つくば市二の宮の洞峰公園が1日、県から無償譲渡され、つくば市に移管された。市は今後、公園利用者や地域住民、学識者らによる協議会を設置し、利用料を含む運営方針を話し合う。
最高気温16.5度と、3月下旬並みの暖かさとなったこの日、穏やかな晴空の公園には、シートを広げて食事を楽しむ親子連れや、テニスやランニングをして汗をかく市民らの明るい声が響いた。
洞峰沼のほとりのベンチでくつろぐ、つくば市の50代の女性は「ニュースを通じて問題に関心を持っていた。公園は、子どもが小さい頃から安心して遊ばせることができた日常の場所。静かで落ち着ける今の良さを維持してほしい」と話した。
つくばや龍ケ崎、土浦などの友人と週に2度、テニスコートを利用する守谷市の大森保さん(76)は、「環境の良さから10年前からここでテニスを楽しんでいる。他の屋外コートと違うのは周囲の豊かな木々が風除けになること。強風で『今日はダメかな』と思っても、洞峰公園なら問題ないことがよくある。使用料も良心的。長く利用していきたい。コートの傷みがあるので、怪我をしないよう修繕してほしい」と語った。
協議会委員20人程度、年10回開催
市が今後、設置する協議会は、住民が求めていた。市は、協議会委員の選定方法については未定であるとしながらも、20人程度を予定し、2月中に形をつくり、3月中には協議会を発足させ第1回目の会合を開催したいとする。協議会委員の謝金として市は24年度200万円を準備し、年10回の開催を予定する。
五十嵐市長は1日の会見で、協議会に関して「結論を急がず時間をかけていい対話ができれば」とし、いつまでに運営方針を決めるかの時期を明言しなかった。これについて担当の市公園・施設課は「期限は決めていないものの、テーマごとに話し合い、その都度内容を決めていくことになる」としている。
公園の維持管理について市は23年度と24年度は、現在、施設などを管理運営している東京アスレチッククラブに業務委託し、プールや体育館、テニスコート、多目的広場、会議室、駐車場などの施設使用料、スポーツ教室などの会費は、協議会で方針が出されるまで、現状を維持する。一方、洞峰公園管理事務所によると、グランピング施設建設が計画されたことで閉鎖された同公園内の野球場については、現段階では予約受け付け等、利用再開の目処は立っていない状況にあるとした。(柴田大輔)