筑波大保有の100種展示
国立科学博物館・筑波実験植物園(つくば市天久保)で13日からコレクション特別公開「さくらそう品種展」が始まる。植物園屋外には江戸時代からの鑑賞方法である「桜草(さくらそう)花壇」が設置され、遺伝資源の保存を目的に筑波大が保有する鉢植えされたサクラソウが100種以上展示される。
白い花をつける「薄蛇の目(うすじゃのめ)」、中心の白から外に向かって赤く色づく「天晴(あっぱれ)」、梅の花のような丸みをもつ「鶯宿梅(おうしゅくばい)」、大ぶりの真っ白な花が印象的な「満月」、現存する最古の品種とされる「南京小桜」など、それぞれ色や形に特徴を持つのが見どころだ。

室町中期ごろから貴族の間で栽培が始まったサクラソウ。品種改良が盛んになったのは江戸中期ごろとされる。江戸を流れる荒川流域に自生地が広がっていたこと、鉢植えで育てられることから「庶民の花」として江戸の人々の間で人気を博していった。
「野生の花を持ち帰り、種を採取してまいてみるとちょっと変わった花が咲くことがある。今まで他の人が持っていない珍しい花を選びとることが繰り返されて今に至る。途中から意図的に交雑させることをしていったと考えられる」と筑波大学つくば機能イノベーション研究センター准教授の吉岡洋輔さんが説明する。「並べて展示することで人の目をひきつけることができ、鑑賞者を喜ばせることができる」のも人気の要因だという。

絶滅の危機
人々に親しまれてきたサクラソウだが、近年は、環境の変化や乱開発により個体数が減り、環境省の準絶滅危惧に指定されている。愛好家らによる自生地の保全活動は全国的に活発になり「保全活動のアイドル的存在」なのだと吉岡さんは言う。
筑波大では園芸品種の遺伝資源の保存を目的に、つくば市民に栽培を委託する「サクラソウ里親制度」を2004年からスタートさせている。大学で保有する品種が、天災などの原因で絶えてしまったときに、里親から株を返還してもらう仕組みだ。同時に、江戸から続く文化を市民に知ってもらいたいという意味も込めている。会場には10年、20年続ける里親の声がパネル化され、屋外にはそれぞれが育てた鉢植えも見ることができる。
「サクラソウは元々日本に野生種がありそこから広がっていったもの。起源が日本にある園芸種は珍しい。四季のある日本の気候に合っているため、基本的な管理ができれば栽培はそこまで難しくはない。形や色など豊富な品種を見ることができるので、是非、自分好みのサクラソウに出会っていただけたら」と吉岡さんが来場を呼びかける。
教育棟ではサクラソウ栽培の歴史を知るパネル展が開かれる。(柴田大輔)
◆コレクション特別公開「さくらそう品種展」は4月13日(土)から21日(日)まで。15日(月)は休園。開場は午前9時から午後4時30分。入園料は一般320円、高校生以下と65歳以上、障害者などは無料。販売もあるが、無くなり次第終了する。