木曜日, 12月 12, 2024
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川エビ捕り、漁協が料理教室【桜川と共に】12

季節ごとシリーズ化目指す

つくば市内を流れる桜川で捕れた川エビを使った料理体験会が17日、つくば市栗原の栗原交流センター調理室で開かれた。桜川漁業協同組合(鈴木清次組合長)が主催した。桜川への関心を広げたいと、在来魚を用いた「親子料理教室」に向けたもので、来年度以降は川エビをはじめ、フナやコイ、ハゼ類のゴロなど、季節ごとに桜川で捕れる魚介類を材料にしてシリーズ化を目指す。この日は同漁協の鈴木清次組合長(82)が講師を務めた。

地域住民にとってかつて貴重なタンパク源だったが、漁獲量が減り今では作る家庭も少なくなった。出来上がった川エビのつくだ煮を口にすると参加者からは、「美味しい、絶品」「楽しくて普段の仕事を忘れられる」などの歓声が上がった。参加者は地元の女性5人。鈴木組合長が会長を務めるつくば市水質浄化対策推進協議会のメンバーで、日ごろ河川敷でごみ拾いや花壇の整備などに取り組んでいる。

この日のために用意したのは、鈴木組合長が桜川で採った1.5キロほどの大ぶりの川エビ。これから11月にかけて旬を迎えるという。鈴木組合長は、活動の幅を広げようと60歳で調理師免許を取得し、漁協などの活動の中で、川エビやコイなど、桜川の魚介類で作った手料理を参加者に振る舞っている。

この日作った川エビのつくだ煮も鈴木組合長の自信作。エビの量に見合った鍋を選び、砂糖、塩、みりん、醤油を適量混ぜ合わせ、沸騰したところにエビを入れていく。弱火で2時間煮込むと完成だ。ポイントはたっぷりの砂糖と、少量の塩。塩味が砂糖の甘さを引き立てる。

出来上がった川エビのつくだ煮

桜川への関心広げたい

今回の活動は、桜川が流れる地域住民に、川への関心を持ってもらうことだと鈴木組合長は話す。背景にあるのが、水質悪化や川辺の荒地化、増加する外来種と減少する在来種などだ。かつて桜川はきれいな水と豊かな漁業資源に恵まれていた。霞ケ浦を代表する在来魚のワカサギは、桜川など流入河川を産卵場にするが、桜川に遡上するワカサギも激減し、漁獲量はピーク時の1パーセント未満にまで減っている。

さらに漁協が抱える課題が組合員の高齢化だ。現在71人いる組合員の平均年齢は80歳を超えている。同漁協では、稚魚や卵の放流、川辺の整備・清掃等を通じた河川管理をしてきた。今後は多様な市民とのつながりの中で、地域住民の関心を得るとともに、次世代を担う若い世代の参加が必要だと考える。

桜川漁協では、子どもたちに伝統漁法の投網を教えたり、地域イベントにブースを出展したりするなど地域に向けた啓発活動を行ってきた。最近では、桜川で増えるアメリカナマズのほか、ブラックバス、ブルーギルなど特定外来魚の駆除をイベント化した「特定外来魚釣り大会」を開催すると、市内の中華料理店が霞ケ浦のアメリカナマズを料理した新メニューを開発するなど、桜川を通じて市民との新しいつながりが生まれつつある。今年5月からは、市民団体やNEWSつくばと漁協が協力し、伝統漁法など漁協の活動を参加者が学びながら、川の環境保全への関心を高めるための「桜川川守養成プログラム」が始まった。

鈴木組合長は「料理教室も、桜川への啓発につながれば」と期待を込める。(柴田大輔)

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筑波山麓と洞峰公園近く つくば市の五十嵐立青市長は9日の定例記者会見で、道の駅を①筑波山麓の池田地区と➁洞峰公園近くの上原・松野木地区の市内2カ所で整備することを検討すると発表した。2カ所いずれも整備するか、1カ所のみとするかは今後さらに検討する。五十嵐市長は「二つの可能性もある」としている。 ①池田地区は、市北部の国道125号バイパス沿い付近、➁上原・松野木地区は、研究学園都市の洞峰公園に近い西大通り沿い付近。面積は3ヘクタール以上とし、いずれも民有地を買収する方針。農地の場合は今後、農地転用などの手続きが必要になる。 市観光推進課によると、五十嵐市長2期目(2020-24)のロードマップ(公約事業の工程表)の一つに「道の駅整備の検討推進」とあることから、23年度に市経済部職員内部で、市内に整備する道の駅にどんな機能が求められるかや必要面積などについて検討した。一方、22年度4月策定の第3次市観光基本計画(22-26年度)に、道の駅整備の記載はないという。 23年度の市内部の検討により、3ヘクタール以上の面積が確保できる場所として①池田地区➁上原・松野木地区のほか、③島名地区④菅間地区の計4カ所が候補地案として選定された。 24年にコンサルタント会社に道の駅検討基礎調査を委託し、4カ所についてそれぞれ、立地、商圏、周辺の類似店舗、売上など需要予測、経済波及効果予測の5点を診断した。診断の結果、①池田地区と➁上原・松野木地区の2カ所が高評価だったことから、11月下旬の庁議で2カ所とも検討を進めていくことを決定したとしている。 ①池田地区は、筑波山には年間200万人を超える観光客が来ることから観光面が期待できるとし、➁上原・松野木地区は、研究学園都市の研究所や大学と連携する新たなコンセプトを検討したいとしている。基礎調査の簡易的診断で2カ所とも黒字化するとの診断が出ているという。 一方、選定されなかった③島名地区は車で20分圏に道の駅常総があり競合する、④菅間地区は周辺に類似店舗が多いなど、いずれも周辺への影響が想定された。 ①池田地区と➁上原・松野木地区の2カ所については来年度、有識者や公募市民などによる検討会等を設置して方向性を検討するなど基本構想を策定する。それぞれの道の駅にどのような機能をもたせるかなどは2025年度以降にさらに検討するとしている。一般的に完成までには早くて5~6年かかるという。 道の駅は、24時間無料で利用できる駐車場とトイレがある「休憩機能」、道路情報や地域の観光情報、緊急医療情報などを提供する「情報発信機能」、文化教養施設や観光レクリエーション施設などの地域振興施設がある「地域連携機能」の3つの機能を併せ持つ施設をいう。五十嵐市長は「(道の駅の登録要件として3つの機能以外に)『その他』があるので、新たな機能をどう打ち出すか検討したい」としている。(鈴木宏子)