯割合は、2000年調査では全国4.4%(うち東京都5.9%)、05年4.4%、15年13.1%、20年16.3%に急増している。その背景には、大都市部を中心にした高層・大型マンションのオートロックシステムや不在世帯の増加、地方圏では空き家の増加など、社会構造の変化が関連している。 かつては有効だった全数調査も、DX化や社会関係の希薄化が顕著な現代では、その限界が顕在化している。新たな調査手法が求められているのかもしれない。(専修大学名誉教授)

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絶滅危惧種など150種 琉球列島由来の希少な植物を知ることができる企画展「琉球の植物−南国を育む植物たち」が20日から、国立科学博物館 筑波実験植物園(つくば市天久保、遊川知久園長)で始まった。展示されているのは、同植物園が保有する琉球列島の植物約400種類の中から、自然界では日本に1株しか残っていなかったり、自生地ではすでに絶滅してしまった希少種など、絶滅危惧種に指定されている約110種を含む150種あまり。 琉球の植物の展示は2019年以来7年ぶりとなり、豊かな自然が育んだ「琉球文化」の紹介にも力を入れる。展示を担当した同植物園研究員の國府方吾郎さん(57)は「琉球列島の豊かな自然とともに、たくさんの植物を有効活用してきた地元の人たちの暮らしを知る機会になれば」と来場を呼び掛ける。会期は29日まで。 展示会場は、多目的温室と研修展示場の2カ所。温室では、海岸、海岸林、山地林、低地林、渓流沿いなど琉球列島にある五つの自然環境の自生種を展示する。葉の裏側に赤い小さな花をつけるハナコミカンボクは沖縄本島の1カ所にしか自生していない。ナガミカズラは西表島で1株の自生が確認されている。小指の先ほどの白い花をつけるオリヅルスミレは自然界では絶滅してしまった。新種のアマミマツバボタンは國府方さんが2013年に発見した。 國府方さんは、「(奄美諸島、沖縄諸島などからなる)琉球列島は種の多様性が高く、単位面積あたりの植物種の数は日本本土より45倍多い」とし、背景には三つの理由があるとする。一つ目は、本土に当てはめると青森から高知までに相当する広い緯度差と多様な自然環境だ。「北琉球」とされる屋久島、種子島は本土と同じ温帯で、それ以南は亜熱帯に属する。その中にも乾燥地、湿地、標高の高低などの違いがある。 二つ目は、島ごとの交流が限られることで生まれた独自の進化だ。かつて大陸と地続きだった時代から、島々が分離した時期によっても種の違いが生まれた。大東島に限っては一度も他の土地との接続がない。 三つ目は、沖縄の言葉で、混ざり合うことを意味する「チャンプルー」だという。遺伝的にオーストラリアにある植物と近い種は、北へ向かう渡り鳥が種を運び分布するようになったと考えられている。その他、動物や人の移動、海流などにより、日本本土や東南アジア、台湾、ユーラシア大陸など世界各地とのつながりが確認されている。國府方さんは「その様子は、アメリカや日本、中国と関わり合ってきた沖縄文化のよう」だと話す。 文化を自然科学的に研究する必要ある 自身も沖縄出身だという國府方さんが今回力を入れたのが、研修展示場で紹介する琉球列島の植物と共に営まれてきた「人々の暮らし」だ。 地域に自生するキク科の野草 ホソバワダンは白和えなどにして食べられている。商品として流通するのは葉の大きい栽培品種だ。自生種との遺伝的な違いを國府方さんが調べると、意外なことが分かった。流通する品種と遺伝的に近い種が、海を超えた奄美や屋久島、平戸、対馬にあったのだ。 「近い種が沖縄の自生種ではなかった。元になるのは一つの株だということも分かった。昔、おいしいホソバワダンと出合った誰かが株をひとつ持ち帰った。近所の人にも食べさせたいと思い、株を分け合った。そんな様子目に浮かぶ」と笑顔を浮かべる。 このほか、「どこの学校にもあった」という大きく枝を広げるガジュマルの木と、そこに宿るとされる精霊のキジムナーの物語、葉を編んで草履にしたアダン、扇や笠にしたビロウ、赤い実が飢饉を救い、味噌にも用いられてきたソテツなど、琉球列島の人々の暮らしを支え、文化をもたらしてきた身近な植物も丁寧に紹介している。 「文化というのは自然から生まれたもの。私たち研究者も、文化を自然科学的に研究する必要があると思っている」とし、文化を自然科学的に研究しようというプロジェクトも進行中だと話す。「琉球の植物に関するクイズもあり、特製のポストカードのプレゼントもある。お子さんにも楽しんでもらえたら」と話す。(柴田大輔) ◆企画展「琉球の植物ー南国を育む植物たち」は20日(金・祝)~29日(日)の10日間、つくば市天久保4-1-1 国立科学博物館 筑波実験植物園で開催。開園時間は午前9時~午後4時30分(入園は4時まで)。入園料は一般320円、高校生以下と65歳以上は無料。詳しくは同植物園のホームページ、問い合わせは電話029-851-5159(代表)へ。

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