新型コロナウイルスの感染拡大で入学式が中止となった2020年度入学の筑波大4年生と同大学院2年生のための入学式が13日、同大大学会館(つくば市天王台)で催された。4年前に入学した大学生と大学院生計約4700人のうち約200人がスーツに身を包み参加した。2週間後の3月25日には4年生らの卒業式が催される。
入学式には永田恭介学長や副学長らも出席し、同大管弦楽団の演奏で4年生らを出迎えた。式辞を述べた永田学長は「大学生活最初の年はとてつもなく予想外のものであったはず」と振り返り、「皆さんのコロナ禍での4年間の歩みは無駄ではない。学士としての力を備えているはず。卒業前の2週間に学生生活を振り返ってみてほしい」と話した。
先輩たちに感謝の気持ちを伝えたいと、学生組織「全学学類・専門学群・総合学域群代表者会議(全代会)」が主催した。全代会議長で理工学群社会工学類3年の林凜太郎さん(21)が企画を提案し、昨年12月から本格的に準備を開始した。
式典のあいさつで林さんは「大学1年目で思うような活動ができない中、私たち後輩に対しては、新歓活動や学園祭の運営などを精力的に行ってくれた。そのおかげで充実した学生生活を送ることができている。皆さんの今後のご活躍を祈る」と在校生代表として感謝の気持ちを述べた。
同大大学院に進学予定の社会工学類4年の星野明日美さん(22)は「思い描いた以上の入学式で驚いた。行動が制限されていた私たちの学生生活に寄り添った言葉を学長が投げかけてくれていたのが印象的だった」と話した。同大学院に進学予定の理工学群工学システム学類4年、男子学生(22)は後輩からの誘いで参加し「せっかくの機会をいただけてうれしい。初々しい気持ちになった」と語った。
式典の最後に、同大のメッセージソング「IMAGINE THE FUTURE~未来を想え」の合唱も行われた。(上田侑子)