水曜日, 11月 19, 2025
ホームコラムつくば・土浦地区トップ2高の学級増を《竹林亭日乗》20

つくば・土浦地区トップ2高の学級増を《竹林亭日乗》20

【コラム・片岡英明】前回(8月13日掲載)は、今年の土浦市立8中学から土浦一高への入学者が18人に激減したと書いた。つくば市の高校受験も、牛久栄進高の学級増や市内のサイエンス高の普通科併設などで改善はしたものの、受験者の増加に追い付かず、状況はさらに深刻といえる。

まず、竹園高校を例に解決策を考えたい。つくば市内中学生の県立高校への入学者を、上位4校について見ると、以下のようになる。

     22年  23年  24年
竹園高校 222   200   185
牛久栄進 127   129   150
土浦一高  92   88   70
(募集学級 6    6    4)
土浦二高  89   113   124

土浦一高の募集減のため、市外からの竹園高への入学者が増え、今年の市内入学者は3年前に比べ37人減った。今年から1学級増えた牛久栄進高へは前年より21人増えた。募集学級が減った土浦一高へは3年前より22人減り、土浦二高へは35人増えた。結果、つくば市からトップ2高(土浦一高と竹園高)への入学者は59人減った。

竹園高への市外入学増と土浦一高の定員削減の両挟みに遭い、進学の悩みが土浦一高・竹園高受験者だけでなく、中学生全体に広がっていると言える。この推移を過去5年について見ると以下のようになる。

     20年 21年 22年 23年 24年
竹園高校 185  188  222  200  185
牛久栄進 129  127  127  129  150
土浦一高 109  119  92  88  70
(募集学級  8   7   6   6    4)
土浦二高 101  110  89  113  124

竹園高入学は、土浦一高が6学級になった22年に市内回帰が起き、222人に増加した。しかし、今年は土浦一高入学がさらに減少した上に、22年の竹園高増加分も消えてしまった。土浦一高+竹園高は、294人→307人→314人→288人→255人。22年をピークにして、今年は5年前より39人減った。つくばの受験生のため、竹園高の「狭き門」を広げる必要がある。

つくばエリアは15学級不足

土浦市の保護者からは「土浦一高は無理」といった声、つくば市の保護者からは「市内県立高が不足」の声を聞く。保護者の悩みは深刻で、募集条件が毎年違うので過去のデータは参考にならないとの意見があり、進学先を変更したとの声も多かった。

23年→24年の土浦一高入学者が大きく変動した中学も多い、土浦一中:10人→3人、土浦四中:6人→3人、都和中:5人→1人、吾妻中:9人→3人、手代木中:16人→5人、竹園東中:10人→20人。県は、この増減の裏にある受験生の悩みを読み取ってほしい。

問題は、この募集減がつくばエリアの構造的な県立高不足とTX沿線の中学生増の大波の中で起きていることだ。県全体の平均に比べ、つくばエリアの県立高の募集は現状で15学級不足している。加えて、25年入試ではエリア内の水海道一高の定員も削減される。

各エリアの生徒数に見合う入学枠設定を宣言した県の「2019年高校改革プラン」に期待しているものの、その後に筑波高・水海道一高で定員削減があり、つくばエリアの募集増は進まない。その間、つくば市の高校受験生は1928人(20年)から2174人(24年)へと246人(12.8%)も増え、状況は深刻になっている。

改めて、つくば・土浦の受験生のために、土浦一高の募集を6学級に戻し、竹園高については2学級増を求めたい。(元高校教師、つくば市の小中学生の高校進学を考える会代表)

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

13 コメント

コメントをメールに通知
次のコメントを通知:
guest
最近NEWSつくばのコメント欄が荒れていると指摘を受けます。NEWSつくばはプライバシーポリシーで基準を明示した上で、誹謗中傷によって個人の名誉を侵害したり、営業を妨害したり、差別を助長する投稿を削除して参りました。
今回、削除機能をより強化するため、誹謗中傷等を繰り返した投稿者に対しては、NEWSつくばにコメントを投稿できないようにします。さらにコメント欄が荒れるのを防ぐため、1つの記事に投稿できる回数を1人3回までに制限します。ご協力をお願いします。

