【コラム・若田部哲】1929年創業、稲敷市の老舗和菓子店「青木菓子店」。看板商品である、農林水産大臣賞受賞の「江戸崎まんじゅう」をはじめとする様々なお菓子が、稲敷市の代表的銘菓として広く親しまれています。今回は、現在の当主である3代目の青木利浩さんにお話を伺いました。
江戸崎まんじゅうは、一見するとお土産ものでおなじみの茶色い温泉まんじゅう。ですが、一口食べれば違いにビックリ。しっとりしつつ、ふうわり柔らかな皮と、こし餡(あん)のバランスが絶妙です。一度に大量に購入していくお客さんが多いのも、さもありなんというもの。
そのおいしさの秘密を伺うと「一般的なおまんじゅうの3~4倍、手間と時間をかけて丁寧に製造しているところです」と青木さん。味はもちろんのこと、蒸籠により強く蒸し上げる昔ながらの製法でないと作れない、しっとりとした食感も重要なポイントだそうです。
夏は1日1500個、寒い時期には2000個以上も売れるというこのおまんじゅう。それだけの手間がかかるものを作り続けるのはさぞ大変なことと思いますが、青木さんは「自分が食べておいしいと思うまんじゅうになるように」と、日々さらなる技術の向上を心がけているとのこと。
どら焼き、黒どら、青栁も
他にも様々な定番商品と季節商品があり、江戸崎まんじゅうに次いで「どら焼き」「黒どら」「青柳」の順に人気とのことですが、私のイチオシはどら焼き! おいしいパンケーキのような皮と、餡のコラボレーションは、ワンダフルなおいしさです。草餅や水無月(みなづき)といった季節ごとのお菓子もおいしいので、ぜひ折々にお求めになり、コンプリートしてみてください。
ご家庭で甘味を心ゆくまで楽しむも良し、贈答にも良しと、使い勝手バツグンな稲敷市の名店。茨城県南の味として、ぜひお楽しみください。(土浦市職員)
<注> 本コラムは「周長」日本一の湖、霞ケ浦と筑波山周辺の様々な魅力を伝えるものです。
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