土浦市役所職員の名札から1日、顔写真と下の名前が削除され、所属と名字のみになった。全国の他の自治体では窓口でのトラブルなどにより、氏名をインターネット上で検索され個人情報を調べられたり、SNSに書き込みをされるなどの事案が発生していることから表示を変更した。
これまでは顔写真と所属、名字と名前のフルネームを記載していた。市によると今年に入り、窓口対応に当たっていた若手女性職員の顔写真入り名札が、写真に撮られる事案が発生した。現時点でネットに掲載されたなどの被害は確認されていないが、職員の不安を払拭(ふっしょく)し、安心して勤務できる環境を確保しようと名札を変更した。
新しいデザインは庁内で公募し、11点の中から職員が投票で選んだ。市のテーマカラーの青藍(せいらん)色を用いたシンプルなデザインとなっている。
市によると、名札を名字のみの表示に変更した市は県内で、笠間市(昨年8月から)、取手市(同12月から)、つくばみらい市(今年1月から)、守谷市(同2月から)で、土浦は5市目。
安藤真理子市長は「顔写真がある方が市民が親しみを持つという意見もあるが、いろいろなことを頻繁に言ってくる市民もおり、対応に心砕かれる職員もいる。職員を守らなくてはならない。個人情報に対する意識が以前より社会全体で高まっているなど時代の流れもある。職員が安心して仕事ができるよう環境を整えたい」と話す。
市社会福祉協議会、産業文化事業団、観光協会職員の名札も1日から市職員と同様、所属と名字のみに変更になる。一方、市長、副市長、教育長など特別職はフルネーム表記のまま。