NEWSつくばは誹謗中傷等を防ぐためコメント投稿を1記事当たり3回までに制限して参りましたが、2月1日から新たに「認定コメンテーター」制度を創設し、登録者を募集します。認定コメンテーターには氏名と顔写真を表示してコメントしていただき、投稿の回数制限は設けません。希望者は氏名、住所を記載し、顔写真を添付の上、info@newstsukuba.jp宛て登録をお願いします。

13 Comments
フィードバック
すべてのコメントを見る
スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

ウサギ捕り遊び仕事(3)《デザインを考える》26

【コラム・三橋俊雄】今回は、京都府北部・丹後半島で行われているウサギ捕りという「遊び仕事」について2つの事例を紹介します。「ククリワナ」(宮津市由良・南丹市大野)と「バイ投げ」(宮津市上世屋)です。 針金の「ククリワナ」 杉の新芽を求めて訪れるウサギのケモノミチに、針金で輪をつくり、近くの木へ仕掛ける―それが「ククリワナ」(図1)です。針金は藁(わら)で一度焼いて粘りを出し、柔らかくして用います。金属の匂いが消えるためか、よく捕れるといいます。罠(わな)の針金は使い捨てにし、山仕事の行きしなに仕掛けますが、同じ場所には続けて置きません。 ワナは7〜10カ所ほど設けておきます。ケモノミチはウサギがヒサカキの葉を食べたり、丸い糞を落としたりすることで見分けられます。猟の技術は大人から教わったものだといいます。 朝7時半に山仕事へ出発し、道中で仕掛けを確認します。ウサギが捕れていれば、仕事の間は木にぶら下げておきます。谷では仲間とともに山の作業をし、午後4時半頃には帰宅します。ある日には7羽もウサギが捕れて、近所に分けたこともありました。猟は10月から翌年4月まで続き、平均すると5日に1羽ほどの成果でした。 昔はウサギによる害が圧倒的に多かったようです。杉の苗木を春や秋に苦労して植えても、新芽を食べられてしまい、翌年には植え直しを余儀なくされることもありました。杉の木が一本でも助かればと思い、仇討ちのつもりでウサギを捕りましたが、それは同時に「楽しみ」でもありました。食料の乏しい時代でもあり、捕ったウサギは料理して食べました。 皮は喉から足まできれいに剥ぎ、なめすことはせず干して山の敷物にしました。内臓はうまく取り出せるので捨ててしまい、背や足の肉はすき焼きにして食べました。佃煮(つくだに)風の「コロ炊き」にすれば日持ちもしました。 二股枝の「バイ投げ」 「バイ投げ」は、まず雪山の陽の当たる斜面で、曲がった木の根元近くに眠っているウサギを探し出します。ウサギに気づかれないように近づき、バイ(二股の枝にアカマツの葉をくくりつけたもの)を用意します。そして、天敵のタカやトンビが襲いかかってきたかと思わせるように、続けざまにバイを空中へ投げ上げます(図2)。 バイはヒューヒューと風を切って唸(うな)り声を発し、その音に驚いたウサギは身をひるがえし、木の根元の隠れ穴へ一目散に逃げ込みます。間髪を入れず雪穴めがけて走り寄り、すばやく周囲の雪を踏み固めて逃げ道をふさぎます。テンズキ(木製の除雪具)で穴を慎重に掘り進め、ウサギの後ろ足を探り出して掴(つか)み、引きずり出します。 この「バイ投げ」は午前10時から午後3時頃まで行われ、猟期は節分(2月初め)までとされています。節分を過ぎるとウサギは発情期を迎え、行動が敏感になるため、追いかけるのが難しくなるといいます。(ソーシャルデザイナー)

