第106回全国高校野球茨城大会は8日目の15日、2会場で2回戦4試合が行われた。J:COMスタジアム土浦の第1試合にはシード校の霞ケ浦が登場。太田一を相手に接戦を繰り広げ、9回裏に代打・大石の犠牲フライでサヨナラ勝ちを収めた。霞ケ浦の3回戦は18日、鉾田二と対戦する。球場は未定。
霞ケ浦は2回に2点を先制。先頭の4番・羽成朔太郎が四球で出塁し、送りバントの後、6番・四條好誠の左前打と、7番・片見優太朗の右前打で先制点を挙げた。その後、2死満塁から四球押し出しで1点を加える。
霞ケ浦の先発は飯田創太。守備のリズムを考えて淡々とテンポの良いピッチングを心掛け、7回までを5奪三振1四球2安打に抑えた。ストレートを主体に右打者にはカーブ、左打者にはツーシームがよく決まった。
追加点が欲しい霞ケ浦だが、なかなかその機会が回ってこない。チャンスらしいチャンスとなったのは4回。先頭の片見が四球で出塁し、2者が三振に倒れた後、1番・谷田貝優の打球は中堅へのポテンヒット。守備のもたつきに乗じ2死二・三塁としたが、2番・荒木洸史朗が見逃しの三振に倒れた。
「9番の飯田に代打を出す考えもあったが、彼を4回で降板させるのもどうかと思い、引っ張ったことで追加点が取れなかった。自分の思い切りの悪さから苦しいゲームになった」と高橋祐二監督。
その後、霞ケ浦の攻撃はますます単調になっていく。早いカウントで手を出してゴロアウトを連発。そうこうしているうちに8回表に同点に追い付かれる。飯田はそれまで低めに決まっていた球が浮き始め、三塁打を含むヒット3本を浴びて2点を失い、ここで2番手の眞仲唯歩に交代。8回裏の攻撃では取り返そうと気負ったか、3人が大振りのフライを3発打ち上げて終わった。
9回裏の攻撃は、先頭の片見が中前打で出塁し、暴投と送りバントで1死三塁。眞仲が四球を選び、谷田貝が申告敬遠で塁を埋めると、代打の大石健斗が登場。「満塁で出番が回ってきて、自分が決めてやろうと打席に立った。相手投手はアウトコースの直球が主体で、2球目にその通りの球が来た。少し力んでしまいポップフライかと思ったが、意外と伸びてくれた」と大石の振り返り。
「大石は2年生だがチームで一番信頼できる選手。冷静に打席に立ち、体が開いたりせず、ちゃんと逆方向へフライを打ってくれた」と高橋監督。彼の存在があったから、この場面ではスクイズは考えなかったという。この日はほかに2回スクイズの機会があったが、相手投手の強気の投球により2回とも失敗していた。
「勝ちきったことで次につながった。今は技術的にも精神的にもチームを引っ張る存在がいない状態だが、大石が中軸に戻ってくれば打線も変わるし、投手陣は試合をつくれる子が数人いる。選手たちが今日の内容を考え、やるべきことをやり、ちょっとずつ良い形になっていけばうれしい」と高橋監督は期待をかける。(池田充雄)
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