男子プロバスケットボールBリーグ1部(B1)の茨城ロボッツは4日と5日、水戸市緑町のアダストリアみとアリーナで宇都宮ブレックスと対戦、4日は59-100、5日は64-88で連敗を喫した。茨城の最終成績は12勝48敗で東地区8位。B2降格をまぬがれ、来季もB1で戦うことが決まった。
2023-24 B1リーグ戦(5月5日、アダストリアみとアリーナ)
茨城ロボッツ 64-88 宇都宮ブレックス
茨 城|21|11|13|19|=64
宇都宮|17|26|21|24|=88
「今季最後のホームゲームであり、選手のためにもブースターの皆さんのためにも、どうしても勝ちたい試合だった。だが宇都宮は本当に素晴らしいチームで、思うような結果を出すことはできなかった」と、茨城のリチャード・グレスマンヘッドコーチ(HC)。
昨日の大敗を受け、この日はアウトサイドで勝負をかけた。「相手は中へ収縮する守備をしてくる。そこで今日は積極的に3点シュートを打っていこうと考えた。守備のときも、相手にとにかく3点シュートを打たせることがわれわれのポイントだった」とグレスマンHC。試合の立ち上がりはこれがうまくいった。相手が3本のシュートを外す間に、茨城はルーク・メイが2本、中村功平が1本の3点シュートを決め、9-0の大差を付けてゲームをスタートさせることができた。
だが驚くべきは宇都宮の修正力だった。その後は3点シュートを精度よく決められ、第2クオーター半ばに逆転。逆に茨城は、思うように得点が伸びなくなる。「宇都宮はヘルプの寄りが速いので、寄ったところでキックアウトして、外のノーマークの選手がシュートを打つという作戦だった。だが相手の速くて洗練された守備に、ノーマークにさせてもらえなかった」と中村功平はいう。
前半は両チームともハーフコートで、じっくりとパスを回す攻撃が多く、後半は状況を打開するべく、茨城が乱戦を仕掛けた。だがこれは宇都宮の思うつぼだった。ビッグラインナップではインサイドをしっかりと固め、スモールラインナップでは鋭いドライブで得点を重ねる相手に、ますます茨城は身動きがとれなくなっていった。
こうして連敗で今季を終えた茨城だが、他地区のチームがさらに成績下位だったため(信州ブレイブウォリアーズ=10勝50敗、富山グラウジーズ=4勝56敗)、B2降格は免れることができた。
「昨年12月に私がHCとして復帰したときチームは2勝28敗で、いつあきらめてしまっても仕方のないような状況だった。それでも選手たちが本当に頑張って、B1継続という目標を成し遂げることができた。二度とこのようなシーズンを送らないためにも、ここから多くのことを学び、ロボッツのスタンダードを上げる必要があると思う」とグレスマンHC。
Bプレミアの要件達成見込み
この日の入場者数は5055人で、立見席まで人が鈴なりとなった。この結果、今季のホームゲーム平均入場者数は4619人を達成。2026年から始まる新リーグ「B.LEAGUE PREMIER(Bプレミア)」参入要件の一つ、平均入場者数4000人以上を、大きく上回ることができた。
残る2つの要件は、売上高12億円以上と、ホームアリーナ基準の充足。このうち売上高については、詳細は6月の今季決算を待つことになるが、ほぼ達成されそうな見込みという。施設基準についても、アリーナ改修予算が水戸市議会で議決されたため一定の目処がついた。このため早ければ今年12月のBリーグ理事会で、Bプレミア参入が決定する可能性がある。
西村大介代表は「皆さんにはご心配をおかけしたが、最後は無事B1継続を達成することができ、胸を撫で下ろすシーズンとなった。来季はロボッツ10周年という節目の年でもあり、あと2年で始まるBプレミアを見据え、更なる進化をするシーズンにしなくてはならない」と話している。(池田充雄)