中学校保護者の個人情報漏えいの恐れ つくば市 写真販売会社が不正アクセス受け

つくば市は17日、市内の中学校1校が写真販売を委託しているフォトクリエイト(東京都新宿区)が不正アクセスを受け、宿泊学習などの行事写真を購入した保護者の個人情報が漏えいした可能性があると発表した。市教育局学び推進課によると、写真を購入した保護者の人数は現時点で不明。実際に個人情報が漏えいしたなどの被害は現時点で確認されていないという。 同社のウェブサーバーが今年7月までに第三者から不正アクセスを受け、同社が調査した結果、同社が保有する個人情報が漏えいした恐れがあることが判明したと今月14日、同社から同校に連絡があった。 漏えいした可能性がある個人情報は、2022年から25年に、同社が運営するインターネット写真販売サービス「スナップスナップ」で写真を購入した保護者の氏名、性別、生年月日、住所、電話番号、メールアドレス、パスワード、購入時のニックネームなど。 市によると、22年から25年の4年間に、同校が同社に写真販売を委託した宿泊学習や修学旅行に参加した生徒数は計225人。そのうち何人の保護者が写真を購入したかは不明。写真は、宿泊学習や修学旅行に同行した地元の写真館のカメラマンなどが撮影したスナップ写真などという。 写真を購入した保護者に対し同社は、個人情報漏えいの恐れがある旨を個別メールで通知、さらに使用中のパスワードを変更するよう依頼し、二次被害を防ぐ対策を行ったとしている、 一方、市は同社に対し、個人情報の厳正かつ適正な管理について徹底するよう強く申し入れたとしている。

日米に見る軍隊のおかしな使い方《吾妻カガミ》212

【コラム・坂本栄】東北地方のクマ出没に対処するために県知事が自衛隊に出動を求め、話題づくりが上手な防衛相がこれに応じたとのニュースには驚いた。小銃や機関銃を使って掃討するのかと思っていたら、どうやら「前線」で駆除する猟銃の使い手やライフル警察隊の「後方支援」を担当するらしい。これなら災害出動の小規模団だが、最近、軍隊の使い方が内外でルーズになっているのが気になる。 麻薬船爆撃、デモ隊鎮圧 何かと思い付きが目立つトランプさんは、米国に麻薬を運んでいるという理由でベネズエラの小船を撃沈するよう米軍に命令し、すでに何隻か沈めた。爆撃によって麻薬組織の運び屋が数十人殺されたという。この命令に抗議してカリブ海域を管轄する米海軍の司令官が辞表を出したというから、ホワイトハウスのボスと米軍指揮者の間で軍隊活用の是非について意見の対立があったのだろう。 軍隊組織は外国軍の侵略や政戦略を踏まえた対外作戦を想定して整備されている。麻薬取引への対応は麻薬取締部門の担当であり、この部門に密輸船に対応できる備えがないのであれば、沿岸警備隊(日本では海上保安庁)に任せるのがスジだろう。密輸船対応に軍隊を出すということは、ベネズエラに戦争を仕掛けるようなものだ。 ベネズエラの大統領が「麻薬マフィアのボス」(トランプさんのコメント)なのかどうかは知らないが、民間小船を爆撃せよとの命令は常軌を逸している。世界最強の軍隊を擁する国の大統領のこのような雑な軍隊運用を見ると、米国の軍事機構は正常に機能していないのではないかと思う。 別の分野でもトランプさんはおかしなことをしている。彼の移民政策に反対するデモを州兵に鎮圧させるという使い方だ。連邦制の米国には中央政府の軍隊のほかに州政府の軍隊がある。州兵が一種の予備力とは言え、抗議デモ程度の取り締まりに動員するのは異常といえる。交通整理の警察官で対応が無理なら、せいぜい機動隊が担当する分野だろう。 軍隊運用の線引きが曖昧 クマ退治、小船爆撃、デモ鎮圧。日米で軍隊運用の線引きが曖昧になっている。相手がクマにせよ、麻薬船にせよ、デモ隊にせよ、強力な装備を持つ軍隊がこの種のケースに関わると、軍隊に与えられた本来の仕事から逸脱する。軍隊の自立性を生かす災害出動は別にして(もっともクマ退治程度の後方支援は自治体の仕事だが)、国内問題に関与させるのは抑えた方がよい。 外交経験が少ないトランプさんは、ワンマン不動産経営の延長なのか、中国の習さん、ロシアのプーチンさん、北朝鮮の金さんの強権政治に憧れているという。いずれの国も対外用軍隊と国内治安隊が独裁者によって事実上セットで運用されている。トランプさんが沿岸警備隊や警察機動隊の役割を正規軍に持たせるのは、実力組織の運用でも強権国のまねをしたいのだろう。(経済ジャーナリスト)

