27日に投開票を迎えるつくば市長選・市議選への関心を広げようと、市民6人が市民グループ「つくばの未来をみんなでつくろう」を結成し、今月12日から毎週末につくば駅前で投票を呼び掛けている。併せて市長・市議選候補者アンケートを実施した。グループは、市内の大学関係者や自営業者、学生、性的マイノリティ当事者など、日頃から社会問題に関心を持ち活動する市民らだ。発起人の1人で同市天久保でブックカフェ「本と喫茶サッフォー」を営む山田亜紀子さん(50)は「自分たちの暮らしと直接つながるのが市政。地元の選挙を盛り上げ、投票率を上げたい」と思いを語る。
カラフルな電飾で彩られ「選挙に行こう」と書かれたメッセージボードや、手製のパネルを手にグループのメンバーらが「27日は選挙です。投票に行きましょう」と通行人に呼び掛ける。幼少期からつくばで育った山田さんは20数年間、都内に通勤してきた。退職して昨年、地元にブックカフェを開業した(23年9月18日付)。「市民の声を届けるのが市政。地元で仕事を始め、暮らしを送る中で、地元での活動がより大事だとより思うようになった」と話す。
候補者の公約を見ると(20日付)抽象的な言葉が多いと山田さんは感じる。「ふわっとしている言葉が多い。どんな意味なのか、一体何をするのかよくわからなかった」と話す。前回2020年の市長・市議選の投票率は51.6%。より自分の暮らしに近い市政への関心は決して高くはない。「(22年に市区部で)人口増加率が日本一になったつくばには、新しい住民がすごく増えている。都心に通勤する人も多く、つくばにいる時間が少なければ市政にまで関心が向かないかもしれない」と想像する。一方で、「自分が住んでいる場所の市長や市議会議員が、私たちの暮らしをどのように守ってくれるのか知ることは大切」だと話す。
立場異なるメンバ―で30項目出し合う
告示を前に立候補者を対象に実施したアンケートは、年齢や立場の異なるメンバーで意見を出し合い決めた。水道料金引き上げや議員報酬アップ、県立高校新設、上郷運動公園跡地利用などつくば市が抱える課題から、教育や福祉、ジェンダーといった暮らしに結びつく問題、安全保障などの国政につながる問題への意見など、幅広く30項目を設けた。今回立候補する48人の市長・市議選候補者のうち、事前に知ることができた39人に質問を投げ掛け、12人から回答を得た。
アンケートについて山田さんは「人権や暮らしの視点で質問した。市民が困っていること、市政として取り組んでもらいたいことがこれだけあると可視化させ、市民がチェックしてると候補者に知らせたかった」と言い、同時に市民には「声を届けることが必要。投票はその機会。自分の暮らしと政治はつながっている。より多くの人の選挙への関心につなげたい」と思いを語る。(柴田大輔)