ホーム開幕戦で敗れ2勝1敗 つくばサンガイア

バレーボールVリーグ男子のつくばユナイテッドSunGAIA(略称サンガイア、本拠地つくば市)は15日、土浦市大岩田の霞ケ浦文化体育会館で今季ホーム開幕戦を迎え、レーヴィス栃木(本拠地足利市)にセットカウント1-3で敗れた。これでサンガイアは2勝1敗で東地区4位。16日も午後2時から同会場でR栃木と再戦する。 2025-26 Vリーグ男子(東地区)レギュラーシーズン(11月15日、霞ケ浦文化体育会館)サンガイア 1-3 R栃木22-2520-2525-1623-25 第1セットは互いにサイドアウトを取り合う流れでスタート。中盤にはサンガイアがレフト浅野楓のブロックやスパイク、ライト長谷川直哉の多彩な攻撃などでリードを広げるが、終盤にR栃木が曾根裕也のサービスエースなどで追い上げ逆転に成功、22-25でサンガイアは最初のセットを落とした。 第2セットも序盤は拮抗した展開だったが、中盤にR栃木が5連続得点などで引き離し、結果20-25でサンガイアはこのセットも落とした。 「自分たちのやりたいことの半分くらいしか出せなかった。細かいつなぎやコンビネーションが良くなく、相手にチャンスボールを渡し、点につなげられてしまった」と武藤茂主将。「選手の良さを出しきれなかった。相手のポジショニングに想定と違う部分があり、高さでミスマッチが出たところを特に第1セットは突かれた」と加藤俊介監督。 R栃木の先発メンバーにも目を見張らされた。6人のうち架谷也斗、十文字龍翔、奥村航の3人がサンガイア出身。在籍時期やポジションは違うといえ、それぞれに一時代を築いた選手たちだ。 「出身選手だからという意識はなかったが、特に架谷と奥村には相当ポイントを取られたので、この2人を抑えなくてはと選手に話した」と加藤監督。武藤主将は「架谷は去年のうちのエースで、難しいボールも上手に打ちこなすやっかいな選手」と評し、長谷川直哉も「チームメートだったから特徴もよく分かっている。絶対負けたくない」とライバル意識を燃やしていた。 試合は第3セット、サンガイアがメンバーチェンジなどで流れを引き寄せた。セッターを森居史和から浅野翼に変更、村松匠のバックアタックをお膳立てするなど攻撃の幅を広げた。「森居はサイドへの速い供給が得意で、浅野はインサイドをうまく使う。それぞれに良さを出してくれた」と加藤監督。 第3セットを25-16で奪ったサンガイアは、第4セットも終盤まで粘りを見せるが、一歩及ばず23-25でセットを落とし試合終了。 明日の再戦に向けて長谷川は「今日できなかった守備のやり方や、かみ合わなったポイントなどを動画やミーティングで確認し修正したい」、また加藤監督は「うちの良いところが出ればリベンジできる。みんなコンディションは良く、その試合のベストメンバーを出す」と前を向いた。(池田充雄)